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焼き鳥美味しかったです

別に焼き鳥を食べてて話を思いついたとかではないですから!(モグモグ)

 ご飯を食べた後、ログインすると視線の嵐だった。


「…特集のせいかな。」


 意識したら負けな気がして来てそれらを無視してアインの街を歩く。


「そこなお嬢。そう、そこなお嬢である。」


 歩いていると不意に声を掛けられた。

 変な喋り方だ。んー、そこのお嬢さんって言っているのかな?まぁ、私に向かって声を掛けているので十中八九私の事だろうな。…男なのに女の子にしか見えないから説得力無いから何を言っても無駄だよね。そういうロールなんですねって誤解が深まっちゃうだろうな。


「なんですか?」


 振り返ると誰も居ない。


「隣である。」


 隣を見ると黒子装束を纏ったプレイヤーが焼き鳥を焼いていた。

 私は少し警戒をした。


「…こんにちわ?」


「こんにちはである。それでお嬢、焼き鳥をいかがであるか?」


 なんてことはない、ただの声掛けの様だった。怪しいけど。まぁ、ご飯食べて少ししか時間たっていないけど一本買ってみようかな。怪しいけど。


「えと、一本お願いします?」


「一本1500クレジットである。」


「はい、1500クレジットですね。」


「…そうであるか。はぁ、やっぱり高いであるか。…って、何!?ホントに買ってくれるであるか!?冷やかしでは!?」


 高いんだ…。まぁいいかお金には困ってないのだし。

 私はさっと1500クレジットを支払う。


「へ?あ、ままま毎度有りである!うにょおおおお!初めて買って貰えたであるぅぅうぅぅう!」


 え、私が一番客だったんだ?まぁ、私なんかが一番客で良いのかな?取りあえず一口…。


「ん、お肉がとても柔らくて肉汁も溢れてきて止めに絶妙なタレが肉の旨味を引き出してきてとってもおいしいですね。」


 値段が高い?なりにとても美味しい。思わず笑顔になってしまうほどに。よし、買いだめしよう。


「あの、すいません、もう12本お願いできますか?」


「で、出来るであるが。そ、そんなにお嬢に気に入って貰えたであるか!?」


「はい、ええと18000クレジットです。」


 12本分のお金を支払う。


「た、確かにお預かりいたしたである。では、こちらを。」


 焼き鳥12本を受け取りストレージにしまう。


「ありがとうございます。また来ますね。」


「ふぁ!?あ、ありがとうである!お嬢!出来れば某とフレンド登録をして頂きたいのであるがよろしいであろうか?」


 黒子のプレイヤーはフレンド申請を送ってきた。断る理由もないので承認する。


「ん?良いよ?はい、っと。レンです。よろしくお願いしますね。」


「有り難い、某は源平と申す。今後新作が出来次第お嬢にお知らせ致すである。」


「わ!有難うございます!楽しみにしていますね!それじゃあ、有難うございました。」


 …ん?近所にそんな名前の屋台があった気がするけど…まぁ良いや。何より新作か、楽しみだな。


「こちらこそお買い上げありがとうである!」


 私は源平さんに手を振ってまた街を歩く。


 ◆


 今日も客は無し…であるか。A・Oで焼き鳥屋を始めて数日経つが客は一人も来ない、いや、来るには来るのだ、だが焼き鳥の高さに諦めてしまうものばかり。一本買うだけで低級ポーション5本買える、新品の武器が買える。なんて言われたこともあるである。付近の屋台で売っているものは安くて25クレジット高くて150クレジット。平均してだいたい100クレジットくらいが相場である。しかし某の売る焼き鳥は1500クレジットと高い。よって誰も買ってはくれないもである。


 また客が来る。しかし焼き鳥の高さに諦めて帰ってしまう。


 やはり某には向いていないのだろうか。はぁ、値下げとなると赤字まっしぐらである。

 運よく鶏肉を仕入れることが出来たのであるが、何しろ供給が少なくて原価が高かったのである。某だって安く売って食べてもらいたいのに鶏肉が牛肉より高いって何なの!?バカなの!?泣いていい!?良いなら泣くよ!?…こほん、である。そもそもももも!?わわわ!綺麗で可愛くて優しそうな人だ…である。


 無意識に某は目の前を歩く狐耳で尻尾がふさふさで沢山あるプレイヤーに声を掛けていた。


「そこなお嬢。そう、そこなお嬢である。」


 某の声に気付いたのであるが後ろから声を掛けられたと思ってか振り返る姿には一瞬目を奪われたである。


「隣である。」


 私を見るなり怪しんでか少々警戒しながらも


「…こんにちわ?」


 よし、この人に買って貰えねば屋台は諦めようである。そう取り決め声掛けをする。


「こんにちはである。それでお嬢、焼き鳥をいかがであるか?」


「えと、一本お願いします?」


 ここまでは良しである。


「一本1500クレジットである。」


「はい、1500クレジットですね。」


 やはりまたダメであるか…、はぁ、………………は?はぁぁぁあああ!?MAJIDEARUKA!?


「…そうであるか。はぁ、やっぱり高いであるか。…って、何!?ホントに買ってくれるであるか!?冷やかしでは!?」


 と言った瞬間お嬢からクレジットが支払われる。か、買ってくれた?


「へ?あ、ままま毎度有りである!うにょおおおお!初めて買って貰えたであるぅぅうぅぅう!」


 某の大声に通りすがる者達が奇異の視線を向けてきたであるが今の某には何も気にはならないのである。

 お嬢は少々困惑しながらも焼き鳥を一口噛り付いたである。瞬間柔らかい見るものを魅了するような笑顔になったのである。ついスクショを撮ってしまったのは許してほしいである。


「ん、お肉がとても柔らくて肉汁も溢れてきて止めに絶妙なタレが肉の旨味を引き出してきてとってもおいしいですね。」


 笑顔のまま食レポのように某の焼き鳥を絶賛してくれたのである。親父様から小さい頃から仕込まれてきた料理の腕が、たとえゲームの中の世界だとしても認めてもらえて某は恥ずかしながら赤面し一筋の涙を流したである。無理言ってリアルフレに作ってもらった黒子装束を着ていて本当によかったである。この赤面と涙を見られないで済むのだから。


「あお、すいません、もう12本お願いできますか?」


 綺麗に食べ終えられた焼き鳥の串をもってお嬢は再度注文してきた。って12本も!?嘘でしょ!?


「で、出来るであるが。そ、そんなにお嬢に気に入って貰えたであるか!?」


 そこまで気に入られたのは嬉しいであるがお金…いや、何をおもっているであるか某は。ここはタダで…


「はい、ええと18000クレジットです。」


 ポンとお金が支払われていく…ってまってぇ!?あぅ、すっごい楽しみにしているである!?尻尾が、尻尾が揺れているである!どうやってるであるか!?あぁ!もう引っ込みがつけられないである!


「た、確かにお預かりいたしたである。では、こちらを。」


 某はタダにするとは言えず焼き鳥を焼いて渡す。


「ありがとうございます。また来ますね。」


 え?ま、た、き、ま、す、?また来ます!?ここここれは好機である!ここで恩に報いるである!


「ふぁ!?あ、ありがとうである!お嬢!出来れば某とフレンド登録をして頂きたいのであるがよろしいであろうか?」


 某はフレンド申請を送る。

 受けてくださいである受けてくださいである受けてくださいである受けてくださいである受けてくださいであるぅ!!!


(レンとフレンドになりました)


「ん?良いよ?はい、っと。レンです。よろしくお願いしますね。」


 やったぁである!!


「有り難い、某は源平と申す。今後新作が出来次第お嬢にお知らせ致すである。」


 これからも美味しいものを作りレン嬢に捧げる、これが某がレン嬢に恩を報いる方針である。因みにネームの元は親父様のお店の名前である。宣伝も兼ねていたりするのである。


「わ!有難うございます!楽しみにしていますね!それじゃあ、有難うございました。」


「こちらこそお買い上げありがとうである!」


 レン嬢は某に手を振って歩いて去っていったのである。


「よし、某も腕を磨かなくてはであるな!」


 店を畳み某は鍛冶を始めたリアルフレに武器をつくって貰うべくその場を発った。また笑顔で美味しいと言って貰うために。


 さぁ修行である!

源平さんの黒装束秘話


「アンタ本当にこれ着るの?」


「う、いいじゃんか!だってはずかしいでしょ?」


「はぁ、勿体ないなぁ可愛いのになぁー何で顔隠すかなぁー?」


「可愛くなんかないである!」


「あーはいはいかわいくないーかわいくないですよー」


「何かむかつく、である。」


「その口調…必要?」


「いいでしょ!ナンパ防止にもなるでしょ!である。」


「はぁ、頑固なとこだけ親父さんに似ちゃって…せめてゴザルにしようよ…」



という秘話でした!

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