87回目 待ち望んでいたもの
一カ所の戦闘では、地球側が有利にすすむ。
しかし、全体の流れでは、まだ侵略者が有利だった。
少しずつではあるが、侵略者艦隊は確実に削られている。
だが、その損耗具合が大きなものかというとそうでもない。
巨大な兵力を持つ侵略者からすると、地球側が与えた損失は、まだ許容範囲であった。
地球側も攻撃を続けられるわけではない。
補給や補充、休息も必要になる。
その為に戦場から一旦離脱する必要もある。
交代で攻撃は続けられているが、それでも効果的な打撃を与えるのは難しい。
そんな侵略者は、葦原の公転軌道に迫ってくる。
そこに入り、葦原を目指そうとしている。
どうにかしてそれを阻止しようと地球側も攻撃を続けていく。
だが、侵略者を止める事は出来ない。
さすがにこのままでは葦原が危うい。
誰もがそう考え始めた頃だ。
侵略者艦隊に迫る新たな戦力が到着した。
「間に合ったな」
葦原の防衛についていたミチオが胸をなで下ろす。
接近する予備戦力。
葦原の各所に配置されていた、浮遊砲台。
それらがようやく侵略者艦隊に追いついてきた。
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