39回目 出澄脱出、船団護衛 4
敵艦との距離を縮めていく。
ロケット弾が外れないくらいに近づく。
射程の中に、ここからだと回避が出来ないくらいの距離に。
そんなミチオの動きを敵も阻もうとする。
戦闘機を繰り出し、対空機銃を放ってくる。
もちろん、対空ミサイルも。
それらをミチオ達は回避していく。
搭載しているレーダーで敵の攻撃は把握出来る。
それを元に、瞬時に危険地帯を予測。
安全な場所を表示していく。
それに従えば、被弾を大きく減らせる。
誘導ミサイルなどはさすがに避けにくいが。
それらは戦闘機に搭載しているバリアが防いでくれる。
接近する攻撃に対応して展開されるバリア。
超近距離専用の防御兵器である。
とてつもない出力が必要になるビームを機体周辺だけに展開する。
これにより、飛んでくる弾丸やミサイルなどを迎撃する。
機体を球形状にくるむビームの膜は、接近する様々な攻撃を防いでくれる。
爆発反応装甲に似たような装備と言える。
着弾と同時に爆発し、その衝撃で攻撃の威力を相殺する。
形を変えてそれがこの時代にも用いられている。
また、滅多にない事ではあるが、接近時の攻撃にも使うことが出来る。
弾やミサイルだけではなく、敵機体が接触するほど接近してもバリアは発動する。
その際には、強力な武器として敵に損害を与える。
宇宙空間で格闘になるような事はほとんど無いが。
万が一そうなれば、防御兼攻撃兵器となってくれる。
そのバリアの助けも借りて、敵の攻撃をしのいでいく。
さすがに連続して攻撃が当たれば、バリアももたないが。
多大な出力が必要になるので、連続して使えないのだ。
展開に必要なだけのエネルギーが溜まれば再使用も出来る。
ただ、それまでに若干の時間が必要になる。
なので、回避も必要になってくる。
攻撃を受け続けてバリアが切れないように。
濃密な弾幕を張られればそれも難しくなる。
表示される安全圏をくぐり抜けて、どうにかこの無茶を通していく。
そうして接近した敵艦に、ほぼロケット弾の対艦ミサイルを撃ち込んでいく。
至近距離と言って良い距離まで到達している。
回避は不可能。
肉薄したミチオの攻撃は、狙い通りに敵艦に当たっていく。
派手な爆発が発生した。




