76回目 侵略前の進捗状況
「でもまあ、少しは揃ってきたか」
全体の作業進捗を見て、ミチオは呟いた。
脱出者の中でも重鎮になってるミチオは、全体の状況に目を通す立場になっている。
その視点から見れば、葦原の防衛状態はまずまずといったところだった。
色々と足りないのは確かだが、何もないわけではない。
防衛体制が十分でないのも事実だが、それでも少しは出来上がっている。
それだけでも今は十分だった。
今後、更に多くの支援が各国から届く。
それらを用いれば、もうすこしマシな防衛体勢を作れる。
さすがに完全無欠とはいかないが、生き残ることは出来そうだった。
ミチオはそれで十分と考えていた。
正面からぶつかって侵略者に勝てる見込みは無い。
それは、各国からの軍勢が到着しなければ難しいことだ。
いくら頑張っても、ミチオ達脱出者達だけで侵略者を撃破することは出来ない。
模擬戦闘を何度も繰り返しても、この結果は変わらなかった。
だからミチオ達は自分たちだけで戦うことを放棄していた。
防衛体制も、葦原全土を守るようなものではない。
主要で必要な部分を守れるようにしている。
余裕があれば、その他にも手を伸ばすつもりだが。
それが望めるほどの余裕は無い。
なので、守るべき部分を可能な限り絞ることにした。
葦原全土にまで防衛体制を広げるのではなく、首都や資源採掘地を確保出来るように。
それ以外の部分は放棄するつもりでいた。
したくてそうしてるわけではない。
どう頑張っても全部を守ることは出来ないのだ。
だから、最低限必要なところだけ守りを固める。
他は侵略者のしたいようにする。
そうするしかなかった。
それでかまわなかった。
ミチオ達がやらねばならないのは、敵の撃退ではない。
出来るのならそうしたいが、それは無理な話だ。
なので、考え方を変えた。
各国の増援が到着するまで粘る。
それまで、葦原に敵を引きつける。
地球への通り道である葦原が陥落しないようにする。
そうして引きつけて、味方が到着するまでの時間を稼ぐ。
これがミチオ達の戦略だった。
そもそも、単独で勝てる相手ではない。
ならば、勝つ事を考えない。
地球人類全体を巻き込んで、戦力を出さざるえなくする。
そういう状況に持ち込むことにした。
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