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カイと偉人と日元国  作者: ベガ爺
第一章 幕末編
29/55

029 鉄道と文明開化、その三

遅くなってすみません。7時に投稿予定だったのですが、予約をしたつもりが出来ていませんでした。

東京、大阪、名古屋、京都だけでなく、ほとんどの県庁所在地には、環状鉄道が

建設されていくのだが、東京、大阪、名古屋の三都市については、

将来の旅客や貨物の増加を見越して、最初から旅客と貨物を分離して処理するために、

二重環状線が建設されることになった。


例えば東京においては山手線を旅客専用にして、その少し外側の、

新木場{当時はまだ埋め立てられていなかったので手前の潮見}から

隅田川に沿って北上し、南千住で左に曲がり、前世の常磐線に沿って

進み、田端から上越線に沿って王子へ向かう、そこからまた左手に進んで、

現在の山手通りに入って、そこからひたすら南下、初台、池尻大橋、大井町を通って、

八潮{後にお台場から新木場に繋がる}に至るルートに幅300m

{内側道が25mずつ付いている}の貨物列車専用の環状線を複々線で構築したのだ。


その貨物用環状線には、南千住の隅田川貨物駅だけでなく、

前世の渋谷貨物駅、新宿貨物駅などの代わりに多くの貨物駅が設置され、

やがて、東海道線の貨物用複々線、中央線の貨物用複々線、上越線、東北線、

常磐線、総武線、後の京葉線や新幹線に併設された高速貨物路線の複々線から、

24時間絶えず、東京圏に流れ込む貨物は全て、貨物用環状線で

処理されるようになるのだった。


そして、そこに様々な市場ができ、{前世の築地市場も、対岸の貨物環状線の

広場に移転していた}活況を呈していくのだった。


大阪や名古屋も同様で、大阪では、新淀川の左岸{十三側}を

西島から後の浄水場辺りまで進み、そこから毛馬町、野江を通り、

後の長居公園辺りで左に曲がり、住吉大社の南を側海岸までの幅300mの

環状線ができ、東京と同様に大阪中央市場などがそこに移転し、

活況を呈していくのだった。

{後に咲洲が埋め立てられると、そこを通って西島と繋がる事になる}


名古屋では、庄内川沿いに、ぐるっと周り矢田川と分岐後は

矢田川沿いに進み、後の名古屋ドームの外側{後の県道30号}を

ひたすら南下、天白川にぶつかったところから、西に曲がり、

庄内川に戻ってくる幅300mの環状線ができ、東京や大阪と同様に様々な

市場ができて、繁栄していくのだった。


後に、○○本線と呼ばれる幹線鉄道は全て、旅客線とは別に、

貨物線も複々線で路線が敷かれたため、旅客列車に配慮する必要もなく、

24時間体制で貨物輸送ができるようになったのだった。


そして貨物専用の環状線が整備されていない、都市でも、都市の近辺に

旅客ターミナルとは別に貨物専用のターミナルが複数整備され、

貨物が滞りなく、集配されるようになり、流通が活性化していったのだった。


また、5年後の明治12年には、魔力蒸気機関車ではなく、

魔力モーターで動く、魔力機関車が完成。


そして、さらに5年後の明治17年{前世では明治28年に京都で日元国初の

路面電車が運営されているので、10年以上早い}には、魔力モーターの

小型化と強力化に成功し、ついに魔力電車が完成したのだった。


{この魔力電車、最初は、1回の魔力充電で、10km程しか走れなかったのだが、

モーター自体の改良と魔力電池の改良で、最終的には10万kmを魔力補充なしで

走れるようになるのだった}


しかも、前世の新幹線と同じ広軌のレール幅でありながら、魔力電車のため、

集電のためのパンタグラフの必要もないので、前世の2階建新幹線よりも、

車高が50cmも高い5mもの高さの車両{横幅は新幹線より10cm程広い3.5m}の

車両になり、旅客用車両では、ゆったりとした座席幅や、寝台車用ベッドが置かれた

車両になり、貨物用車両では、前世より一回り大きいコンテナが二段積みで

載せられたり、大型トラックごと載せられる車両も登場することになった。


****


開達は、開通したばかりの青梅線の拝島に来ていた。


と言っても、旅客用の拝島駅ではなく、少し離れた所に作られた貨物用ターミナルから

引き込み線を引いて来た広い土地の一角に、{将来は前世と同様、横田基地になる}

田中さん達だけでなく、一緒に開発をして来た後の清水建設や大林組などの

建設技術者と共に、鉄道関係者に新素材とその活用方法を

プレゼンするために来たのだった。


「これが、強化魔法をコーティングしてある建材ですか、

思っていたほど重くはないですな」


私鉄を運営している企業家の一人が10cm角で2m程の枕木用の

建材を持ち上げながら、感想を述べる。


木材に魔力水晶をコーティングすれば、鉄の10倍から20倍の強度

{水晶の純度によって変わってくる}を持つ素材になるのは、

実証済みなのだが、いかんせんコストがかかりすぎるのだ。


そこで、田中さんたちと実験を繰り返した結果、無尽蔵ともいえる石灰を

コーティングした後に、魔力水晶でプレスすると、鉄を磁石にくっ付けて置くと

磁力を持つように、石灰コーティングの木材も、鉄の10倍の強度を持つ材料に

変化する事を発見したのだった。


{ただし、10年程で効果がなくなるので、再び魔力水晶でプレスするか、

魔法使いが直接魔力を注入しなければならない}


「今はまだ、普通の木材の5倍の値段になりますが、石灰は日元国中に

無尽蔵にあります。関東でもこの青梅だけでなく、秩父にも石灰の採掘場が見つかり、

現在、運搬用の鉄道を敷設中ですから、将来的には普通木材の2倍ぐらいの値段に

落ち着くと思います」


「なるほど、建材の価格が下がっていく事はわかりました。

しかし、10年毎に、魔力を注入しないといけないんですよね。

そこまでして、この建材を使う価値がイマイチ、分からないんですが、

なぜ鉄の10倍もの強度が必要なんですか、木材でも結構強度はあるでしょう?」


「それは、土地の有効利用のために、何層にも重なる人工地盤型のマンションを

作りたいからなんですよ。どうぞこちらへ」

開は企業家達を、別の出口から、建物の外に連れ出す。


そこには、太さ1mの柱が10m間隔で、横に6本{50m}ほど、

奥行きに10本{100m}ほど並んでおり、はるか上空へと伸びていて、

高さ5m毎に、厚さ1mほどの人工地盤の床で仕切られた巨大な

立体駐車場のような建物が建っていた。


「「「「おお、これは!」」」」企業家たちが一斉に驚きの声を上げる。


「これが人工地盤型マンションです。先ほど説明した魔力石灰をコーティングした

木材で建設しているので、10年ごとに魔力を注入すれば、半永久的に持ちます。

高さも、これは10階建てで、50m程ですが、理論上は1000mまで可能です。

{後に超魔力水晶が開発され、理論上1万mまで可能になる}

5階にモデルハウスが建っているのでそこまで上がりましょう」


開の説明を聞き、驚きのあまり声が出ない企業家たちを、

5m四方のエレベーターを4往復させて、5階に上がってもらう。


そこは前世のマンションと違い、壁は無く、人工地盤の床と10m間隔に

柱が建っているだけの空間が広がっていた。


「1階は主に食料品中心の商店街に、2階は主に蕎麦屋や鰻屋などの飲食街に、

3階は主に、着物や洋服、靴、時計、装飾品、床屋や美容院などに、

4階は診療所や歯医者などの病院や、保育園と言って子供を預けられる所などが

造られ、この5階から上がこのように住宅街になります」


そして、開が示した住宅街と呼ばれる5階は、幅6mの道路が真っ直ぐに伸び、

その両側に幅5mで、奥行きが20m程に区切られた土地が綺麗に並んでいた。


幅5mの住宅地は1m程セットバックされた所に幅4mで高さも4m、奥行きは

貨物列車に載せられるように3.5m程の建物が建っていた。

{直接機関車に引っ張って行けるように車輪付きの部屋もある}


「どうぞ、中へ」

開の案内で、みな中にゾロゾロと入っていく、

最初の部屋は、洋式トイレ、洗面台兼洗濯機置き場、

{今はまだ洗濯板とたらいしか置いていなかった}

そしてお風呂場があった。


「すごい、これは、洋式便所というやつですな、それにここは風呂場ですか!」


隣の部屋はいわゆるダイニングキッチンで、壁際に2人がけの椅子とテーブル、

反対の壁際には流し台や魔力水晶コンロ、そして魔力水晶冷蔵庫が置かれていた。

さらに奥の部屋が居間になっていて、さらに一番奥が寝室になっていた。


「このように、いくつかの部屋をつなげて、生活空間を作っていきます。

この家は、新婚夫婦用の間取りですが、独身なら、先ほどのリビングを抜かして

トイレフロ部屋、チッチン、寝室の3部屋のみにしたり、逆に子供が出来た場合は、

2区画借りて、横にもつなげて、子供部屋を増やしたり、庭をつくることも可能です」


つまり、6畳程のさまざまなタイプの部屋をつなげる事で、1Kから6LDK?

{3区画、4区画借りればもっと増やせる}まで様々な間取りの家にすることが

出来るようになっていた。


鉄道会社は、駅の周りにこの様なマンションを何棟か建て、

土地を{場合によっては部屋も}貸し出せばよいのである。


また、借りる方も、気に入らなかったり、転勤になれば、

部屋ごと引越せばよいのであった。


部屋は、一部屋で3ヶ月分の給料ぐらいするため、安い買い物とは言えなかったが、

基本的には、魔力石灰コーティング木材で出来ているため、一度購入すると

一生使えるほどの耐久性があったため、みんな、一種の財産として考えて、

ローンを組んだりして購入するようになっていった。


{後に、資産家の娘の嫁入りなどでは、豪華な部屋を10部屋も連ねて走る、

嫁入り列車なども運行されるようになるのだった。

これも余談だが、九州の資産家に東京の令嬢白蓮が嫁いだ時には、

特注豪華な30もの部屋を連結した機関車が

東京から九州まで走り、白蓮列車と話題になったという}


「なるほど、これを建てるために、少し無理してでも、駅周りの

土地を購入しておきなさいと言って下さったのですな」


数年前に鉄道建設の申請に訪れた彼らは、複線の鉄道を引けば、

もう複線分の土地を、3線分なら、もう3線分を政府が購入してくれるという

話に、喜んだのだが、その時に、駅の周辺の土地は4分の1は政府が買うが、

残りの4分の3は、頑張って自社で購入しなさいとアドバイスされていたのだ。


その視察の後、鉄道会社はこぞって、魔力石灰木材の人工地盤マンションを

駅周りに建設した。


当時は、山手線ですら、街の外周を走っている感じで、そこからさらに郊外に延びる

私鉄はみんな、複々線や複々々線などの、ハイスペックすぎる路線を

持て余し気味だったのだ。


そんな鉄道会社に、この人工地盤マンションの建設事業は、

商店街を含めた、不動産賃貸料と、各駅の乗客増による運賃料の増収という

両方からの利益をもたらす事になったのだった。


また、借りる方も、駅からすぐの物件が、1部屋1万円{現在の価格}程で、

借りられるため、たいそう喜ばれたのであった。


その結果、前世のように、ウサギ小屋と揶揄される小さな家を手に入れるために、

35年のローンを組んで、都心へ1時間以上も満員電車に揺られて、

通勤するという生活はなくなり、

部屋は駅から5分以内にあって、電車には、座って乗れて、

しかも通勤時間も30分ほどという

便利な生活スタイルが成立していくのだった。


すみません、最後の方は、ほとんど私の願望です。でも、30分以内で、座って通勤できるとうれしいかな。

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