95回目 接触、敵旗艦
「お、動いてくれたか」
各国の艦隊の動き。
それはミチオ達にも伝わってくる。
「助かる」
その思惑はともかく、やってくれてる事そのものはありがたい。
ミチオ達にとっても好機である。
敵からの圧力が減ったのを感じとる。
一気に敵中枢までの道を切り開く。
「浮遊砲台、全部前方に突っ込め」
すぐさま指示を出し、浮遊砲台を動かしていく。
砲弾を目前に敵艦がいるものはともかくとして。
比較的手隙のものは、全て敵艦隊中枢のいる方向に放り込んでいった。
浮遊砲台が動いていく。
砲撃で敵艦を攻撃し。
撃ち尽くせば体当たりで敵艦を撃破し。
そんな浮遊砲台が遠慮なく進んでいく。
進路上にいた敵艦隊はたまったものではない。
砲撃、そして体当たり。
これらによって次々に撃沈されていく侵略者艦隊。
避けようにも、それも出来ない。
道を空ければ、そのまま葦原艦隊が進んでしまう。
防衛のためにも進路上にいる侵略者達はその場に踏みとどまらねばならなかった。
迫る敵を少しでも迎撃するために。
接触する侵略者艦と浮遊砲台。
そのほとんどは浮遊砲台の撃破で終わる。
だが、攻撃を掻い潜った浮遊砲台が侵略者艦を攻撃する。
双方、潰し合いによる撃破・撃沈を増やしていく。
侵略者艦隊の隊列に穴が空く。
旗艦に続く道が開く。
そこを生き残りの浮遊砲台と葦原艦隊が進む。
「残ってる浮遊砲台、敵旗艦に全部突っ込ませろ」
ミチオの指示に従い、浮遊砲台が旗艦へと向かう。
他の艦艇に比べてもひときわ大きな宇宙船。
それに向けて、浮遊砲台が次々と向かう。
侵略者もそれを阻もうとする。
護衛だろう艦艇が浮遊砲台の前に出る。
浮遊砲台がそれらによって撃破されていく。
だが、護衛も無事ではすまなかった。
浮遊砲台の砲撃、そして体当たり。
これらによって次々に撃破されていく。
撃沈されるもの、そこまでいかなくても行動不能になるもの。
何とか浮遊砲台から旗艦を守りはした。
しかし、損害も甚大なものになった。
その残骸を超えて、葦原艦隊が侵略者の旗艦に接近する。
危険を承知で突進してきた彼らは、その目標を目の前にとらえた。
「砲撃開始」
葦原艦隊の砲門が開いた。
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