73回目 日本がしてきた事を知った世界の評価と対応
脱出するにあたり、現地政府から得られる情報は可能な限り手にいれた。
その中には異星人との交渉内容もあった。
その内容を開示する事で、いかに日本が無能であったのかを示していく。
そうした者達によって、脱出者達がどれほどの不利益を受けたのかも。
こういった事実が明るみになるにつれ、同情は増え同調者は拡大した。
そんな脱出者達への支援が少しずつ始まっていった。
小さいながらも各国政府の支援は、脱出者達にとって心強いものだった。
単に物資が手に入るというだけではない。
各国政府が無言のウチに脱出者達を支持る事を示してるのだから。
各国政府による支持。
つまりこれは、日本政府による脱出者達への弾圧の牽制になる。
日本政府としては、脱出者達を処分したい。
政府に逆らった反逆者だからだ。
しかし、それをしようものなら、各国政府が黙ってない。
異星人からの接触や侵略、これを阻止しようという動きを邪魔する事になるからだ。
脱出者達は異星人に対抗している。
しかし日本政府はこれを阻止している。
異星人という侵略者の存在がありながらだ。
これは一国の問題ではない。
地球を中心とする地球人類の存亡がかかってる。
本来なら、各国が対応すべき事だ。
しかし日本はこの侵略者に対抗する事無く殴られ続けている。
それは、侵略への協力でしかない。
各国はそんな日本の態度を良しとしなかった。
憲法の制約がある。
平和主義である。
そんな意見などに何の意味も無い
「そんなもののために滅びるつもりはない」
「日本の都合で滅亡するつもりはない」
これが世界の意思だった。
「むしろ、そんな日本の問題をなんで解消しない」
「そんな考えをさっさと変えろ」
こうも続く。
とどのつまり、日本一国のわがままとしか見られてない。
そんなもののために人類を危機にさらすつもりはない。
それが世界の判断である。
日本はそれを邪魔している。
ならばそれは、敵というべきものだった。
さすがに表だって日本に制裁をするわけにもいかない。
するにしても準備時間が必要になる。
なので、脱出者達を支援する事で牽制をする。
「我々は脱出者達を支持する。
この邪魔をするなら、日本に容赦はしない」
行動でそう告げているのだ。
こうして脱出者達は日本政府からの攻撃を避ける事に成功した。
日本と異星人、二つの敵のうち、一方を封じ込める事が出来た。
それだけでも大きな成果だった。
少なくとも前と後ろで挟まれる事は無くなった。
背後を気にせず戦闘が出来る、それだけでもありがたかった。
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