25回目 最大最悪の障害を取り除く
「とは言ってもな……」
宇宙港の防衛。
その為に動かねばならないのだが。
ミチオは現状に頭を抱えていく。
防衛の為には戦わなくてはならない。
だが、その為の武器がない。
一応、国防軍が配備してる兵器はあるのだが。
これらは全く作動しない。
壊れてるのではない。
兵器などが動かないように設定されてるのだ。
司令部の許可が下りるまで発砲できないように。
先制攻撃が出来ないようにするための処置である。
これらが電子機器などに設定されている。
なので、兵器は全く稼働しないようなものだ。
動かすことは出来ても、搭載してる武器が使えないのだから。
これらを変更してる暇がない。
現在、急いで対策をしているのだが。
実現するのは先の事になる。
そのため、防衛しようにも何も出来ない。
このことに出澄政府は文句をつけてきた。
なんでそうなってるのだと。
そんな政府にミチオは、
「お前らのせいだ。
あと、日本人の」
と事実を告げた。
多くの日本人がそうであるように、戦争反対は国防軍のこういったところにも及んでる。
その結果、異星人の襲来があってもまともに対処出来ない。
どうしてそうなったのかと問われれば、そう望んだ国民のせいとしか言えない。
また、そんな国民の声に従った政府のせいでしかない。
もっと言うならば、反戦・平和という考えによるものでしかない。
戦うなというのだから、そうなってるだけである。
それで平和になると考えてるのだから、国防軍の兵器は使用不可能な状態にされている。
攻撃の許可がおりればこの限りではないが。
そんな許可が出るわけもない。
戦闘を絶対にみとめないのだから。
「おかげで俺はもう少しで死ぬところだったぞ」
出撃を目前に控えていたミチオからすれば、たまったものではない。
政治の決定、国民の意思とはいえ、それで殺されてはたまらない。
軍人をやっているのは食っていくためだ。
最悪、戦場に投入されるにしても、十分に戦える状態でなければ納得出来ない。
それをしなかった政府と国民、反戦・平和という考えには憎悪しか抱かない。
とりあえず政府には壊滅してもらった。
出澄政府の代表、その官僚群。
これらは遠慮無く潰していった。
その為に、国防軍の有志と連絡をとり、手を携えて出澄首都を攻撃した。
政府代表とその取り巻きに銃口を向けた時の気分は最高だった。
「反乱だぞ!」
政府代表はそう叫んだ。
「そうだな」
ミチオは素直に頷いた。
「お前らの俺たちへの反乱だ」
「なにを言って────」
それ以上は言えなかった。
ミチオ達の攻撃が、出澄首都を襲ったからだ。
衛星軌道からの小惑星の投下。
直系数キロに及ぶ塊が、幾つも首都に落ちた。
惑星開拓にあたり、当面の資源を確保するために持ってきたもの。
それらにロケットを取り付け、地上に撃ち込んでいく。
大きさと重さによる単純な破壊だ。
それでも、幾つか撃ち込まれれば首都も崩壊する。
地上に大きな陥没が出来る。
都市の痕跡はその間にかすかに残るだけ。
首都のなれの果ては、あまりにも簡単に出来上がった。
「ざまみろ」
自分たちを殺しにかかっていた者達。
その中心たる存在が消えて、ミチオは幾らか気分が良くなった。




