38回目 出澄脱出、船団護衛 3
色々な思いを抱えながらも、ミチオは戦闘機を進ませていく。
既に浮遊砲台が異星人艦隊への攻撃を行っている。
その補完としてミチオ達が加わる形になる。
浮遊砲台によって異星人艦隊の大部分は損傷を受けている。
まだ沈没するには至らないが、本来の能力は発揮できない。
そんな異星人艦隊に、ミチオ達は突撃していく。
本来ならば、遠距離から対艦ミサイルを放り込みたいところである。
敵艦は損傷を受けてるとはいえ、機能を完全に停止してるわけではない。
対空砲が生きてるなら、迎撃を受ける可能性がある。
それを考えれば接近するわけにもいかない。
しかし、無理をしてでも接近せねばならない。
対艦ミサイルなどが底をついてるからだ。
何度も接近してくる異星人艦隊。
その迎撃の為に何度も出撃し、攻撃を仕掛ける。
当然、弾薬はその都度消費する。
無くなっていくのは当然だ。
再生産も求めてるが、そう簡単にできるものではない。
最新のものだと、作るのに時間も手間もかかる。
そして、技術力も。
出澄にある生産施設でこれらを作る事はできない。
やむなく、これも代替品を用いていく。
出澄でも作る事ができる程度のものを。
当然ながら、性能は正規品よりも落ちる。
今、宇宙戦闘機に搭載されてるのは、国防軍が装備する対艦ミサイルではない。
ありあわせの物で作った急造品だ。
破壊力はそれなりだが、誘導性能は格段に落ちる。
ほとんど直進しかしないシロモノだ。
いっそ、ロケット弾といった方が良いだろう。
そんなものなので、出来るだけ接近しなくてはならない。
遠くから放てば避けられる可能性があるからだ。
そこまで接近する為にも、多少は無茶をしなくてはならなかった。




