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悩むよね
いつも通りの、とりとめのない会話しかない夕食も終わり、これまたいつも通りに帰っていく君を見送り、僕はリビングのソファーに寝転がった。
後片付けをする気にもなれずに、セブンスターに火をつけ、ただ天井に消えていく煙を眺めている。
煙は様々な形に変化しながら消えていく。規則性などなく、流れていく先を読むこともできない。君が、この煙の様に消えていくのを待つしかないのだろうか。
今のままでは、お互いにとって好ましくないのは明白だ。
深く煙を吸い込み、肺一杯に溜めて、ゆっくりと吐き出す。それでも僕の気持ちの薄靄が、煙の様に消えるわけもない。
僕は身体を起こし、テーブルの灰皿に煙草を押し付ける。灰皿に残っている、君の吸殻をみつめながら、僕は考える。何が一番の優先事項なのかを。それをクリアするには何をすべきかを。
そして、それは互いにとって選択すべきことなのかを。