第一話
「なぁどうして俺は人の言葉が喋れるんだ?」
「何度聞かれてもワシには分からんよ」
俺は一ヶ月前このダンジョンにて最弱の魔物、スケルトンとして生を受けた
ただ俺は普通のスケルトンでは無く、『人の言葉』を理解し話すことができるという過去例の無い
非常に珍しい個体だった
「強いて言うのなら知能の高い個体だったとゆうことではなかろうか?」
こいつはダンジョンの主の『デミリッチ』
つまり冒険者がこいつを倒すためにこのダンジョンに挑むわけだが…
「まぁこのダンジョンは一番不人気のダンジョン、時間は無限にある…アンデットなだけにのぅ!」
こいつの言う通り不人気すぎて冒険者が訪れないのだ
それも当然、このダンジョンはアンデット系の魔物しかおらず冒険者からしたら非常に面倒くさい
ただそのおかげでこうしてゆっくり話ができている
「…じゃあ俺はそろそろ行くよ」
「おお、そうかそうか、うっかり冒険者の経験値になるんじゃないぞ?」
「冗談でもやめてくれ…」
デミリッチはこのダンジョンで俺以外に唯一人の言葉が喋れる魔物だ
だからついつい話し込んでしまうが…一応ダンジョンの主
生まれたての魔物の世話や、設備の管理で忙しいようで自分から退場するようにしている
さぁ今日も暇つぶしに散歩でもするかな