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賭け

 「牢獄の中の悪人なんて、キャンプには入れれない」

グレイは言った。

「しかし、キャンプには男は多くても戦闘できる奴はいない、それに何かに卓越してる奴なんてジャネットくらいだ、他はみんな生活で手に入れた知恵を駆使してる状況だ」

グレッグは言った。


 「それで十分だ、危険すぎる、それに反対する奴がいるぞ」

グレイは言った。

場に険悪な雰囲気な流れる。

「処刑される奴なら助けないが、彼らの中にはただ単純に空腹で盗みを働いた奴もいる、確かに彼らは愚かなことをしたが、ここで死を待つほどのことはしてない、だからここにいるのだ」

グレッグは言った。


 「そこの衛兵さんの言ってることも間違ってはいない、だけどな、今までまともな奴だったのに追いはぎになった奴もいるのに、今更悪人助けてどうする?」

ハンクは言った。

確かに、ここで悪人を助けるのはリスクが高い。

戦力は別の方法で後から補えるが悪人は一度野に放てば牢獄に入れるのは難しい。


 「しかし、戦闘に卓越した暗殺者や盗賊、追いはぎを逆に味方に付ければ……」

グレッグは言った。


 「じゃあ会話だけでもしてみるか?」

僕は言った。

こうして全員地下の牢獄に来たのだった。


 「誰か来た!」

男の声が聞こえる。

「衛兵か!?」

今度は違う男の声。

「壁の傷で時間を数えたが、俺はもう出れるはずだ、だから本来出るはずなんだ俺は! 出してくれー親切な方!」

また違う男の声が聞こえる。


 「街は人がゾンビになる感染病で壊滅している、世界もそうだ、君たちを助けるかどうか今決める」

グレッグは言った。


「おいグレッグの旦那じゃねぇか」

一人のドワーフ男が言った。

「久しぶりだな、ゴッツ」

グレッグは言った。

「まさか、衛兵のあんたがそんな事になってるのに助けるとはな」

もう一人の小さな男が言った。

「人間が一番の資源だ」

グレッグが言った。

「俺の名前はリキだ」

そういって小柄な小さな男が僕に話しかけた。

「俺は、ギルス、暗殺者だけど悪い暗殺者じゃないよ」

3人目のいかにも見た目が普通の男のギルスは言った。


 「他の囚人はどうした?」

グレッグは聞いた。

「ひでえもんさ、王国の兵士達が土壇場で囚人を餌にして王を逃がそうとしたんだ」

リキは言った。

「そんなわけだから、ゾンビについては承知している、もちろん見たことはないが。」

ギルスは言った。

「俺たちは、ギルスの影の魔法で助かったんだ」

ゴッツは言った。

「魔法ではない、忍術だ」

ギルスはそう言った。


 「思ったより、まともなやつらなのか?」

グレイがつぶやいた。

「この囚人3人はな、後は小悪党ばかりだったが。」

グレッグは言った。

「しかし、小悪党といえども生きるチャンスは必要だ。」

グレッグはそう言って牢屋の鍵を開けた。


3人は震えながらも出てきた。

「でも、お前たちどうして生きてたんだ?」

グレイは言った。

「各牢獄に食料庫があって1カ月分月1回で補充するんだ、そのせいで囚人は乾パンしか食べてない。」

グレッグは言った。

「だけどその乾パンもあと2日で消えるとこだった。」

ゴッツは言った。

「恩に着るぞ。」

ギルスはつぶやいた。

「君たちが囚人だということは隠しておこう。」

グレイは言った。

「大丈夫かなぁ。」

ハンクは言った。


 3人と4人で二手に分かれて見張り台や詰め所を確認してゾンビを殲滅していった。

街の開放は成功したのだ。


 「ここで生活しはじめて3週間ずっと、この街が気がかりだったが行動できてよかった」

グレッグは言った。

「まぁでも、俺がいなくても全然いけたんじゃないか?」

僕は言った。

「かもしれない、だけど君が衛兵として活躍しているのを見て、そして行動しようといってくれたからこそ動けたんだ」

グレッグは言った。


 キャンプ地に帰ってきた。

3人は、街で生きていたことにした。

ゴッツは戦士、本当は強盗、人殺しはしてない。

リキはレンジャー、本当は盗賊、人殺しはしてないけど、話を聞いたら、とんでもない物を盗んだことがあるらしい。

ギルスは忍者、本当は暗殺者だけどこれは別にどっちも同じようなものだからいいだろう。


 「よろしく」

ジャネットはゴッツに話しかけた。

ゴッツはドワーフなためジャネットは同族の生存者を見つけて喜んでいた。

「みんな、街は安全になった」

グレッグは言った。

「本当!」

レベッカは叫んだ。

「正直、怖くて勇気が出せなかったけどスパイクとうめき声の後押しもあって決心したよ、なんとか成功した。」

グレッグは言った。

「街の中に拠点を移そう。」

ジャネットが言った。

こうして僕達21人は、街の中に移動した。


 街中への引越しを終えると、皆個別の家を持つことになった、特別にジャネットは鍛冶屋の店を割り振られた。

そしてグレッグとギルスとゴッツと僕は衛兵として街を警備することにした。

僕が街中担当。

グレッグが見張り担当。

ギルスが外周り担当。

ゴッツもギルスと同じ。

僕達人間の文明は街を手に入れた。


 僕は内回りなのでそろそろ全員の名前を知りたい。

やはり一人一人の事を知ってこそ衛兵だろう。

僕達は壁の中の拠点を持ち安心感と希望に溢れていた。





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