61回目 するべき事がなされていく
脱出の準備は進む。
出澄の監視装置から、敵の出発は確認している。
このままなら、確実に瑞穂にも異星人はやってくる。
それらが接触する前に瑞穂を脱出しなければならない。
宇宙船の増産が進む。
積み込む物資の生産も。
瑞穂にも持ち込まれている資源用の小惑星も改造されていく。
出澄脱出の時よりも余裕があるのは幸いだった。
ただ、どれだけ時間があっても、防衛体制だけは作れない。
出来るなら瑞穂で防衛が出来れば良かったのだが。
それだけの時間はさすがにない。
なので、迎撃は他の場所で行う。
瑞穂には敵の足止めになってもらう。
幸い、異星人は星を占領するのを優先している。
出澄に留まり、制圧をしている姿からそれが覗える。
瑞穂も残しておけば、しばらく制圧に時間をかけてくれるだろう。
その間に脱出して、次の場所へと向かう。
防衛の本番はそこからになる。
一応、敵を足止めするために、浮き砲台などを用意していく。
少しでも敵に損害を与え、足止めをするために。
焼け石に水でも、やらないよりは良い。
もちろん、これで敵を撃破出来るとは思ってない。
だが、制圧・占領が遅れ、戦力の回復に時間がかかれば良い。
補充・補給に修理が長引けば良い。
どのみち瑞穂は陥落する。
それは避けられないにしても、それにかかる手間は増やしておきたい。
これらを経て、脱出体制がととのっていく。
それと同時に、異星人の接近も感知する。
出澄を出発した異星人艦隊は、かなり近くまで来ている。
それを見て、脱出者達は最後の仕上げにかかっていく。




