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カイと偉人と日元国  作者: ベガ爺
第一章 幕末編
14/55

014 え、陛下の義理のお兄さん?

お田鶴さまは、開が誰だかわからず、怪訝そうな顔をした。


「開師匠、気をつけられよ、あれは田鶴さまではないぞ」

龍馬さんの言葉を受けた、お田鶴さまがニヤリと笑うと同時に、

お田鶴さまの顔が別の女性に変化した。


「あ、あなたは、湖の時の方ですか!」巫女に変装していた徐福が驚く


「お前は、妲己だな?妾の日元国で何をしておる」


「ほほー小娘、我が名を知っておるのか」


「お前が徐福に与えたとかいう、不死鳥のフンを見て思い出したのじゃ、

以前、女神の女子会の時に、女媧(中国の女神)が言っておったのじゃ、

不死鳥の世話をさせておった、妲己とかいう下僕が逃げ出して困っておるとな」


(げ!、あの黄色玉って、フェニックスのウンチだったのか!

俺、煎じ湯を飲まされたんだけど・・)


(そんな事より、個人的には、女神さまの女子会の方が気になるんだが)


「な、なぜそのことを、女神の女子会?は!貴様、天照か!

ババアのくせにそんな小娘の姿をしおって、まぎらわしいんじゃよ」


「ババアだと、お主、生きて帰れると思うなよ」天照さまの目が据わった。


「ふん、日元国の民族神など怖くないわ、妾には、宇宙神が付いておるのじゃ!

宇宙神殿、やつらに制裁を」妲己がそう叫ぶと10人程の兵士がぞろぞろ出てきた。


兵士の服装とは違う、公家風の先頭の二人を見て、

巫女姿の龍馬さんと土方さんが驚く

「岩倉卿と三条卿ですか、これはどういうことです」


岩倉具視と三条実美と思われる公家は、龍馬の問いに答えず、

いきなり、抜刀した。


さらに、小柄だった二人の公家は、天井に頭が届きそうな大男というより、

二足歩行するワニのような姿に変身したのだった。


「な!!」


「ほほう、レプタリアン型の宇宙人か、しかもマゼラン星雲のゼータ星産かのう?

あの星は滅んだはずじゃが、主ら何しに地球に来た」


「な、なぜ知っておる・・」天照さまの言葉に動揺したのか、

彼らの動きが少し鈍った。


「ほへ、滅んだ?宇宙神さま?マゼラン帝国の植民地をこの地球に作るので、

中国や日元国の民族神を追い出せば、代わりに、この妲己にアジア一帯の女王を

任せるというお話は・・」


「う、嘘ではない、本国は確かに滅んだが、宇宙船には、多くの同士が乗っておる。

手始めに地球を植民地にしてしまえば、マゼラン帝国の再建の一歩になるのだ。

そなたにも、アジア一帯を治めてもらう予定じゃ!

さすれば、お前の望む、若い男をはべらかす、ハーレム生活も夢ではないぞ、

さっさと、こ奴らを始末して計画どおり事を進めるのだ」


「おお、若い男とのハーレム生活!妾はもう不死鳥のお世話はイヤなのじゃ!

あやつら、妾がせっかく寝床を掃除しておるのに、くちばしで妾のおしりを

つつきまくりおって!」


「いやいや、妲己さん、それ絶対にダマされてますって、本国が滅んで宇宙船で

逃げてきたって事でしょう?それって、ただの難民だから!」

開が天照と妲己の間に割って入りながら訴える。


「小僧、よけいな事をぬかすな!」

二匹のレプタリアンが開に斬りかかる、


「師匠、あぶない」

巫女姿の龍馬さんと土方さんが、開の代わりに受けるが、はじき飛ばされる。


「うぐ、やっぱりこの胸が邪魔で、上手く刀が振れんし、力がはいらんぜよ」


「おい、オオトカゲ共、一つ尋ねる、本物の岩倉卿や三条卿はどうしたのだ」


「ふん、食ったに決まっておろうが、脂肪ばかりであまり美味くなかったがのう。

いや、あのメスの方は美味かったかのう、ヒヒヒ」と

お田鶴さんに化けていた、妲己の顔を見て思いだし笑いをする。


「ま、まさか、お田鶴さんを・・この外道が!」龍馬さんが斬りかかる


「ふん、お前らも他の動物の肉を食うだろうが、我らが星では、

強さのみが正義なのだ、弱き者は、強き者の食料となることが定めなのだ」


「く!」激しく刀が交叉し、火花が出る。だが、やはり女性の体では

力負けしているようで、徐々に龍馬さんたちが、押されてくる。


「龍馬さん、土方さん、この光を受けてください、リバース!」


開は両手に、テニスボールほどの治癒魔力を溜めると龍馬さんと土方さんに

その魔力ボールを投げた付けた。


開は、黄色玉の効力に一つの仮説を立てていた。

開自身、年老いた徐福に変身させられて、気づいた事なのだが、

このエキスは、体に力が入らない感覚からして、60兆ある人間の細胞の

1つ1つの遺伝子を強制的に組み替える魔法のように思えるのだ。


その効力が24時間で消えるのであるならば、その魔法を解除するような

魔法を上書きすれば、元にもどるのではないかと・・。


なので、遺伝子の組み替えを再び、もとの状態に戻すイメージを即興で

魔力に込めて、テニスボールぐらいの魔法解除玉{リバース}を作ったのだ。


その{リバース}と名付けた魔法解除玉が龍馬や土方に当たり、

体内に吸収されると、

「おしゃあ、戻った、胸がへこんで、チ○チ○も戻ったぞ、ふん」


男性に戻った龍馬と土方は、すぐに肉体強化魔法で赤い鎧と青い鎧を纏うと

今度は逆に、圧倒的な戦闘力で、レプタリアン軍団を蹴散らしはじめた。


「大丈夫みたいだな、よし、リバース」開は、自分にも解除魔法玉を当てて、

元の青年の姿に戻った。


(なあ開、今、そのリバースとかいう魔法が有効で副作用とかがないかどうか、

龍馬さんたちで実験しただろ?)


(な、なんのことかなー、僕ぐらいの天才になれば、実験なんかしなくても

副作用があるかどうかなんて事前にわかるんだなー・・・汗)

勾玉内の鋭い突っ込みに開が冷や汗をかいていると。


「おお、お主、ジジイではなかったのか?しかも、女を知らない臭いがするぞ!

お姉さんと一晩過ごせば、そなたの望みを一つ叶えてやるぞ」と

妲己が、猛禽類が獲物を狙うような目で、開に語りかけてくる。


「え、一晩過ごすって事は・・」妲己の胸に目がいってしまい、

開があらぬ妄想で躊躇していると、後ろからケリが入った。


「いてー、は」

開が今まで立っていた所に、鋭い槍が突き刺さっていた。


「敵にたぶらかされて、どうする。ほら、お前の分だ受け取れ」と開に刀を投げる。


「すみません。ありがとうございます!」


天照さまは瞬間移動の他に、一瞬で物質を引き寄せる魔法が使えるのだ。

もちろんこの魔法も、どこにその物質が置いてあるかをきちんと

把握していないといけないのだが。


龍馬さんや土方さんが、振り回している刀も天照さまから渡されたものだろう、

男性に戻った龍馬さんたちは、岩倉卿や三条卿に化けていた、レプタリアンたちと

互角に戦っていた。


白い鎧を身に纏った開は、陛下に襲いかかろうとする、

3匹のレプタリアンたちの間に入り込んで、相手の刀をはじき飛ばす。


御所には、御常御殿や小御所など、5つの御殿があり、開たちは清涼殿にいた、

いくら、一番端っことはいえ、そろそろ他の護衛が駆けつけてもいいはずだと

開が考えていると、

「くせ者だ、出会えー」と遠くから声が聞こえる。


「ほほう、地球人にしてはやるではないか」

開が周りを観察すると、先ほどはじき飛ばした、兵士のレプタリアン3匹と、

岩倉卿と三条卿に化けたレプタリアンだけになっていた。


しかも、三条卿に化けていたレプタリアンは、片腕を切り落とされていた。


「隊長、どうしますか援軍を呼びますか」兵士型レプタリアンの1匹が

岩倉卿に化けていたレプタリアンに問う。


「いや、清国を手中にするのが先だ、それに日元国は、そのうち自滅するさ」と

指揮官らしいレプタリアンが、右手を軽く上げた。


すると、ちょうど屋根まで破壊され空が見える空間から、

彼ら5人を包み込むように円柱の光が降り注ぎ、

上空に引き上げられるように消えていった。


「う、宇宙神さま、お待ちを!」妲己が光りの円柱に駆け寄った時には、

光は消え失せ、妲己さんを取り押さえるために来た、開や龍馬たちが

見上げるとそこには、直径が100mはありそうな、UFOが浮いていた。


「な、なんじゃあれは」土方さんが呟く、


「彼らの宇宙船でしょうね」


「宇宙船?宇宙から来た黒船ってことですかい師匠?」


(う、相変わらず鋭いな龍馬さんは)


(しかしなんなんだ、こっちの世界は、レプタリアン型宇宙人だと、

そんなの月本国に来ていたか?)勾玉内で議論が始まっていた。


「ええ、そんな感じですね、詳しくは後で説明します、それより妲己さん。

陛下を元に戻せますか」


「ええそんな、陛下を元に戻したら私、おばあちゃんに戻っちゃうかも?」


「ええから、早よ戻せ!!」



****



「陛下、お体の具合はいかがですか」


あれから、2日程たっていた。

陛下の若返りと今回の事件の説明については、

陛下自身があの戦闘を見ていた事と、あれからすぐに、

妲己に精力を戻させた事で比較的順調に理解していただけたのだが、

その後に駆けつけた、御所の警備兵に対しての説明には、結構苦労したのだ。


そこで、美子さんと、中沼先生(徐福はせっかく若返ったのだが、元のジジイ姿

でないと、認識されないとの事で、黄色玉が無かったため、再び妲己に精力を吸われ、

お爺さんにもどっていた)が、現場に残っていたレプタリアンの死骸を見せながら説明し、

なんとか納得させたのだった。


「ああ、なんとか大丈夫だよ、開義兄さん、ふふ」


陛下には、天照さまの事や、開が異世界から来たこと、そして美子さんの

魂が天上界に帰られ、肉体を維持するために、開の妹の麻衣

(本当は勾玉内の海の妹なのだが、さすがに勾玉の秘密はまだ話していない)

の魂が入っていることを説明した。


陛下は全て、理解した上で、改めて、麻衣の魂が入っている美子さんに

結婚を申し込まれ、今後は開を義兄おにいさんと呼ぶと宣言されたのだった。


「あの、陛下、その呼び方は、やめていただけないでしょうか」


「ふふ、いいじゃないですか、龍馬さんたちのおかげで、

鎌倉幕府以降、700年以上手放していた政権が朝廷に戻って来てしまい

急にまつりごとをしなければならなくなったのです。

正直、私は不安でしょうがなかったのです。

それが、昨夜の話では、ご先祖様(天照大神)が、開殿の妹君の肉体に魂が宿り、

しかも、開殿は、異世界とは言え、150年後の未来から来たと

言うではありませんか、これほど心強いことはありません。

まだしばらく、こちらの世界にいてくださるのでしょう?

その間だけでも、助言をよろしくお願いしますよ。義兄さん」


「うう、はい陛下、こちらこそよろしくお願いします。

それで、早速ですが、陛下、例の勅令文は」


陛下が合図をすると、控えの者が勅令文を持って来た。

内容を要約すると、

{徳川を撃てという文は、岩倉卿と三条卿が書いた

偽文で、今すぐ、和平せよ}と言った所だろうか。


残念ながら、岩倉卿、三条卿、そしてお田鶴さんは、

レプタリアンによって食べられていたので、このさい

両卿に悪者になってもらったのだ。


「開よ、なぜ、妾を連れていかんのじゃ」


「いや、だから昨夜も説明したじゃないですか、女媧(中国の女神)さま

から連絡が入るかも知れないんでしょう?

その時に、すぐに対応するためですよ」


レプタリアンが清国を奪うという言葉が気になり、天照さまに、

女媧さまに連絡を取ってもらおうとしたのだが、

連絡が付かないのだ。

そのため、急遽中国大陸をよく知る、妲己さんに

捜索をさせることになったのだ。


ちなみに、妲己さんのチャクラをループさせたのは、妲己さんではなく

女媧さまだったらしく、しかも今は、天照さまをババアと呼んだ罰として、

開にリバース魔法を掛けられ、おばあさんに戻っており、無事に女媧さまを

見つけて来るまで元に戻れないでいた。


「しかしのう」天照さまがごねていると


「天照さま、殿下、おいしい八つ橋が届きましたよ」と

美子(中身は麻衣)がお茶と八つ橋を持ってきた。


「おお、気が利くのう美子」


(麻衣(美子)ちゃんナイス!)


その隙に小御所を抜け出し、建春門から、御所の外に出ると、

龍馬さんと土方さんが待っていた。


「で、どうでした」開が龍馬さんたちに尋ねる


「西郷どんたちは、もう箱根を越えたらしいぞ、しかも錦の御旗のもとに

続々と諸藩が集まり、薩長軍は1万を超える軍勢になっとるらしい」


「近藤さんたちはどうですか」


「幕府軍は彰義隊を中心に抗戦するそうだ、新撰組もその中に

入っているみたいだな」


「そうですか・・」

海に教えてもらった歴史では、新政府軍が江戸に到着するのは来年の

3月だったので、歴史より、かなり早まっていた。


「どうする?すぐに飛んでいきますか師匠、我々3人なら

今から飛べば、夕方には、江戸に着きますぜ」


「いえ、飛ぶのは夜にしましょう、それより土方さんに

連れていってほしいところがあるんです」



****



「いやー魔法ってすごいですね、師匠!本当にありがとうございます」


開の隣を肉体強化とピンクの鎧で固めた、美青年が飛行魔法で飛んでいる。

夜になったので、江戸に向かって4人で飛行しているのだ。


「いや、沖田君の方がすごいよ・・」

(まったく、この時代の侍は化け物かよ)


壬生寺近くの長屋に労咳(結核)を煩って、床に伏せている沖田総司を

訪ねたのは、昼過ぎで、治癒魔法と、チャクラキレートが終わったのは、

3時過ぎだった。

沖田君にも魔力が在ることを感じ、魔力回路を整えたのが4時過ぎ。

そこから、2時間程で、肉体強化魔法と、飛行魔法を体得してしまったのだ。


(俺の10年間の修行はなんだったんだ・・しかし、なぜピンクの鎧?)


(開、あと1人そろえば、ゴレ○ジャーになるぞ!)


(ええー、母さん的には、総司君をセンターにして

歌って、踊って、斬れるアイドルを目指すのはどうかしら)


(いいわね、それ!開君、おばさんは開君押しだから、

開君が隅っこで踊ってても、大丈夫よ)


(母さん、斬れるアイドルって・・)



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