51回目 到着、撃退、制圧 3
出澄脱出船団の先遣隊。
そこから戦闘機が発進したのは瑞穂警備艇の方も察知した。
それを見て警備艇も搭載機を発進させた。
もっとも、この時点でこれらが警備艇ではないと判明する。
警備艇は戦闘機を搭載しない。
戦闘機を搭載してるのは軍艦だ。
これにより出澄脱出船団先遣隊は、向かってくるのが戦闘用艦艇だと確信した。
軍艦を向かわせてくるとなれば、それは攻撃する意図があると考えるしかない。
もし穏当に対応するつもりなら、警備艇にとどめるはずなのだから。
それにしたって、穏便とはいえない対処である。
本当に平穏な対応をするなら、既に述べた通りに最寄りの港に案内するものだ。
そうせずに軍艦を差し向けてきた。
攻撃する意図をもって行動してるとしかいえない。
どういう経緯でそうなったのかは分からない。
出澄の出来事が何かしら関係してるのだろうが。
それがどれだけ伝わり、どのように判断したのか。
この部分は分からない。
ただ、相手が攻撃する意図があるのははっきりしてる。
そんな連中に容赦をする必要は無い。
先に発進した戦闘機が軍艦へと向かっていく。
その前に、敵から発進した戦闘機がやってくる。
相手の数は10機。
わずかだがミチオ達の方が不利である。
だが、どうにか突破していくしかない。
ここを超えなければこの先など無いのだから。
(先制攻撃が制限されてればいいけど)
わずかな勝機はそんなところだ。
国防軍と同様に先制攻撃を規制されてれば、先にミチオ達の方が攻撃出来る。
もっとも、そんな規制がされてるかどうか悩ましい。
何せ日本である。
日本人である。
敵に対してはとことん甘いが、味方にはとことん熾烈で苛烈だ。
そんな日本が同じ日本人のミチオ達に手加減するとは思えなかった。




