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タイムカプセル・パラドックス  作者: 宇佐見仇
97/102

第九十七幕《感想》&第九十八幕《進退》

字数の都合により、二話連続です

 第九十七幕《感想》














「へえ」





















 第九十八幕《進退》


「……いや、『へえ』て……。いや『へえ』ってっ! 何それ!」


「何それって、普通の感嘆符だけど。主に相槌に使われる」


「んなの知っとるわ! そうじゃなくて、何言ってんのお前!」


「父親に向かってお前とは何だ、お前とは。時代錯誤な価値観を押し付ける気はないが、女の子なんだから、せめてもう少し上品な口の利き方をしなさい」


「ここに来て何を平然と父親みたいなこと言ってんのあんたっ? 空気が読めないの? 読んだ上で豪快に無視してんの? それとも、些細なことは気にするなっていう、言葉にはしないけど心憎いメッセージ的な何か?」


「え? いや、別にそんなわけじゃないけど。さっきのは普通に感想を言っただけだよ。へえー、そうだったんだ、って」


「『へえ』って! だから何じゃそりゃあ! あれだけ色々ぶっちゃけられて、言うことがそれだけか! 感心するだけなのか! どんな鋼のメンタリスト?」


「どうでもいいだろ、僕のメンタルなんて。ともあれ無事キナちゃんが部屋から出てきてくれてよかったよ。心の病気になったんじゃないかって心配だったんだから」


「……本当に心配してくれていたのかなあ? さっきの興味ない反応を見る限り、とても信じられない。私が自殺してても、『へえ』の一言で済ましちゃうんじゃないのかな」


「それはキナちゃんが死んでみないと分からないね。自殺する予定があるの?」


「あるわけあるかぁ! 何さらっとブラックなこと聞いちゃってんの」


「さらっと聞かないと聞き辛いこともあるだろ? まあ今のはお茶目だ」


「お茶目で言っていい話題じゃないと思うけどね!」


「要するに、だ。キナちゃんは僕や彼女への複雑な感情をこじらせたせいで、僕の人生を狂わせたいと思ったわけか。でもそれはもう抑えられているんだろ? だったらもう問題は解決したってことでいいんだよね」


「……えっと、いや、抑えているつっても、まだ心の中にはそういう欲望が渦巻いているし……。完璧に消せていないわけで、いつまた顔を出すか分からない状態だから……」


「でも君は部屋を出てきた。誤魔化そうとせず、僕と向き合うことを決めた。だったら僕にできるのはその決心を受け止めてあげることだけだ」


「え……。う、受け止めるって、何それ。私に人生を狂わされていいって言うの? お母さんに狂わされて、挙句は私にまで狂わされるって、そんなのおかしいよ! お父さんの人生なのに誰かのために消費されていいわけない……!」


「僕は、彼女や君に人生を狂わされたなんて思ったことは一度もないよ」


「……う、嘘! そんなの嘘に決まって……!」

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