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タイムカプセル・パラドックス  作者: 宇佐見仇
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第八幕《食卓》

 第八幕《食卓》                  



娘「…………」


「…………」


娘「…………」


「…………」


娘「…………」


「…………」


娘「さーてそろそろお互いに沈黙が辛くなってきました。均衡を破ったのは、娘ぇー!」


「いや、いいって……。空気とか読まなくていいから。盛り上げなくていいから。居心地悪いくらいが丁度いいし。さっきまでの盛り上がっている方が異常なんだよ」


娘「ちょっと何を言っているか分からない。緊張が丁度いいって何それ。わざと適度なストレスを与えるって、お父さんはマゾヒスト? 孤独の寂しさからついに悟りを開いちゃったお釈迦様? お父さん、仏教系男子はもてないから改宗した方がいいって」


「ごめん。ちょっと何言っているか分からない」


娘「女の子に、しかも娘に気を遣わせちゃったら、父親失格ってことよ」


「まだ君を認知した覚えはないんだけど。失格にしてくれるなら、そうしてもらおうかな」


娘「あ、ごめん。さっきのはなしなし。お父さん最高! うっひょう!」


「調子いいなこの小娘……。本気で君、僕の家に住み着くつもり?」


娘「おやおや。まだその話題を蒸し返す? 諦めが悪いねー、お父さんも」


「いや、正味な話、もし本当に君を引き取るんだとしても、けっこう色々と課題はあるんじゃないの? よく知らないけど。戸籍の書き換えとか、君と僕との血縁関係を証明するものとか必要じゃない?」


娘「まあまあ、現実世界の話はいいじゃん」


「君は、自分が生きている世界を何だと思っているんだい?」


娘「課題なんてクリアーするために存在している。いくつあろうが問題ない!」


「言葉は格好いいね」


娘「やだ……照れるじゃん。もっと言ってもっと言って。そしたら私調子に乗る」


「ふざけてないで、そろそろ建設的な話をしようよ」


娘「建設的? こんな倒壊し掛けの生活状況で? 仕事もしてない状態で?」


「倒れ掛かっているからこそ、だよ。立て直そうと頑張っているんじゃないか」


娘「いっそ、一回倒れた方が建て直すのは楽だよ。借金に追われる自転車操業より、破産した方が楽なときがあるって、闇金漫画でも言ってそうなことじゃない」


「イメージで話すんじゃないよ。……言ってそうだけど!」


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