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タイムカプセル・パラドックス  作者: 宇佐見仇
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第六十九幕《謝意》

 第六十九幕《謝意》              六月十一日 七時三十二分



「…………」


「おはよう、キナちゃん。朝っぱらから膨れ面だね。まだ怒っているの?」


「…………」


「もそもそと朝食を食べながら僕を睨むのはやめてくれないかな。何だかヤギと一緒に食事しているようで、落ち着かないよ。昨日のことは悪かった。確かにデリカシーに欠けた発言だったかもしれない。いくらキナちゃんの思考が分かりやすいからといって、それを口に出して説明する必要はなかったね。君に恥を掻かせちゃった」


「…………」


「だけどね。これだけは言わせてもらうけど、僕が一方的に悪く言われるのは納得行かない。あれは君の自滅だったとも思う。授業参観に来てってお願いするためだけに、どのくらい回りくどいことをしているんだ、まったく。策略を練って、それを明かされたからって怒るのは逆恨みに近いものがあるんじゃないかな」


「…………」


「恥晒し。キナちゃんはいい恥晒しだって言ったけど、僕はそう思わないよ。方法はどうであれ、他人を気遣えることの何が恥だって言うんだ? ……とまあ、こんな風に言っても暖簾に釘押しだろうね。ますます他人の感情が分からないって言われそうだ。一生考えてろと言われて頑張って考えてみたけど、肝心な部分はまだ分かってないんだろうね」


「…………」


「僕は、安易に謝ることはしないよ。喧嘩両成敗ってわけじゃないけど、昨日のやり取りは僕も悪かったし、キナちゃんも悪かったと思う。お互いが納得しないまま謝ったって、また同じことが起きるだけだ。そう思わないか?」


「…………」


「シンプルに行こう。僕は仲直りしたい。君もそう思っているなら、頷いてくれ」


「…………」


「そうか。キナちゃんが頷いてくれて嬉しいよ。さ、これで仲直りだ」


「…………」


「……ふう。予行練習はこのくらいにしとくか」


「……さっきから一人で何やってんの? お父さん」


「うわっ! ……お、おはよう。い、いつの間に起きてたんだ」


「おはよう。うん、だいぶ前から」


「…………お、おはよう!」


「それ、さっきも聞いた」


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