31回目 ありあわせの兵器を用いての迎撃戦
ミチオの乗った戦闘機が、軌道基地から出撃する。
それらは接近する異星人艦隊へと向かっていった。
前哨戦として、広範囲に展開させている無人砲台が迎撃を開始する。
宇宙ヨットなどの小型艇に、レーダーと砲台を取り付けたようなシロモノだ。
性能はさほど期待出来ない。
だが、数だけは確保出来る。
それらが、とりあえず接近する敵艦隊を攻撃する。
数だけは多いこの浮遊砲台に、異星人艦隊も苦慮する。
倒せないわけではないが、数が多い。
なので、一つ二つ撃破しても効果が薄い。
たとえ撃破しても、そうしてる間に生き残ってる別の砲台が攻撃してくる。
搭載されてる砲が比較的小型で威力が低いのが救いだろうか。
しかし、そんなものでも、まとめて何発もくらうと大きな痛手になる。
しかも、相手にするのは無人砲台だけではない。
そうして手こずってると、基地から飛んでくる部隊に追い打ちをかけられる。
宇宙戦闘機による部隊であるが、侮れない脅威だ。
確かに軽量小型で艦船ほどの耐久力は無い。
しかし、軽快な運動で攻撃を回避していく。
おまけに、搭載してる武装は決して貧弱ではない。
当たれば多大な損害を与える対艦ミサイルなどが放ってくる。
それらが飛んできたら、艦艇といえども無傷では済まない。
浮き砲台で足止めをくい。
戦闘機で大きな損傷を受けていく。
異星人艦隊もさすがにこれには手を焼いていく。
しかし、やられっぱなしではない。
異星人側も戦闘機を繰り出して対抗する。
艦船の対空機銃も動いていく。
下手に接近すれば撃墜されるのはミチオ達も同じだ。
それでも対艦ミサイルなどを発射するために接近する。
繰り出してくる敵戦闘機を掻い潜りながら。
幸い、異星人側の戦闘機はそう多くは無い。
浮き砲台に攻撃される事を警戒してか、それほど深く突っ込みもしない。
ミチオもそうだが、相手の攻撃範囲の外で行動しようとする。
その為、戦闘機同士が直接ぶつかりあう戦闘はほとんど発生しない。
全くないわけではない。
砲撃や対空機銃の攻撃が薄い場合もある。
そうした時には戦闘機同士の格闘戦も発生する。
それこそほんの一瞬、すれ違いざまに打ち合う程度だ。
それでも戦闘は戦闘。
味方も敵も撃墜される事もある。
その危険をおかしながらも、ミチオは敵に攻撃をしかけていく。
敵に損傷を与えるために。
出来るならば、撃沈するために。
そうして脅威を減らすために。
宇宙港の安全を確保するには、敵を退けねばならない。
確実に脱出をするためにも。
幸い、今回の出撃で敵艦隊を退ける事はできた。
味方の損害もない。
浮き砲台が幾つか沈んだだけだ。
その分を補充しつつ、今後の襲撃にも備えていく。




