24回目 進むために守るべき場所
避難先、脱出先。
異星人の攻撃を避けられる安全な場所。
それを求めて、避難者は動いていく。
だが、そんなものは出澄のどこにもない。
宇宙からの攻撃を受けてるのだ。
逃げ場所などあるわけがない。
どこにいようと、常に攻撃の危険がある。
それを阻止するのが国防軍なのだが。
それらはまともに戦う事もできずに撃破された。
ミチオ達のような一部を除き、ほぼ壊滅状態である。
異星人の攻撃阻止は、現時点では夢物語だ。
だとすれば、出澄から脱出するしかない。
出来れば隣の星へ。
それが出来ないと、出澄の人間が全員死ぬ可能性もある。
となれば、宇宙港の確保。
宇宙船も含め、ここの安全は必要不可欠になる。
そう考えた国防軍と、有志達は動き出す。
軍に邪魔者を排除されたおかげで、それらも円滑に進んでいく。
今までに比べればだが。
「とにかく、宇宙港だけは絶対に確保だ」
これが基本方針になっていく。
この為に様々な所が動いていく。
生き残った通信回線などを使い、あちこちに案内が流されていく。
宇宙港からの脱出をする、だからここまで来てくれと。
簡単な事ではない。
残存する宇宙港は一つ。
そこまで向かうのは並大抵の事ではない。
開拓中の星とはいえ、人はあちこちに点在しているのだ。
近くにいる者はともかく、離れた所にいる者達には不可能に等しい。
距離にして何千キロも離れた所にいる者だっているのだから。
それでも、それがほぼ唯一の脱出方法になる。
近くにいる者達から順に宇宙へと飛び出していく。
それを守るために、軍の残存部隊も動いていく。




