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イフライン・レコード/IfLine Record 〜ファンタジー地球に転移した俺は恩寵(ギフト)というぶっ壊れ能力で成り上がっていく!〜  作者: mitsuzo
第三章

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100「混乱と思惑と」

【祝100話 到着〜!】



 第一試合が終わった現在——会場は大きなざわめきが起こっていた。


「お、おい、ウソだよな? イギリスのレヴィアス・アークシュルトが負けただなんて⋯⋯?」

「バカ野郎っ!? 現実を見ろ! 負けたんだよ! デビューして半年もしない新人(ルーキー)に!!」

「オーマイガー! ソラ・アラヤシキ⋯⋯やばすぎやろ〜〜〜〜っ!!!!」

「アメェェェェェェェェェェイジングゥゥゥゥゥ〜〜〜〜っ!!!!!!」

「WHATっ?! アンビリーバボー⋯⋯」


 観客のほとんどが先ほどの試合結果が信じられないためか、会場のざわめきがしばらく続いた。


 俺はそんな異様な雰囲気の中、舞台を降りると会場内に設置されている『インフィニティ日本本部用の控え室テント』へと戻った。


「すごい、すごい! すご過ぎるよ、ソラ君っ!!」

「うぉっ?!」


 テントへ入るなり、いきなり胡桃沢が抱きついてきた。


「ソラっ! お前、マジすげーよ! やったなっ!!」


 その後、唐沢も飛びついてきた。


 そんな暖かく迎え入れたのは、二人だけでなく、そこにいる炎呪や不知火も同様だった。しかし、


「お疲れ、ソラ君。どうだったかい?」

「炎呪⋯⋯⋯⋯ビックリした」

「え? ビックリ? 何に?」


 炎呪の後ろでは「大丈夫だよ、ソラ。お前の実力だよ!」やら「そうよ、ソラ君! あなたは勝ったのよ! 夢じゃないわ!」などと、唐沢と胡桃沢が「結果に驚いたのはわかるが勝ったのは事実だ! そんな謙遜しなくてもいいぞ!」などと言っていたが、しかし、俺はの言いたいことはそういうこと(・・・・・・)ではなかった。


「レヴィアスの奴⋯⋯⋯⋯ワザと負けました」

「「え?」」


 俺の言葉を聞いて唐沢と胡桃沢が絶句する。


「うん、どうやらそのようだね」

「ああ、そうだな」


 すると、炎呪も不知火さんも自分と同じ見解だと言うように俺の言葉を肯定した。


「でも、どうして⋯⋯なんでレヴィアスは俺にワザと負けたんだ?」


 意味がわからなかった。


 ワザと俺に負けることで、何のメリットが?


「理由はわからんが⋯⋯ただ、一つ言えることはレヴィアス(あいつ)は意味のないことは絶対にしない」

「っ!? 不知火⋯⋯さん」

「そうだね。レヴィ君は一見、あんな爽やかそうな顔してとてもドライだからね。無駄なことはしないよ」

「⋯⋯炎呪」


 二人もまた俺と同様、レヴィアスの今回のワザと負けたこと(行動)の動機を掴めずにいた。


「⋯⋯え? レヴィアス様ってそんな二面性ある人なんですかっ?!」

「レヴィアス・アークシュルト様って、そんな方⋯⋯なんですね。それにしても、それが本当なら不気味ですね。で、でも、私たちからしたら正直手を抜いているとか、ワザと負けたなんてまったくわかりませんでしたけど⋯⋯」


 ようやく事態を把握した唐沢と胡桃沢も話に加わる。


「まーそうだろうね。今思えば試合開始前から試合開始、そして試合終わりまでの一連の流れ、すべてがレヴィ君の手のひらだったかもしれない」

「えっ!? マ、マジ⋯⋯?」

「マジも大マジ。レヴィ君ってそれくらい狡猾でかしこいからね」

「うむ。よく知る周りが一番にレヴィアスを評価するなら世界ランキングの強さよりも⋯⋯⋯⋯あいつの頭脳だからな」

「そ、そこまで⋯⋯」


 二人の話を聞いて、今度はソラが絶句する。




********************



「まー少なくとも、ソラが望んだチヤホヤされることにはなるからいいんじゃないか?」

「え?」

「だって、ワザととはいえ、結果的にレヴィアス・アークシュルトを一撃で倒したわけだからな。もちろんこの腕試し大会は外部非公開ではあるが、毎年どっかのバカが隠し撮りして『Yo!Tube』にアップするからな」

「いや、セキュリティ⋯⋯『ざる』!」


 不知火が、さも『腕試し大会の動画は外部に出回るもの』とばかりに言うと、ソラがぐう聖なツッコミを入れる。


「ま、そんなわけだから、もう芸能人並に注目されると思うぞ。よかったな、ソラ!」


 と、ニヤニヤ顔で心底楽しそうに嫌味を言う不知火。


「こ、こんな『悪目立ち』で、有名になろうとは思っていなかったですしお寿司⋯⋯」


 が、しかし⋯⋯時すでに遅し。


「どうか、どうか、『腕試し大会の隠し撮り動画』が世間に公表されませんように⋯⋯」


 と、とりあえず、ソラは藁をも縋る想いで祈った。



 まー、こういうのは得てしてね⋯⋯⋯⋯面白いほうに転がるのが世の常である。



********************



「さ〜て! 第一試合からいきなり大番狂せジャイアント・キリングが起きて会場が一時騒然となりましたが、気を取り直しまして、改めて、第二試合を始めたいと思います。ということで早速をくじを引かせていただきま〜す!」


 司会の琴音さんがノリノリである。


 良きかな、良きかな。


「んしょ、んしょ、んしょっとぉぉ〜!! じゃじゃん! 出ましたっ!! お、おおおおおお⋯⋯っ?!」


 琴音さんのリアクションに会場のテンションが上がった。


「第二試合は、中国ギルド本部ギルドマスターにして、探索者(シーカー)世界ランキング第5位! 華僑四大財閥の一つ(ワン)家というすんごい貴族の一人娘!『氷結女帝(ひょうけつじょてい)』⋯⋯⋯⋯王明凛(ワン・メイリン)っ!!!!」


 ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ〜〜〜〜っ!!!!!!


「メイリ〜ン! メイリ〜ン! メイリ〜ン! メイリ〜ン! メイリ〜ン!」

氷結女帝(ひょうけつじょてい)様ぁぁぁぁぁぁ〜〜〜っ!!!!」

「王明凛〜! 結婚してくれ〜っ!!」

「キャァァァァァァ〜〜〜っ!! メイリン様〜っ!!!!」


 会場の『王明凛コール』がハンパない!


「そして、対するは⋯⋯⋯⋯皆さん、お待ちかね! 去年の腕試し大会の再現! イギリス総本部の副ギルドマスターであり、イングランド貴族ホワイト公爵家当主の娘というこちらもガチ貴族! 探索者(シーカー)世界ランキング第4位!『無垢なる執行人(ピュア・エグゼクター)』⋯⋯メイベル・ホワイトぉぉ〜〜っ!!!!」


 ヌォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ〜〜〜〜〜っ!!!!!


「メイベル! メイベル! メイベル! メイベル! メイベル! メイベル! メイベル!」

「メイベル姫〜! サイコー!」

「姫〜! (ののし)ってぇぇぇ〜〜〜っ!!!!」

「『無垢なる執行人(ピュア・エグゼクター)』キターーーーーっ!!!!!」


 うおっ?! 対戦相手のイギリス総本部のメイベル・ホワイトって人もやばすぎるほどの大声援じゃね〜かっ!!


「な、なんだ、こりゃ⋯⋯?」

「えっ?! もしかして、ソラ君⋯⋯王明凛もメイベル・ホワイトも知らないのっ!?」

「知らね」

「嘘だろぉぉっ!? お前、マジで探索者(シーカー)の勉強しろ! 少なくとも、お前は今後絡む可能性があるだろが!」

「うっ! お、仰る通りです⋯⋯」


 珍しく唐沢にド正論でツッコまれた。あと、胡桃沢も「ソラ君、本当に勉強して!」と怒られた。




 なんか、すんません。


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