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タイムカプセル・パラドックス  作者: 宇佐見仇
23/102

第二十三幕《報酬》

※二十三章から台詞頭の「娘」を省略しました。


不評のコメントがあったら戻します。

大丈夫そうなら続行で。

 第二十三幕《報酬》                


「おいしょ、っと。……ふう! 今日はこの辺にしておいてやろう!」


「掃除終わった? ご飯出来たよ、キナちゃん」


「丁度よかった。こっちもぴったし区切りが付いたところ」


「どれどれ? おっ、寝るスペースが出来てる。部屋というにはまだ手狭だね」


「マイルームにするのは明日のお楽しみ。ご飯出来たんだよね? 今晩のメニューは?」


「うん。今日のご飯はラタトゥイユとサーモンのアルミ包み焼き」


「……ん? らたといゆ? 何その料理? 初めて聞いたかも」


「夏野菜のトマト煮。確かフランスの家庭料理だったと思う」


「ふうん、オッシャレぇ! やれやれ、気取り屋なんだから、お父さんは」


「なぜ呆れられたか分からないな。……あれ? キナちゃん、部屋の隅っこに積み重ねてあるこのDVDたちはどうしたの? 僕の部屋に置けなくなった?」


「ああ、それはちょっと気になった群。あとで見せてもらおうかな、と思いまして」


「そうかい。いつでも好きに見ていいよ。何なら夕飯食べながら見る?」


「おっ、それいいねー。その中にお父さんのお薦めの映画ある?」


「お薦めというなら全部だけど、初心者向けに選ぶのなら『バック・トゥ・ザ・フューチャー』と『ターミネーター2』かな。どっちがいい?」


「『ターミネーター』ってのは聞いたことある。でも『2』なの? お薦めは」


「『1』もいいけど、記憶に残るのは『2』の方だね。『2』から見ても、話は分かるようになっているから心配ないよ。『3』と『4』はファン向けかな……」


「『バック・トゥ・ザ・フィーチャー』はどんな話?」


「それは見てのお楽しみってあるけど、裏面のあらすじを見ちゃっているだろうから、ちょっとだけ。友人の科学者が作ったタイムマシンで過去に行って、未来、つまり自分の現在をちょっとだけ変えるコミカルなSF。ところどころで謡われる科学理論が何ともそれらしいというか、パチモン臭くてね。そういや『ターミネーター』もタイムトラベルして未来を変えるストーリーか。タイムパラドックスとかどう解釈してんだろうな」


「タイムパラドックスってあれでしょ。過去の自分の先祖とか親を殺しちゃったら、未来に自分は産まれないことになるから、存在が消えちゃうって奴だ」


「存在が消えるから、実行不可能ってことね。……ふむ?」


「ん? どうしたのお父さん。難しい顔をして」


「いや……、何でもない。えっとそれで、どっちを見たいんだっけ」


「じゃあ『ターミネーター2』。こっちの方がグロそう!」


「グロで映画を選ぶ女子高生は、嫌だなあ……」


次回の更新は13時です。

ギザギザハート

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