1日目 エロ本と竹刀
少年二人は廊下を駆け抜け、図書室を目指した。
彼らの図書室にはエロ本が蓄えられているという伝説があり、それを確認しにきたのであった。
「あったあった!おい、これ2035年の4月号だぞ」
「ついに!あーでも古い。でも」
「そう!洗川ちゃんの全盛期だ。この棚にあった。全国科学技術大図鑑の4巻545ページ。」
「同志A、ナイス!」
二人はページを開き、その絶景に息を呑んだ。
たわわに揺れる球の宴、あくまでもみずみずしいカラダ。
「ちょっと今から女子更衣室行ってくるわ。」
「待った、同志G、一線を超えてはならぬ。」
「じゃあここでhshs…。」
「お前、我らの任務を忘れたのか。我らERO第一部隊特殊捜査班ERO本の回収しか命じられていない。それに」
「ここで一服していられるのだったら我ら特殊捜査班は呼ばれない。」
「そういうことだ。」
EROのメンバーが何度も図書室に潜入していたが、発見に至ったのは初めてだった。
それに無傷で帰還してきた隊員はこれまで全くいなかった。だからこそ特殊捜査班は放課後を選んで潜入したのだった。
「おい、誰かいるのか?」
剣道部の女主将、畠中の声が響いた。
二人はあり得ないという驚きと恐怖の表情を浮かべながら書架の影に隠れた。
「出て来い。」
ERO隊員は声の移動に合わせて速やかに出口をめざした。
「3,2,1,走るぞ!」
彼らは出口まで疾走した。
「待て!」
畠中の怒号はドアにまで響き、それを閉めさせた。
「うわあああああ!」
同志Gが畠中を押して倒した。しかし竹刀のクリーンヒットによって同志も倒れた。
同志Aもそれに覆いかぶさった。そして畠中のまあまあ豊かな胸に両手が密着した。
「いやあ…別にわざとじゃないから…偶然…さ!偶然!」
畠中は立ち上がり、埃をはらった。そして再び竹刀を硬く握りしめた。
「一応聞いておくが…柔らかかったか?」
「あー…はい。」
「死ね。」
「グハッ」
4巻545ページ。