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影裏案件 -凍り鬼―  作者: greed green/見鳥望
二章 死人の手
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 夜は都合がいい。

 私の行いを包み、隠し、見逃してくれる。

 今から私が為す事も、全て。


 すぐ。きっともうすぐだ。

 待ち遠しくもあり、一生その時が来て欲しくないという相反する想いが交差する。

 だがやらねば。絶対にやらなければいけないのだ、私は。


 うまくいく。そんな事は分かっている。

 二人も殺したのに、警察は私にまるで気付いていない。

 気付きようがない。証拠が分かったとしても説明がつかないのだから。

 こんな殺害方法があるなど、もし分かったとしても捕まりようもない。

 いや捕まる捕まらないなど、どうでもいい事だ。

 


 あ。


 いた。


 いた。いた。


 見つけた。


 やはり、いた。


 私はゆっくりと背後に近付く。


「ねえ」


 私の声に彼女が振り向く。

 

 そうだ。この顔だ。面影が残っている。間違いない。

 知っている。こいつだ。こいつが……。


「何ですか?」


 女は怪訝な目を私に向ける。

 

「……まさか、あなた……」


 気付いたか。だが気付いた所で何も変わらない。


 彼女に手を伸ばす。

 

「あ……がっ……!」


 触れた瞬間、彼女の全身が一瞬にして硬直した。

 

「コオリオニ」


 私の呟いた言葉は、きっともう彼女には聞こえていない。


 これで、三人。


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