86回目 多いからこそ脅威、多いからこその不利 3
各国の艦隊が攻撃を仕掛けていく。
最初は混乱を発生させるため。
混乱が拡大してからは、追撃して戦果を拡大させるため。
侵略者艦隊は、その思惑通りになっていく。
膨大な数という圧倒的な脅威。
それに対抗するには、相手の動きを乱すしかない。
そう考えて各国は侵略者艦隊の各所を攻撃していく。
少しでも動きを乱すために。
その乱れがほころびになり、ほころびは付けいる隙になる。
各国は容赦なくそこを突いていく。
突入していく地球側艦隊。
それらは侵略者艦隊の表面を次々に食い破っていく。
混乱してる侵略者艦隊は、まともな反撃も出来ない。
それが被害を拡大させていく。
ある程度の損害を与えたところで、地球側は離脱していく。
長居は無用だった。
個別の能力で優れていても、数で負けてるのは変わりない。
目の前の敵を倒しても、その後ろからは寄り多くの敵が押し出されてくる。
まだ整然と動いてる大多数の艦隊がだ。
それらを相手にするには分が悪い。
それらを相手にする事無く、すぐに離脱していく。
正面からぶつかったら不利なのだから。
敵の数にすりつぶされてしまう。
そうして戦っても、撃破数は稼げるだろう。
一隻が沈むまでに、何隻もの敵艦を撃沈できる。
だが、それでは数の多さにのまれる。
たとえ何倍もの敵を道連れにしても、それで敵が残ってしまっては意味が無い。
まずは敵を少しずつ減らさねばならない。
でなければ、最終的に地球側が全滅するだけで終わってしまう。
長期戦を強いられる。
戦いを長く引き延ばし、侵略者の数を減らさねばならない。
それが出来なければ、地球側の敗北で終わる。
しかし、その時間がない。
多少の混乱を発生させつつも、侵略者は足を止めない。
葦原へと迫っていく。
それを止めるには、どうしても数が足りなかった。
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