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上から来るよ!フラグ回収の匠が!

連続投稿その弐

 始まりの街アインへ転送された私は目の前の光景に目を奪われた。


「うわぁ、すごいなぁ。」


 街並みを眺めていると後ろにあった門から次々と光のエフェクトが湧いて次第に人の形へと変化していく。おそらく私と同様に転送されてきた人達だろう。


「あ、ここは邪魔になるかな?」


 私はそっと端の方へ移動する。転送の光が収まると、他のプレイヤーが現れた。


「ひゃっはぁ!ついに来たよアーキテクト・オンライン!って、まじか!公式ホームページの時より街並みが進化してる!?」


 現れた世紀末言語なプレイヤーも私と同様この街並みに目を奪われた模様。


「…!?」


 次に現れた寡黙そうなこのプレイヤーも同様。


「俺がいっちばーん!!って既に居るぅ!?」


 その次の適当なアバターの姿のプレイヤーは我こそが一番乗りだと思ってインしたが既に他のプレイヤーが居ることに驚いている。


「ふぅ、やっとこの世界へ戻ってこれた。さて、ベータ版からどれだけ変わったかな。メニュー!」


ベータテスターらしいプレイヤーは景色に驚かず“メニュー!”言うとメニュー画面を表示させたりしてた。


「ふむふむ、メニューって言って画面を呼び出せるんだね。」


 メニュー出で来いと思いながらメニューと言おうとする。


「めに…、あれ?もうでてる?あ、思えば出てくるものなのか。」


 試しに消えろと念じる。…メニュー画面はフッと消えた。そしてもう一度出す。何この便利仕様。


「ええと、なになに、アイテム、ステータス、スキル、装備、フレンド、オプション、メール、ログアウト…」


 とりあえずアイテムは何が入っているかな?


「初心者装備セットと、スキルポイント100と、お金10000ギルと。」


 初心者装備セットは置いとくとして…。


「スキルポイント?なんだろ?」


 スキルのメニューを開く。


「なになに、スキルはこのスキルポイントを消費することによって獲得できます。スキルは使うほどに熟練度が上がります。いずれ、高位のスキルへと昇華させることが出来るようになります。っと。成る程ね。」


 読み終えると説明文が消えてスキルとその横に消費するポイントの載った一覧がずらりと出てきた。


 武器スキルは武器が装備出来るようになるとかではなく、攻撃の効率が上がったり、必殺技的なのが使えるようになるらしい。あんまり魅力的じゃないよね。

 生産スキルは武器や道具を作るのに大幅な補正がつくらしい。この系統のスキルがあると商店などで特定の物が安く買えることがあるらしい。

 因みに特殊スキルと言う物があって、実績とレベル20からの解放らしい。


「沢山あるなぁ…って、うわ人も沢山。」


 メニュー画面ばかりをみていたら門の辺りが人でごった返していた。


「さっきの早かった人たちは…あ、居た。追いかけてみよ。」


 世紀末な人と寡黙な人と適当な人とベータ版の人は街の一角に備え付けられた大きな鏡をみていた。正確には鏡に映った自らのアバターをみていた。


「ひゃっはぁ!イカすぜぇ!」


「…。」コクコク


「くっ、こんなことならしっかりアバター作れば…」


「懐かしき我がアバターよ私は帰ってきたよ。この世界に。」


 それぞれに様々な反応で鏡を覗きこんでいた。端からみると変人にしか見えないや。


「ふ、さて皆の衆。共に外に出てモンスターを倒さないか?」


 ベータの人提案に、


「ひゃあ!がまんできねぇ!殲滅だぁ!」


「…!」コクコク


「あ、うん、むしろお願いしたかったよ。」


 三人が賛成し、外に向かう。私も追いかけてみよっと。あ、その前に鏡で姉さんの作ったアバター確かめとかないと。


「…、…姉さんこれってさ」


 目の前にはフワッフワのモッフモフな狐耳の白髪ショートで翡翠のくりくりおめめ、それでいて現実と同じくらいの背丈に尾骨辺りから立派な12本のフワッフワのモッフモフのしっぽが生えているアバターの姿があった。


「もはや女の子みたいじゃんね。」


 無駄に片側だけ髪を編んであるのが憎いね。綺麗すぎて解くのに躊躇いがあるよ。後、数時間でこのハイクォリティは本当に何なんだろうか。


「まあ、過ぎたことは気にしたって変わらないか。」


 私は先程のプレイヤー達を追いかけ街の外に出た。


 ★


「ここではスライムや、ウルフ、ラビットなど見た目からして弱そうなモンスターしか居ない。ごく稀にレアモンスターが出るが初日に出たりはしないだろ。したがって序盤で死ぬことはない。手始めにソコに見えるウルフを倒そう。みていたまえ、この終末の天使エリック様の勇姿を!」


「…!」


「エリック!上だ!」


「へ?ぁあ!?うわぁぁぁぁぁぁ!?」


 突如現れたツルハシを持ち黄色いヘルメットを被った逞しい眉毛のもぐらが上から降ってきて、そのツルハシをエリックの能天気目掛けて振り下ろした。瞬間エリックの頭上にクリティカルの文字が浮かび更にHPバーが一気に溶けて無くなり。エリックのアバターが光の粒になって消えた。いわゆる死に戻りだ。


「あ、あれは!ベータ版でテスター達を苦しめたと言われる初見殺しのオコッタさんだ!!」


 適当さんが突如現れたモンスターの情報を言う。って、アレなんか何処かの森に居なかったかな。


「ひゃ、ひゃっはぁ!べ、別にアイツを倒してしまってもかまわねぇんだろ?」


「…」ガクガク


「くそ!俺はまだ死ねない!俺は街へ帰る!うぎゃぁぁ!?」


 背を向けて逃げ出す適当さんの背中にツルハシが投擲され、その一撃で適当さんは死に戻りした。


「ひゃっはぁ!武器がなけりゃこっちのもんだぜぇ!」


 世紀末さんは武器を失ったオコッタさんに斬りかかる。が、ヘルメットに斬りかかってしまい武器が弾かれる。


「ふぁ!?」


 すくんだ世紀末さんにオコッタさんがロケット頭突きをした。


「したらばぁ!?」


「…!?」


 吹っ飛んだ世紀末さんは寡黙さんを巻き込こむ。そして世紀末さんは死に戻り、寡黙さんは倒れたときに頭を強打し混乱状態になった。


「…!?…?!」フラフラ


 オコッタさんはフラフラしてる寡黙さんの頭を掴み頭突きをし、寡黙さんも死に戻りし、そして誰も居なくなった。


 ★


「うわぁ、うわぁ、うわぁ。」


 もぐら強すぎでしょ!?とりあえずここはそっと逃げ…


ーパキッ


 ふぁ!?なんでピンポイントに小枝が!?って、しまった今のでバレて…


「ますよねー。」



 私に気付いたオコッタさんはツルハシを手に迫って来た。


 そして思い出す。


「あ、初心者装備すら装備してないや。」


 私は丸腰でオコッタさんと対峙する事になった。

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