41回目 出澄脱出、船団護衛 6
敵の前進と共に安全地帯が減っていく。
補給艦がいるあたりも、敵の射程内に入っていく。
当然ながら、敵も迫ってくる。
小回りのきく戦闘機などは、浮遊砲台を掻い潜ってやってくる程だ。
やむなく補給艦は後退。
護衛艦と共に、ロボットに搭乗してる者達も迎撃に出る事になる。
「武装を確認しろ」
「装備は出来てるか」
「計器板をよく見ておけ」
あちこちから声が飛んでくる。
それに従いカケルは、自分の機体の状態を確かめていく。
作業用ロボットに取り付けられた、戦闘用機器。
その一つである画面計器板に、武装状態が表示されていく。
バリア発生装置に、レーダー、手に握った武器など。
それらが使用可能な状態にある事を確かめていく。
それから機体そのものの確認。
自己診断機能で機体に異常が無いかを確かめる。
全てが正常に動いてるのを確かめ、出撃となる。
「迎撃機、発進させろ」
指示が出て、補給艦からロボットが発進していく。
戦闘用兵装を取り付けられた急ごしらえの兵器が宇宙に飛び出していく。
カケルもその中の一人として宇宙へと飛び出す。
わずかな戦闘訓練と、ささやかな武装を身にまとって。
隊列を組み、カケル達は迫る敵に向かい合う。
横一列に展開するそれは、機動力を用いた戦法とは真逆のものだ。
だが、まともな戦闘機動が出来ないカケル達はこうするしかない。
宇宙空間での動き方の訓練はしたし、実際に船外活動も行った。
だが、戦うための動き方を身につけてはいないのだ。
そもそも、人型ロボットに高度な動きは出来ない。
下手に動いても、効果的な戦闘は出来ない。
だからこそ、集まって集団を作り、攻撃を一方向に集中する。
これ以外に、効果的に戦う方法は無かった。
そんな列が補給艦の前に展開される。
やってくる敵を遮る壁のように。
それらは迫る敵戦闘機をレーダーにとらえる。
自動的に照準があわされ、銃口を向ける。
そして、有効射程に敵が入ると同時に、ロボット兵器は手にした銃を発射していった。




