48回目 脱出、その先で待ち受ける事態を憂慮して 4
小惑星の改造が始まる。
資源採掘用に持ち込まれた小惑星。
それらの内部に居住区が作られていく。
また、必要な物の生産工場なども設置されていく。
もともと、ある程度の工具や機器が持ち込まれていた。
なので、こういった作業は割と順調に進んでいった。
脱出した者達の中に研究者などがいたのも大きい。
こうした者達によって、脱出船団は変わっていく。
幾らか広々とした居住空間を手に入れる。
快適とはさすがに言えないが、船内の座席で寝起きするよりは良い。
必要な物資の生産も行われていき、食うに困る事もなくなる。
戦うための兵器も揃っていく。
少なくとも、味方に邪魔をされる事はない。
いや、味方という名の敵というべきか。
戦うことを禁じて戦闘に放り出す連中は敵でしかない。
その敵に妨害されないというだけでも大きい。
軍の兵器改修だけではない。
有志による義勇兵達の兵器改修も勧められていく。
カケルのような一般人からの戦闘参加者のものだ。
作業用の人型ロボットなどの戦闘力を向上させていく。
今までは必要な機器を取り付けていただけだ。
最低限の戦闘は出来るが、間に合わせなのは変わらない。
それらを、本格的に戦闘が出来るようにしていく。
さすがに新規設計で新しいものを作る余裕は無い。
なので、やはり既にあるものを改良していく事になる。
既にあるロボットの中身の交換だ。
エンジンや制御機器など、ほぼ全てを取り替えるほどの改造をしていく。
それにあわせて、機体の補強も行っていく。
こうしてロボットは、別物というほど違ったものになる。
外見の変化こそ、それほど大きくはないのだが。
これらを繰り返し、隣の星に向かう。
そこでやるべき事の為に。




