33回目 有志・志願者を募っての戦闘訓練・戦闘装備装着
戦闘は今のところ優勢に進んでいる。
敵が思ったほど強くないからだ。
それが、敵の油断によるものなのか。
兵器の質や兵士の訓練度が足りてないからなのかは分からない。
だが、戦闘になれば、とりあえず勝てる。
これは確かだ。
全体的に見れば劣勢の出澄側からすればありがたい。
宇宙港周辺での戦いでは勝ってるが。
出澄を含む領域全体では負けている。
宇宙には異星人艦隊が展開している。
地上の都市なども爆撃がされて破壊されている。
一部地域には地上部隊も降下している。
それらが地域の制圧を開始していた。
安全なのは宇宙港付近だけ。
それが出澄の現状である。
不利な事に変わりは無い。
だからこそ、一部だけとはいえ、安全が確保されてるのはありがたい。
迫る敵を撃退出来ているのも。
だが、これがいつまでも続くとは限らない。
異星人が本気で攻め込んでくれば、簡単に覆る。
まずもって、兵力や兵数では負けている。
今は出澄全土を制圧するのに忙しいようだが。
その敵が全戦力で攻め込んできたら防ぎきれるものではない。
だからこそ、少しでも戦える者が必要だった。
兵力の不足は深刻な状態なのだから。
また、戦闘に参加しないまでもだ。
最悪の場合、戦闘で生き残れるようにしておきたい。
そういう思惑もある。
出澄側がどう望もうとも、敵は攻めてくる。
そうなれば民間人の安全も保証出来ない。
そんな時のために、少しでも抵抗できるように。
戦わなければ安全も命も確保出来ないのだ。
だからこそ、その為の訓練をしておいてもらいたい。
そういう思いもあった。
最低限の武器の使い方。
戦闘における動き方。
それらを身につけておいてもらいたいと。
異論があるわけもない。
カケルはその提案を受け入れていった。




