36回目 出澄脱出、船団護衛
即席の戦力も増やしつつ。
出澄からの脱出準備は進む。
宇宙港まで避難してくる者も増えている。
たどり着けない者もいるが、それらを救ってる余裕もない。
救出に向かいたいが、余裕もなくなってきている。
やりたくても出来ない状態だった。
ただ、避難・脱出希望者のほとんどは既に宇宙港に到着している。
各地に残ってるのは、避難を拒んだ者達だ。
そして、その多くは異星人への降伏を望んだ者達である。
無理して救出する必要もない。
実際、降伏を拒んで宇宙港に多くの者達が向かったあと。
あらためて異星人に降伏をした都市もある。
それらには即座に異星人が占領部隊を投入。
次々に制圧されていってるという。
なお、制圧された都市や地域であるが。
そのほとんどが焦土となっている。
建物は瓦礫になり、人は見つけ次第殺されてていってるという。
たまたまそういう所から逃げ出し、なんとか宇宙港にたどり着いた者達がそう証言した。
証拠となる映像もある。
「あいつらに降伏したって無駄だ」
命からがら逃げてきた者達はそう言う。
「奴等は降伏したって俺たちを殺そうとした」
「死にたくないなら、逃げるしかない」
この証言と証拠は、宇宙港の逃げてきた者達にひろまっていった。
脱出準備は次々に進んでいく。
宇宙船もどうにか数を揃え、出澄から脱出する目処が出来ていく。
都市の制圧の為に各地に向かっていた敵艦隊も集まってきている。
制圧がある程度落ち着いたのだろう。
戦力を宇宙港の方に向けてきた。
それを見て、宇宙船による脱出が開始されていく。
避難民の乗った宇宙船は、地上からマスドライバーで宇宙へと飛び立っていく。
宇宙に向かう大きな滑り台といった姿のマスドライバー。
宇宙船射出装置とでも言うべきこれは、危険な出澄から人々を脱出させていく。
そんな宇宙船に異星人艦隊は向かっていく。
撃破殲滅する為だ。
当然ながら、これを守るために軍も出撃していく。
脱出した宇宙船は、軍の衛星軌道基地に向かっていく。
そのまま宇宙に飛び出すと、異星人の追撃を受ける可能性があるからだ。
そうならないように、軍が護衛を受けながら脱出する事になっている。
となれば、守りやすくするために、集団を形成する事になる。
その船団を組む為に、宇宙船は一旦一カ所に集まる。
そこで出澄脱出の時を待つ。
出来るだけ作業は急いで進められる。
その甲斐あって、かなりの速度で宇宙への脱出は進められていく。
だが、敵もそれを黙って見ているわけではない。
集結する船団に向かい、多くの敵艦が迫る。
それらを退ける為に、軍も出撃回数を増やしていった。




