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3回目 自業自得の破滅 2
良識ある者達の警戒と警告。
この全てを無視して、何の根拠も無い楽観論を信じた。
その報いが、爆撃という形であらわれた。
なんの事は無い、日本人の愚かさが招いた事態である。
攻め込んできたのは異星人の都合ではある。
だが、それに備えなかった、警戒もしなかったのは日本人の愚劣さによる。
その対価を、日本は出澄への爆撃によってもたらされる事になった。
星の地球改造にかけた労力と、大量の入植者の死という形で。
その責任の半分は、間違いなく日本のせいである。
この可能性を考えて、出澄から逃げ出す者達はいた。
そうした者達は、周囲に警告もしていた。
「何も無ければいい。
けど、何があるか分からないから」
そう言って、最悪に備えるよう促していた。
だが、出澄にいる者達の多くは何もしなかった。
不安は少しはあったが、そこまで酷い事にはならないだろうと。
その結果が爆撃である。
宇宙から直接地上に向けて行われる攻撃。
それにより、都市の一つが壊滅しようとしている。
そんな町の中を逃げながら、カケルは安全な場所を求めていった。