表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
タイムカプセル・パラドックス  作者: 宇佐見仇
5/102

第五幕《道化》

 第五幕《道化》              



娘「じゃあ私、アンラッキーなバッドタイミングで現れちゃった感じ?」


「少なくともベストなタイミングではないね」


娘「もしかしたら、はっきり言って私、お邪魔虫?」


「うーん。そこは微妙。さっきは警戒してあれこれ言ったけど、今の僕、自分でも安定していないから、一人でいるとどういうこと考えるか分かんなくて」


娘「不安定なのね。不安なのね」


「うん。だから、何かしらの拠り所を求めて、あのカプセルを掘りに行ったのかな」


娘「そして私を拾った」


「そして君に拾わされた。罠に嵌まった、というよりあれは巣か」


娘「地面に巣を張って、オスを捕まえる。そんな私は土蜘蛛娘……! 甘美な響きね。『土蜘蛛の娘』。映画化狙えるわ」


「女郎蜘蛛って出てこないのは、君なりの謙遜なのかな」


娘「ええ。京極夏彦マジリスペクトしてますもの」


「僕は山田風太郎が好きかな。忍法、人間蜘蛛!」


娘「ああいう糸を使う忍者とかを見ていつも思うんだけれど、糸使いって実際どうなのかしら。理論上最強とかって謳っているけど」


「さあ、新宿の病院に行って院長に講釈を受けてくれば?」


娘「冷やかしの観光ツアーで行っても、会えるのは外道さんだけよ」


「さっきから詳しいね……。読書の趣味が合いそうだ」


娘「お父さん! 私すき焼きが食べたい!」


「脈略なく食欲の話! 怖い……、脈略がなさすぎて怖いよ。頭の病気を疑うよ」


娘「女子高生はみんな頭がおかしいのです」


「すげえこと言ってんな……。全国の女子高生に土下座しなさい」


娘「地面のケツにキッスしなって意味? キャっ、セクハラ!」


「自滅までは責任取れないよ。今更なんだけど。ここまで来ておいて、本当に今更なんだけど、君ってまともに会話する気ないよね」


娘「ばれたか」


「ばれたかって。大人を舐めるんじゃないよ」


娘「てへっ♪ ぺろぺろ♪ 舐めてないペロ!」


「舐めてるってレベルじゃなくて舐めてるね」


娘「まあ、家では粛々といい子にしていますわ。大丈夫! 放火はしません」


「それ、注意しなかったらやっていたって解釈してもいいかな……」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ