27回目 避難誘導員に襲いかかる者
問題も発生していく。
どうにか避難をさせよう、かのうな限り救助しよう。
そうした努力に反発する者達がいる。
どこでも発生する問題が、この時も出現してくる。
「いったい何をしていた!」
避難誘導に出向いた軍にかみつく者達がいる。
「お前らがしっかりしないからこうなってんだぞ!」
爆撃による破壊。
それによって出てしまった多数の死者。
その惨状を指して叫ぶ。
こういった、軍をけなす者達がそこかしこにいた。
今までもいたが、今になってもやっぱり出てくる。
理不尽な言いがかりである。
爆撃したのは異星人だ。
軍がやったのではない。
それなのに軍に怒鳴るなどおかしいとしか言いようがない。
加えていえば、軍の出動が遅れたのは、怒鳴ってる連中による。
軍の行動を阻害するようなことを支持していたのは、怒鳴ってる者達によるものなのだから。
それに同調して政治家も、軍の動きを阻害する法律や政策を施してきた。
その結果、軍の出撃は遅れた。
おまけに、戦うことも出来ずに撃破されていった。
それは、国民による軍人の殺害でしかない。
結果として異星人の撃退は出来ず。
好きなように爆撃をされていった。
軌道上から降り注ぐ爆弾は、全て国民が望んだ結果である。
その責任を軍が負う理由は全くない。
何のことはない。
全て自業自得である。
軍を非難する理由は誰も持ってない。
むしろ、軍は敵に殺されるだけの被害者でしかない。
また、避難を促しに来てる者に言うことだろうか?
頭にきてるとか、感情的になってるなどという言い分けは一切通じない。
やるべきでない事を、するべきで無い相手にしてる。
これが既におかしい。
なにより、そうして騒ぐ事で避難が遅れる。
今はどこもかしこも手が足りない。
無駄な騒ぎで手や足を止めてる場合では無い。
なので軍も早急な対応をとっていく。
携帯している銃。
それを騒いでる者に向ける。
躊躇う事無く引き金を引く。
相手は死んで倒れていく。
これで騒ぎは終わる。
その場に他の者がいれば、まとめて処分する。
あとで騒がれたり問題にされても困る。
ただ見てるだけで、面倒を起こしてる者を止めないの問題だ。
消極的な共犯者と言える。
そんな者達を生かしておくわけにはいかなかった。
これらは作業妨害の現行犯として処理される。
実際、戦場などではこうした騒動は妨害の一種として扱われる。
迅速な作業を邪魔するならば、それはもう排除するべき障害になる。
犯罪者と同じ扱いになる。
いや、まさしく犯罪者となる。
こうして邪魔者達は消えていく。
軍も避難誘導をしてる役所や警察の者達も、作業を進めていく事ができる。
だが、これとは別の問題も発生する。
避難を拒む者達の存在だ。




