50回目 到着、撃退、制圧 2
領域警備隊。
いわゆる沿岸警備隊、日本では海上保安庁と言うべきか。
その宇宙版である。
その任務は、宇宙における犯罪行為の取り締まりなどだ。
それが向かってくるという時点で、平穏に迎え入れる意思がないのが分かる。
特に警戒もしてないなら、もよりの港へ誘導するのだから。
国防軍なら、最も近い宇宙基地に案内する。
それが警備艇に従えといってきてるのだ。
武力制圧する可能性が高い。
また、向かってくるのが警備艇であるかどうかも分からない。
国防軍の宇宙艦隊が来るかもしれない。
それも、一隻と限らずに。
それを警戒して、レーダーで探知をしている。
探知結果は最悪なものだった。
「敵艦隊、10隻。
こちらに向かってきます」
単純に道案内であるなら、1隻で十分だ。
それが複数となれば、剣呑な意図があると考えるしかない。
そんな敵が迫ってくる。
先遣隊の船は、戦闘態勢を保ちながら接触にそなえていく。
互いに近づく中で、行動を開始していく。
先遣隊の4隻は、搭載していた戦闘機を発進させる。
空母ではないので、1隻あたり2機しかないが。
合計8機すべてが展開する。
「いくぞ」
戦闘機に乗り込むミチオが声をあげる。
艦艇から発進し、仲間と編隊を組んでいく。
そのまま敵へと向かっていった。
更に距離が縮まれば、武装ロボットが発進する。
こちらも船外作業用として搭載されているので、それほど多くは無い。
1隻あたり4機がせいぜいだ。
だが、戦形態に搭載されてる16機全部が展開する。
出し惜しみはしていられない。
「さてと」
カケルはそのロボットの中で発進準備を進めていった。
一新された計器板に目を向ける。
機体の状態に問題がないのを確かめ、艦の外へと向かう。
射出機によって加速をつけて発進し、戦闘機の後を追う。
こうして8機の戦闘機、16機のロボットが敵に向かっていく。
予想された敵との戦いに向けて。




