18回目 生まれた隙間、生き残る道 2
脱出するにあたり、移動手段が欲しいところだった。
歩いて都市から逃げるのは難しい。
自動車でも自転車でもいいから何かあればと思う。
なのだが、現実は厳しい。
まず、壊れずに残ってるものがあるかどうか。
あったとしても、鍵があるかどうか。
立派な盗難である事は、とりあえず置いておくとしてもだ。
そこらじゅう爆撃を受けた今、動かせるものが残ってるかがあやしい。
仮に無事に動くものがあったとしても、走れる道が残ってるかどうか。
爆撃で壊れたのは建物だけではない。
道だって破壊されている。
まともに道が残っていたとしてもだ。
車での移動はどうしても目立ってしまう。
そこを敵に狙われるかもしれない。
今はまだ軌道上からの爆撃だけで澄んでいるが。
もし、大気圏内に入ってきて、個別に攻撃をしてきたら、真っ先に狙われるだろう。
隠れる場所もないのだから。
それを考えると車を使うのも難しい。
時間はかかるが、歩いた方が良いのかもしれない。
「バイクか自転車ならいいのかもしれないけど」
それもどこまで使えるか分からない。
結局、持てるだけの食料などを持って歩く事になる。
安全性を少しでも得るために物影を伝って。
爆弾が直撃したらどうしようもないが、爆風や破片からは身を守れる。
そうして安全を出来るだけ確保しながら外へと向かっていった。
次の爆撃が始まるまでに、なんとか危険を避けられる場所へと。




