53回目 到着、撃退、制圧 5
もし瑞穂側が今までの国防軍通りに動くならば。
絶対に先制攻撃禁止の措置がなされている。
少なくとも、司令部などが攻撃の許可をする権利をもってる。
出澄脱出者達にはこの制限を解除するかもしれないが。
だが、搭載されてる機器にはこれらの許可を決める機能がある。
それを動かすことが出来れば、相手に攻撃される事は無い。
一方的な戦いが出来る。
それはもう、蹂躙というべきだろう。
そんな蹂躙が可能な状態になった。
戦闘機に攻撃不能の処置をしていく。
その後ろに控える艦艇にも、電子戦の効果が及ぶ。
全ての艦艇が攻撃不能となっていく。
そんな艦隊に向けて、ミチオ達は突進する。
狙うは、各艦艇の艦橋。
艦艇の操縦・操作を司る部分を。
そこを狙って、攻撃を仕掛けていく。
電子戦装置と一緒に抱えてきたもう一つの武器。
対艦ミサイルが発射される。
外しようがないほど接近したところで放たれた一撃だ。
一直線に艦橋へと向かう。
そこで慌てふためく艦長と主要要員を道連れに、対艦ミサイルは爆発した。
艦艇は一気に制御を失っていく。
「こっちは片付いた」
通信機に向かい、後ろにいるロボット部隊に声をかける。
「あとは任せた」
「了解」
短い返事が届く。
その声の主は、さほど時間をおかずにやってきた。
手に入れた敵戦闘機に乗って。




