7回目 国防軍出撃、そして壊滅
カケルがぼやく出澄政府の対応。
そんな彼らの対応は、嘆きに劣らぬ最悪なものだった。
出澄への攻撃が始まる前。
接近する異星人艦隊に対して、日本国防軍は向かっていった。
最悪の事態を想定して集められた宇宙艦隊だ。
それらはしかし、即座に壊滅する事となる。
日本艦隊は確かに異星人を阻むように展開した。
だが、迎撃の為の攻撃はしなかった。
出来なかった。
それを阻止された。
「こちらからの攻撃は禁止だ」
それが日本国防軍の基本である。
先制攻撃はしない。
反撃のみ許される。
つまり、一方的に攻撃されて死ね、という事だ。
これが自衛隊を継承した日本国防軍である。
敵への攻撃は一切許されない。
敵が攻撃してきた場合のみ反撃が許される。
その反撃も、持ってる中でもっとも威力の低いもので行う。
しかも、威嚇射撃だけ。
これが当たり前に行われている。
その為、敵の前に出た者達も全く行動がとれない。
そんな国防軍宇宙艦隊に、異星人は容赦なく攻撃をしていく。
この攻撃を受けて日本国防軍宇宙艦隊は壊滅。
最初の一撃を乗り切り、反撃に出たものもいる。
だが、搭載されてる中でもっとも威力の低い機銃のみ使われる。
当然、そんなものが効果をあらわすわけもない。
かろうじて最初の一撃を乗り切った生き残りも、すぐに殲滅されていった。