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不屈のHERO  作者: ポテ男
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episode2

誤字、脱字が多々あると思われます。

気になった方はコメントなどで指摘の程宜しくお願いします。


不屈のHERO episode2


俺は、あの2人を家において逃げ出して来てしまったと言う事実に自分を責める俺は走っていた。どうしようない後悔と罪悪感が俺を襲う。そんなことを思い悩みながら道を進む俺だったが何か違和感を感じた。立ち止まり周りを見渡すそこに人の姿は1人もなかった。


episde2


俺は、すぐに携帯を取り出したが圏外だった。あり得ない。こんな街のど真ん中にいるのに圏外というのはありえない。俺は、急いで交番に走った………がやはりそこにも人はいなかった。だが交番の奥から物音がする。カタカタっと言う音に不自然さを感じながらも恐る恐る奥へと足を運ぶと突然扉が勢いよく開き姿を見せたのはあの大男だった。奴には小さい扉を潜ろうと大きな2本の腕で無理矢理こじ開け、こちら側に来ようとしている。俺は、その場から急いで離れ学校へと向かった。何で学校に行ったのかはわからなかったが全力で走った。そして学校の門を飛び越え、何故か開いていた生徒玄関から校舎に入り2階へと上った。ひと時の休息を取ることができたのは、幸いだった。だがそこで俺は考え直さなければならない事があった。それは……。

「俺が求めてたのって……こんなことだったのか?俺は……彼女たちを置いて何が『HERO』に憧れてるだ!!だったら彼女達を助けなくちゃいけないところだろ!!」

そう自分の求めていたゲームやアニメや漫画の主人公とはかけ離れた自分の行動に俺は頭を抱えた。そして、家に見捨てて来てしまった2人のことを考える。

「あの2人大丈夫かな。今からでも遅くない戻って2人助けに行こう!」

俺は、彼女達を助ける為に立ち上がった。そして無意識に外を見るとそこには校庭を埋め尽くすほどの人数の大男。そして嫌な気配が脳裏に走り、振り向くとそこにはもう大男が立っていた。大男は、腕に付けた鋼鉄のグローブを振り下ろし、殴りかかって来た。俺はそれを何とか避けて階段の方に転がり込んだ。俺はそのまま屋上を目指す、無駄だとわかっているが扉に鍵をかけ、扉の前に机などを並べる。すると大男は初めは無理矢理にこじ開けて入ろうとしたが諦めて何処かへ行ってしまった。俺は胸を撫で下ろし校庭の様子を確認し直すとそこにはやはり大男達がうごめいていたのだが、ただ一点だけぽっかりと穴が空いている。その中心にいるのは彼女達だった。襲ってくる大男達を薙ぎ倒しているのだが明らかに大男達の方が数では優勢だ。この数を相手にするのは、彼女達でも無理だ。俺はそんな弱音を心に抱えながら彼女達を救わなければなどと考えていると後ろで大きな音が鳴り響いた。俺が振り返るとそこには大男とさほど変わらないのだが腕の太さと体の分厚さが彼奴らとは比べ物にはならない山の様な奴が居た。その腕には大男と同じ鋼鉄のグローブがついている大きさが大男のそれとは比べ物にならないほど存在感がある。後は大男と服装も仮面も変わらないがただそこにいると言うだけで圧倒された。そして仮面から覗くその目で俺のことをなめるように見るその威圧感が人間のそれとは思えないものだった。そこにはただ弱者を見下し蔑む強者の存在しなかった。こいつを巨人と呼ばずに何と呼べばいいのか言葉すら見つからなかった。だが俺は一つだけ……………今やらなくてはいけないのは少しでも彼女達の為にこいつをここでなんとかすることだった。

"俺がウサギだとすればこいつはライオンだ。ウサギがライオンに勝てるわけがないのはわかっている、だがウサギにもウサギなりに意地があるんだ。俺にだって意地がある。彼女達だけに任せていられない俺だって男だ!!"

「こいよ三流レスラー。俺はな、こんな場所で死ぬつもりはないんだよ!だからってそう安々と殺されてやる気はない!お前なんかに勝てないのは重々承知の上の戦いだ………せめて自分の死に場所ぐらい選ばせてもらう!!」

この巨人は、首をかしげた後、躊躇なく拳を振り下ろす。俺はそれをタイミング見て、後ろに飛んで避ける。巨人が殴った屋上の床が轟音と共に何階か落ち各階が丸見えになったが動きの遅いこいつの懐に入ることは簡単だった。そこから何発もの拳を浴びせたが、全く効いている様には思えないだが俺は諦めず、腹、脚、腕、首など数カ所に蹴りや拳を喰らわしたのだが痛がる気配すら見られなかった。

「おいおい。少しは痛がって見せろよ。」

そして軽くあしらわれた。こいつは俺でただ遊んでいるだけだそれは猫が毛玉を転がし遊ぶように

弄ばれているだけだ、正直心の底から悔しかった。心が折れそうになった。だがそこに聞き覚えのある声が聞こえた。

「またせたなエロザル!!」

彼女は、扉ではなく壁走りでここまで登ってきたらしく、また、俺の前に降り立った。

「後は、私達に任せて下さい!」

それに続いて妹さんも降り立つ。そして2人は交互に攻撃は始めたのだが、見ている限り苦戦している。相手の攻撃を2人とも避けてはいる、攻撃も通っているのだが火力不足だ。やはり彼女達、女の子では無理だったのか。そうしているうちに妹さんが巨人に捕まってしまった。それは一瞬の隙をつかれた感じだった。それを助けようとする彼女だったが巨人は妹さんをさっき開けた穴へと投げ捨てた後、彼女を殴りつけた。そして追撃に拳を振り下ろす。彼女は拳を受け止めるがそれを受け止めるだけで手一杯だったのだ。巨人は容赦なく次の攻撃に入り拳が彼女に襲いかかるその瞬間俺は彼女をかばった。

「がぁっはぁ…………。」

巨人の拳は腹のあたりを捉える。そのまま降り抜かれ、吹っ飛ばされてしまった。幸い彼女には何の害もなかったのは運が良かった。そして殴られた衝撃で多分、肋骨が何本か折れているが動けないほどの怪我ではない。だが、屋上を囲うフェンスにぶつかり背中にフェンスの太い針金が突き刺さっている、痛みで声が出なかった。

「お前!!大丈夫なのか!しっかりしろ!」

彼女がの必死の叫びが俺の胸の奥の方を熱くさせた。

「聞こえてるよ………。大丈夫だぞ。」

そう言って、俺は体が突き刺さったフェンスから体を起こし、太い針金を抜く。その時の痛みは予想をはるかに超えるものだった。そして血が背中から流れているのがわかってはいたがフラフラと歩きだした。

「動けるんなら早く逃げろそんな体でやれる相手じゃない!私の妹の春を守ってやってくれ。私は……こいつを倒してからいく。頼んだぞ。」

そう言うと彼女は俺に、背を向けて覚悟を決めたような顔をしていたがその反面ホッとした様子を見せているのがものすごくムカついた。自分にのしかかる重みを俺に押し付けただけのようにしか思えない、自分だけが死んで楽になろうとしている奴のようでムカついたのだ。

「ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

俺の怒声が静かな夜に響き渡った。その叫びで背中の傷に響くがその時には痛みなどなかった。

「そんなことでよくここまで生きてこれたな!!俺に責任を押し付けてはい終わりか!!そのために俺はここにいるんじゃないぞ!」

俺がそういうと彼女も巨人も動きを止めてこっちを見ていた。

「ここにいるのは自分のためでもない!あんたらの為にそいつをぶっ倒すためだ!こうなったのは全部俺のせいで、ここに俺がいるのも俺の勝手だ!文句あるか!?お前こそ、妹を助けにいけよ!馬鹿野郎がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

指をさして言ってしまった。すると巨人の拳から逃げてこちらにきた。この時巨人は何もせずに俺のことをぼーっと見ているだけだ。多分呆気に取られているのだろう。そして彼女は……。

「ほんと、お前は馬鹿だな。だがありがとう。お前みたいな奴に会えたのは久しぶりだよ。だがさっきの馬鹿って言ったのは後で覚えておけ。」

「ああ、楽しみに待ってるよ。早く妹さんを助けに行ってやれよ。」

「ああ。」

彼女はそう言って妹さんが落ちていった穴へと向かった。そしてようやく動き出した巨人はすぐに彼女を追おうとした。

「ちょっと待てよ!彼女より先に俺を倒していけよ!こっからが本番だ!さっきみたいにはいかないからな!」

俺は血の混ざった唾を吐き構えをとった。すると巨人は追うのをやめ俺の方に走る。そして容赦なく拳を振り抜く、巨人は俺に惜しみなく殴り続けてきたが俺に当たる拳など一つもなかった。そして攻撃している巨人にはスキだらけだった、そこに俺は強く拳を作り巨人の鳩尾(みぞおち)に叩き込んだ。効くか、効かないなんてその時はどうでも良かった。ただ一撃、今出来る最高の一撃を叩き込んだだけだった。俺は直様後ろに下がり相手の出方を待った。巨人は勢いよく突進し、そのまま殴りかかってきた。やはりダメージは与えられなかったようだが俺は先ほどよりも強く拳を作り体を捻るように構えた。そして巨人の拳が当たる直前、俺は溜め込んでいた力を開放する。その時静かな校舎に鈍く重々しい轟音が鳴り響いた。巨人は手を抑えながら後ずさりし、俺の右手からは血がダラダラと流れた。相打ちだ、だがただの相打ちではなく巨人の鋼鉄のグローブを壊し今まで与えられなかったダメージを与えることが出来た、そのことをいうと俺の方が勝っている。この間に彼女と妹は屋上まで登ってきており今何が起こっているのかわかっていないようだったが2人は直様巨人に反撃した。妹さんは巨人の後ろに素早く回り込み、首元をナイフで突き刺した。巨人は、痛みを感じていないようだったが鬱陶しいらしく、手を後ろにやり妹さんを振り払おうとしたがその隙を見逃さなかった彼女。一気に巨人の懐まで行き、鳩尾(みぞおち)に長剣をねじ込むように突き刺すが軽く刺さっただけで巨人に致命傷を与えることはできず、2人はあしらわれた。その時、かすかな隙が巨人には出来た。せっかく2人がつないだこのチャンスを無駄には出来ない俺は懐に入り渾身の力で長剣の鍔を殴りつけた。長剣は勢い良く巨人の分厚い体に深く突き刺さる。巨人は、自分の体に刺さった刀を抜き血が流れるそこを両手で抑え、不気味な低い声で喘ぎ、俺達と距離をとったのだが巨人は屋上から足を踏み外して落下。俺が巨人の落ちた場所を見下ろすとそこには大男達が群がっており、何が起こったのか理解できずに只、巨人を見ていた。そして彼女と春さんも下の様子を見にこっちに来た。そんな俺達を見上げる大男達。1人また1人とその場から逃げ出し、いつの間にか巨人の姿も見えなくなっていた。もうそこには大男も巨人の姿もない校舎と俺達3人だけがそこにいた。

「はぁ…はぁ……勝っちゃったよ俺。信じられねー。」

「大丈夫なの?血が出てるよ!!」

「はぁはぁ……大…丈夫、大丈夫!」

「お前……何で私を助けたんだ?」

「そんなの……当たり前…だろ。困ってる奴を助けるのに……理由がいるのか?」

「ふん。生意気な事をいう奴だ。だが感謝するよ。お前のおかげで助かったよ。」

と彼女にお礼を言われたまさにその時視界が歪んだ。足も手も自由が効かず、まぶたが重く、体の力も抜けて行く。言葉を発することもできないほど息苦しく感じた。そのまま前に倒れこんだ。

「「!」」

倒れこんだ時、2人が駆け寄って俺に話しかけているのがわかったが何をいっているのかも聞き取れなくなっていた。そして視界が暗くなっていく。どうしようも無いぐらい眠気が襲ってくる。

「しっかりして!絶対助けてあげるから!今度は私達があなたを助けてあげる番なんだがら。」

そう妹さんは耳元で囁いてくれた。俺はその言葉にとても安心した、心が暖かくなった。目を閉じて小声で後は頼むと言って俺は眠りについた。

そうこれで今日というとても長い1日が終わったのだ。これからはどうにかなるだろうと思いながら。そして俺の人生は今までのものよりデンジャラスなものへと変わっていった。


続く。


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