66回目 葦原攻略、初手中枢破壊
様々な準備をこなしながらの航海。
増強される軍備。
それらを使う人員の育成。
これらをこなして到着した惑星・葦原。
その葦原に向けて、最初の一撃が繰り出される。
「エンジン点火」
作戦開始と同時に、小惑星にとりつけられたエンジンが動き出す。
資源を採掘し終えて役目を終えた小惑星。
それは、無人制御された巨大な質量弾として使われる。
葦原には、最初から最大最強の一撃を加える。
先に葦原の中枢を破壊。
敵の指導部を消滅させる。
葦原の規模は瑞穂などより巨大だ。
人口は5億人、経済・工業力も高い。
そんな葦原が本気で動いたら、人数で劣る脱出者達がかなうわけがない。
勝つには、先に敵の中枢を破壊し、指揮をとれなくせねばならなかった。
その一撃が放たれる。
加速していく小惑星は、ねらい通りに敵の首都を目指す。
それも、一つだけではない。
迎撃された時の事を考え、複数の小惑星が葦原首都を狙う。
巨大な小惑星を撃破する事は難しい。
しかし、思いもよらない手段で破壊される可能性もある。
それを考えて、予備を事前に用意。
一斉に放つ事で迎撃への対処とした。
葦原はすぐに軍を展開。
迫る小惑星の迎撃にあたる。
だが、さすがに直径数十キロ以上の質量を破壊する事は難しい。
多少削る事はできても、都市を破壊するのに十分な大きさは残る。
葦原首都の壊滅は避けられない。
慌てて葦原政府首脳や高官が、首都を脱出する。
一般人の避難はそっちのけで。
下手に危険を知らせると、誰もが脱出を図る。
そうなると逃げ道が塞がれる。
そうならないように、まずは自分たちの安全を確保していく。
それが終わってから避難勧告がなされる。
慌てて多くの人が首都から逃げ出す。
だが道はすぐに塞がり、多くの者が足を止められてしまう。
脱出できた者は極めて少ない。
そうでなくても手遅れだ。
既に小惑星は近くまで接近している。
安全な場所に逃げ出すために時間はほとんど残ってない。
首都の外縁部にいた者達だけが、かろうじて難を逃れる事ができた程度だ。
多くの人間は、激突する小惑星に押しつぶされる。
衝突の衝撃に吹き飛ばされる。
生き残れた者はほとんどいない。
同じ事は軌道上の軍の基地にも行われる。
これらには分割した小惑星がぶつけられる。
基地の撃破なら、極端に大きな質量は必要ない。
球数を稼ぐためにも必要な大きさに分けてぶつけられていく。
葦原の中枢・戦力は、こうして大きく削られていった。
脱出者の本隊はそれから葦原制圧に乗り出していく。




