エロフ育成計画(あくまで計画)
本筋は転生要素ありのむっつり主人公ですが、性奴隷とか性暴力とか残酷な描写がちまちま入ります。あと基本コントです。コメディというよりもコントです。
俺はエロフが好きだ。
どれくらい好きかというと前世からで、ついでにこの世界にエルフがいると聞いた時からその集落に出向くための修行をしてついでに興味を持っていただけそうな商品開発に人生をかける程に好きだった。
幼少期に前世の記憶が「入ってきた」当初は田舎でのんびりスローライフとかいいなぁとか転生特有生産系チートを活用しながら生きていきたたいんだとか思ってたんだが、たまたまうちの村にきた行商人のおっちゃんが渡り娼館なぞという感染症待った無しの商売をしていて、そこで死んだ目のエルフちゃんたちを何人かみつけたのだ。
ちなみに治癒魔法でウィルス系はどーにかなっちゃうのがこの世界だけど。細胞系・遺伝系・精神系はどーにもならない(というより実質原因不明?)世界だけど。
勿論当時まだおこちゃまの俺はちらっとみただけだしウチの村の小ささではそんなものに手を出したら母ちゃん連合が怖いってんでだーれも利用しなかった。わざわざおっちゃんが実演販売(っていうのか?この場合も)までしてたんだけど、そのエルフちゃん達の感じ方が子供心に棒読みすぎて尚更興ざめだったというのが現実だ。
っていうかガキんちょみえるところで本番とかおっさんむしろ見せびらかしたかっただけかもしんない。変態プレイすぎて俺を含め村のみんながドン引き状態だったけど。
ちな、夫婦間の営みだろうが子供にみせるのは虐待らしいです。確かにAVにはときめいても両親のいちゃラブとか恥ずかしい以外の感想ないもんなぁ。
まぁそんなもんで、なんだろう。
エルフさんの立場ってのが「引きこもり」「知性高い」「魔力高い」「顔面偏差値も高い」「弓矢巧い」というお約束と共に「性欲が薄い」という種族特性ってのはわかったんだけど最初の引きこもりが影響しちゃって現実騙されやすい部分も多いことが判明。
見た目のせいで悪徳業者に性奴隷として強制契約させられちゃうことも多いのだそうだ。教育大事。
勿論立派?な違法に値するので(基本的に奴隷は犯罪者に科せられる刑務所内の作業に相当する扱いらしい。どっちかっていうと佐渡送りか?)めっかれば基本的には自分が今度は奴隷化する。
それでも取引は少なからずあるそうなのであのおっちゃんが商売じゃなくって商売装って公開プレイに自己満足興奮していただけの可能性、更に倍。
とまぁそんな素敵に最悪な原体験を経て俺は思ったわけだ。
ちゃんと感じているエルフちゃんがみたい。
性の喜びっていうのは、だ。まず安全が確保され(死にかけるとテンション上がる説もあるがまぁそれは暴力に発展する方向なので今回は除外)、好奇心の方向性が合致し、なんていうかあったかくてやさしーくて孤独じゃないのが前提にあって感じられるものだと思うわけだ。
つまり開発大事。
そう、それこそが俺の譲れない行動理念。
あまりに極端で大胆なアメリカナイズではない、慎ましやかなツンエロなエルフさんを育てたい。
気高く人に対して若干見下し気味な割に内心エロいことに期待する。そんなエロフさんに育てたい。育ってほしい。育つんじゃないかな。
人間に産まれたくせにそんな大それた夢を抱えた俺はーー
とりあえずアダルトグッズショップを始めるための試行錯誤の日々を始めたあの幼き日々。
**
このエルフの住む森の近くには集落レベルですら人の気配はない。
一応国道のようなものは通っているがそれだけだ。特別はひとつもなく右を見ても左を見ても土の道に沿うようには草原だけが広がっている。ちなみに背後はどどーんと森。
そんなところに自給自足用の畑と「道具屋」なんて掘っ建て小屋があれば目立つような目立たないような。
実際は旅の途中の人たちが野菜買いにきたり通りすがりの商人が物々交換を申し出てくるので意外とにぎやか。
時々店の隅にあるアダルトグッズを物珍しげに買ってくれたりくれなかったり。
万引きとか脅しとかあんまりいないんだよね。
取り扱ってるのがおたくだけだからなぁ、簡単に足がつくんだよ。と教えてくれたのは顔なじみ程度になった真っ当な行商人のおっちゃんだ。なんでも俺のアイテムはお貴族様の間でじわじわ流行っているらしい。どう使うかはまでは不明だそうだが。もうけてるんですねわかります。おっちゃんは数少ない俺のお得意さまになりつつある。あぁこんどーさん辺りは色々都合いいかもしれないなぁ。その他ローションとか張り形とかリラックスハーブティとかいろいろある状態。あ、すいませんオーダーメイドは受け付けてないんスけど。なに、田舎の嫁さんに自分の形のものを送りたい。なるほどなるほど。じゃぁこちらなんぞどうでしょう。自分で形とって自分のモノの複製作れるんですけど。えぇ、その間おったてておかなきゃですがね。なんで5つも。田舎ってあぁつまり現地妻ですかい。羽振りいいねぇ。
って。違う。俺はエルフさんに開発してもらいたくて開発してんの!
あ、こちらの拘束セットですか?愛情第一ですからね。内側にはちゃんとクッションを入れて、取り外して洗えるようにもなってますよ。えぇ。怪我なんてさせませんようちの商品のせいにされちゃたまったもんじゃない。どういう目的?そりゃ両手拘束してベッドでごはんを食べさせてあげるんですよ。息が合わない間はぼろぼろこぼれるでしょうねぇ。そこをこう、タイミングが合うようになってからが本番ですよ。
あぁそちらの四十八手てぬぐいですか。これは東方かもしれない辺りに伝わる体位を図解にしたものでして。快楽よりも協力しあうことでの達成感を味わうためのものですねぇって、だから。ちがう。
「てかそもそもこの店にエルフきたことあんのか?」
「たぶんきっとおそらくもしかしたら、変装して?」
「そーかい」
「俺、信じてる」
「また薄汚れた純粋さだなー」
ほめ言葉と受け取ります。
さて。エルフっていうとどんな人を思い出すだろうか。
プラチナブロンド、耳なが、美人。うん、あとぱいおつかいでー。だったんだけど。
「雄ぱいもおっきいのね」
「なんだ?」
「いえいえ。いらっさいませ」
「実家に帰ろうとしたところで森の入り口にこんな店があるのかと興味を惹かれたんだが」
実のところ物物交換のせいでこの店は少々カオスになっている。
どのくらいカオスかというと東京駅くらいのカオスだ。つまり全国各地のあれこれがなんの脈略もなく在る程度並べられている状態だ。アダルトグッズコーナーだけは俺製しかないけど。むしろ俺以外でこんなもんつくってる奴いないだろうけど。シリコンだのゴムだのはチートスキルだしね。
キャッチコピーは「異世界の快楽をアナタに」。嘘をひとつもついてないのがポイントです。キラ。
そもそもこの手のものをつくるという発想があんまりない世界だ。どんだけ変態だったのか俺の前世世界。万歳。なのに未成年には近づけないよう謎の努力をする世界。てか国。本当に意味が分からない。コンピューターの復旧も技術向上もエロが密接に関わってきているのは事実だというのに。あぁ君望やりたい。デモベやりたい。アトラクやりたい。巫女ナースやりたい。久遠みたいなエロくないのでもいい。いや十分アレだけどあれも。どれ。そもそもスペックが追いついてくれるのか。
それはともかくその変態文化を最近本格的に仕入れようかとか言い出してる人もいらっさることになってるでごじゃりまするよ。やったね俺収入増えるよ。パクりってバレないしノベライズもどきとかもつくってみるかなどうだろう。ファンタジーにファンタジーって受け入れられるのだろうか。この場合は異世界概念か。
そんなコーナーをちらちら見ながらも、意外とちゃんと店内見て「あぁコレ好きだったんだよなぁ久しぶりだ」とか「あ、コレ忘れてた妹のみやげにしよう」とかいってる約1名のエルフさん。ちなみに男性。しっかりガタイに移動重視の軽鎧、そしてご期待通りの弓と矢をしまっとくやつ装備。かーぜよーわたっすぃはたちむかうーって頭の片隅に流れてくる。アレが俺のエルフの原点だからちょっぴり残念。いやなんていうか例の奴隷にされちゃった人たちをカウントできない自分がいるのもひどい話だが、俺以外にかの緑の鎧を纏ったブロンドお姉さまを思い起こす人はいつかどこかで出会うだろうか。出会ったら出会ったで有無いわさずピンクスペースみてぶん殴られそうだけど。
そうそう。このエルフのおにーさんみたいにそのピンクなスペースを前に固まってから。
「その、主」
「なんでっしゃろい」
「あそこのスペースは?」
「えっちなアイテムです」
「は」
「えっちなアイテムです。体に優しい素材をつかって不慣れな体に負担がかからないようにするための補助機能だったり、愛し合いたいけど子供まではちょっとっていうご夫婦への避妊具だったり、ちょっとマンネリだなぁとか思ってるののスパイス的なものだったりこっそり娼館いく金ないって一人夜を持て余す人の慰め用だったり。変わり種だと同性同士がその愛を確かめ合う為のお手伝い用だったり介護にも流用できるお風呂用プレイアイテムでしたりまぁ思いつく限り作ってみなさまにご好評いただいております」
貫通型を更に長くして向かい合ってできるダブル男子向け双穴オナホとか二本差し用専門3P気分オナホなんてはっちゃけたものは向こうの世界にもないと思ってる。いやお世話になる機会なんぞなかったから知らんけど。双頭ディルドもあるよ。魔力バイブもあるよ。思いつく限り性別を越えた性の喜びを知るためのアイテム満載だよ。避妊具については実は結構デカい取引をちょいちょいしている。貴族さんは羽振りがいい。スケベイスって本当に介護の現場でも活用されてる。商品名違ったりするんだけど。よくあることよくあること。
「その、売れるのか?」
「食欲、睡眠欲、性欲は人間がニンゲンたる証明そのものかと。そのどれもが安全な環境でなければ満たせるものではございません。然り太平がこのご時世、売れぬ道理はございません」
モンスターだらけでも護り堅牢な街や集落じゃ安全な分は戦争よかは平和だろうさ。
戦争時の男の性欲につてはよく言及されているが、まさかいきなり戦場のド真ん中ではおっぱじめない。アレは安全だと考える陣地でこその安堵と解放が欲へと還元されたものだろうーーってのが俺の持論である。いきてるってすばらしい。
「なるほど考え方なんだなぁ」
「それでお客様、どします?あいにく衛生面的にじゃぁ体験しましょうかとはいえないのですが」
ゴムつけてって手もあるけど中古のアダルトグッズとか心が病みそう。
「あ、あー。うん。えーっと」
悩んでいる悩んでいる。ここで畳みかけるのが商売人というものだろう。
「勿論買っていただいた商品とツーショットの姿絵を貼りだして"愛用してます★”なんてポスターは作りませんからその辺はご安心してください」
「むしろ買うからその辺は絶対やめてほしいな!」
まいどありー
いやぁしかしエルフさんが手に取ったのがディルドとはまた意外だった。まさかのびーでえるな人だった。のかもしれない。エルフさんだしみためもボーイの年齢じゃないとは思うが。
あわててた割に目を付けていたのか意外とスムーズだったのは気のせいではないだろう。目が釘づけ、というやつだ。果てさて誰のに似てたのか。知らんけど。知りたくもないけど。ちなサイズは共同浴場等で観察したものを採用して何種類かある中、彼は一番小さいものを選んでいった。サービスでローションつけたよ。
ここで実家に帰った彼が妹辺りにバレて気になったその妹が後日こっそりとか理想。マジ理想。ムリなのは知ってる。最低限可能性としてサイズが物足りなくってランクアップのために再来店してくれるかもしれないといったところか。筋肉さんならビルドアップか?胸にライオンデザインをつけたくなるな。かっこいいから。
さて気を取り直して飯を食おう。米、鳥だしかき玉スープ、キャベツと豚肉の自家製塩麹炒め。麹ゲットのため味噌・醤油は仕込み中です。あと半年は時間がかかる。日本人は麹なしには十年戦えない。よく生きながらえた、俺。
店の奥に一段高くして作ってある休憩兼生活スペースは4畳半にキッチン付き。風呂場とトイレは奥にある勝手口からいけるように設定してあるのはともかくとして、一人暮らし気軽なちゃぶ台一個の上に並べた飯でのんびり過ごす。
一応二十四時間営業やってるのは別にどこに出かける場所もないからだ。そもそもで開店休業時間のが多いんだし。
夜中に一夜の宿を求めて飛び込んでくる人もいるしね。強盗系はNOサンキューだけど朝ドアを開けたら死体が転がってるのもまたあんまり嬉しい話じゃない。
強盗?製造チートをナメんな。ゴーレムに取り込んでそのまま街まで持ってってるわい。奴らは収入源だ。移動中にすっかり洗脳も忘れない。なんの?いわせんな恥ずかしい。
話が大暴投してしまった。そうじゃない。
なにがいいたいかっていうと、メシ時にもお客さんがくることはあるって話。
「はいはいいらっしゃい。て」
「あんたかーっ!」
「ぷげらっ?!」
ノックに反応して戸を開けた瞬間にドカバキィイイ、ととんでもない音が顔にぶち込まれて吹っ飛ぶ。あわてて能力を発動させて壁にクッション。衝撃は免れるがそれでも一瞬息に詰まった。泣きそうにゆがんだ視界の向こう、いかにもエルフな金髪碧眼ツン耳ストー、いやスレンダーボディの少女っぽい年齢不詳娘が立っている。拳はまだ前につきだしたままだ。アップにすればマンガのコマみたい。あぁ麦ワラの人は海賊王になれただろうか。ヘソあたりからはふつうにみてないけど。
「いらっしゃいませ」
「そのプロ根性は認めるけどあんたのやったことは絶対認めないから覚悟しておいて」
怒気をはらんでドスの効いたおにゃのこボイスこえー。
「と、いいますと」
「兄にあんなモン売ったのに素知らぬ顔とはまたいい根性ね」
「兄?あぁもしかして雄っぱいのひ」
と。
「よし殺す」
やめてその手に魔力ためるの!早い、濃い。さすがエロフさん!いやエロくない!むしろ漢前!とっさにその手首にコンクリートの腕輪を「作る」と流石に構えられた腕はがくんと下に落ちて集中力と魔力が霧散する。
「うにゃっ」
今のうちに結界生成。おうち壊されたらたまったもんじゃない。
「おぅお嬢さん、おちついてくれ。ここは店で少なくとも押し売りはしてない。そもそも冒険者相手のキャッチとか死亡フラグすぎる。購入は君のお兄さんの自由意志、オーケー?成人した男性の好奇心にふたは出来ないのは真理だと思うの」
「視なきゃ目覚めない性癖だとは思わない?店主。あと一応エルフが求めてる真理を超絶俗物に当てはめないでほしいかな」
それは認めるがいつかどこかで花開いた可能性はあると思うんだけどどうだろう。少なくとも自分が種を植えたつもりはない。
「んでお兄さんなにやったんだよ」
「洗濯物出せと乗り込んだら荷物の中からごろりとでたモノがなにかと問いつめた結果ね」
「なんも悪いことしてねぇじゃん!お兄ちゃんちゃんと隠そうとしてたじゃん!見つけたからって問いつめると話がややこしーことになるからね!オトコノコはこじらせるよ結構確実に!」
そのくせツンデレシスターみたいな行動とった君のせいじゃん!そこはみなかったことにしてあげてよ!むしろちゃんと二次性徴してるんだなって思ってあげておねがいします!エルフにそういうのあるのかどーかあんま知らないけど世のおかーさま方に声を大にしていいたい案件。
「それが事故でも相手に被害があったらその時点でギルティでしょう?お兄ちゃんがウ=スイ本に書かれる妹案件の叫びを聞いて」
「あ、ソレはほんのちょっと俺もおもった」
調子にノって返したら、おぉう絶対零度。エルフの森の冬は厳しいけど比じゃないな。
もしかして彼女は数少ないBLが嫌いな女子なんだろうか?
「っていうかエルフの森入り口になんつー店をやってるんだか」
感心しちゃうとか言われた。うれしくない。だってそれはつまり。
「むしろ今まで完全気づかれなかったのかよ」
ちょっとまって俺の努力とは。
「兄さんの帰郷が5年ぶりくらいの人の出入りね。私の今が非公式なだけで」
マジかさすがエルフ。
引きこもりにも程がある。
そしていいのか妹。あと絶対初めてじゃないだろこの様子。
「ったくコンクリートなんて何百年ぶりにみたんだか」
「え?」
「ん?」
ぱき、ぺきと分厚いコンクリートがまるで時間を早送りしたように劣化していく。通常ならば石や砂利を混ぜて強度を増すが今回のは純正だ。だがそれでも腐敗というべき現象が起きるのは理解が出来ない。そしてコンクリートは歴史的にも技術的にも、この世界には存在していない。つまりーー「単語」がない。いや、うちの店舗の床部分おもっきしコンクリだけど。
「てん、せいしゃ?」
エルフの。そうと口にした喉はカラカラと乾いていく。
「あぁああやっぱりあんたもか!」
お互い様であることを確認したあと、彼女はぐったりと肩を落として大きなため息をひとつ吐いた。
「頼みがあるわ同郷。作ってもらいたいものがあるの」
いきなり態度変わったな。別にいいけど。
「アダルトなグッズならまかせ、キラ」
「いらん!素材シリコンだったでしょう!つまり!」
木だと腐るからね。安全かつソフトタッチ。魔力ローターもありまっせ?
「つまり?」
「ヌーブラつくってほしいの。エルフ服って普段はともかく儀礼用とかゆったりすぎて乳が垂れそう」
たしかにぞろぞろ間延びした感じで結構露出高いのよな。踊り子的な?絶壁案件だからあんまりエロくねぇけど確かにブラとかつけたら悪目立ちしそう。っていうか。
「まさかの方向」
「切実よ。あと女性用下着とか置く場所ある?」
ピュアシルクワーム素材のなら大量にあるんだけど?
あぁ君も試行錯誤したんだねーー
「外貨ねらいですねわかります」
っていうかエロフを育てようと思ったらどういうわけか同郷に商売を持ちかけられました。まる。いやまてよ。
「むしろヌーブラってえっちな雰囲気がすっ飛ぶじゃん。だめじゃん」
「その為だもの。そのかわりエルフの技術で作ったシルクとか綿の下着とか置いてっていってるじゃない。かわいいのつくったから大丈夫」
「なにが」
安心してください、はいてますよってこと?
「別の路線でエロいってことよ。エロはチラリズム派」
「略してえっち、だと」
「お嫌いですか?」
「お好きどす」
てかどうみても同世代か同期じゃねぇか。ついでに前世女性かどうかも怪しんでいい?エルフなのにエロフ候補にはならないタイプの。いや違うな。方針が違うのか。
「サイズとかどーすんの」
「本人の魔力ちまっと流せばぴったり」
「チート怖い」
「あんたがいうな」
「それもそうか。ところで」
「なによ」
「めし食い終わってからでいい?」
だいぶさめちまったけど、商いがらみなら腰を据えたい。
「あ、うん。ごめんね。いきなり殴り込んで」
「事情は聞いたしまぁ確かに身内が合い言葉がビーでエルな人になったのは衝撃だったと思う。エルフさんたちあんまり恋愛はともかく性欲あるかもあやしかったし」
「確定してないけどね」
そもそもソレが技術向上の目的なのだ。うまいこと?話を内情の方にもっていくつもりで口を開くと思わぬ切り返しがこちらを向いた。
「イメージとしては間違ってないところもあるのよねぇ」
「え、受け?」
「違う違う。っていうかガチムチ受け派とは。そうじゃなくって、性欲薄いってやつ。ないわけじゃないみたいなんだけど、それこそ子作り=神聖、みたいな」
「あぁなるほど。そっち方面か」
それではむしろ体位教本とか主体にした方がいいかもしれない。
手ぬぐい売れないかなぁ。カップとかにしてみるかなぁ。
必要な行為がきもちいいものだと認識すれば背徳的ないいわけが云々かんぬん。
「なに考えてるの?」
「ビックビジネスのチャンス?」
「なるほど?」
目が怖いです姐さん。名前も全くわからんが。
そういや俺たち名乗ってすらいない。
だがなんとなく、気持ちの方は大円団だ。
「適度なオープンスケベは嫌いじゃないわ。つきあいたいかっていうと別だけど」
「俺もこざっぱりしたビジネスパートナーは歓迎だ。乳的にときめくことはないけど」
俺たちは成立した商談の握手の代わりにクロスカウンターをかわした。
カレーは好みで許容されるというのになぜかラーメンは戦争が勃発しません?
ところでなんら関係ないんですが個人的によくある展開でどうしてもダメなのが「交渉」しないで命令するキャラです。
物語のテコ入れや主人公を事なかれ主義にした場合で結構よく出てくるんですが、現実問題勝手に店員でもないのに店に上がって試作品を食うのとか、人がいやがってることを拗ねたりねだったりして無理矢理了承させたりとか、本人の知らないところで勝手に度が過ぎる扱いに担ぎ上げたり、あんたは私の言うこと聞いてればいいのとかいって平気で脅したりとか勘違いや八つ当たりで殴るとか犯罪なんだけど。なんで物語の中でまでブラック思考につきあわなきゃならないのか。いじめって言葉はただの犯罪に対する言い訳だろう。
Q:ところでヒロインくさいエルフさんは殴ったようですが
A;ちゃんとフォローします。たぶん。あと単純にビジネスパートナーです
でも主人公も問題発言してるしどうも肉体言語を操る同志みたいだし?
ちなみに子供に夫婦喧嘩を見せるのも夜の夫婦をみせるのも虐待に当たります