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ネオン・クリプトによる愉快なお話。

魔法屋アルフレッドの愉快なお話

ついに…投稿してしまった……。

 


 あれ?食糧屋のおばさんじゃないですか。



 お久しぶりです。最近顔を見なかったので心配していたんですよ?



 …え?病気?近づかないほうが良い?それは大変でしたね。僕、てっきり嫌われたのかと思いましたよ。



 …!



 顔、真っ青じゃないですか!大丈夫ですか!?



 ああ!おばさん!



 仕方ないですね。いつもおばさんには食べ物をサービスして貰ってるし。



 “快癒の魔法書(使い切り)”!



 どうですか?



 ああ、もう大丈夫みたいですね。良かったです。



 …そんなに恐縮しなくても良いんですよ?僕とおばさんの仲じゃないですか。




 仕入れの途中?それは失礼しました。



 また、僕のお店にも顔、見せてくださいね。



 ◆◇◆◇◆◇


 やあ。


 僕の名前は“魔法屋アルフレッド”。なんの変哲もない魔法屋さ。



 ……いや、違うな。なんの変哲もない魔法屋だった(・・・)。1年ほど前まではね。



 輪廻転生って知ってるかい?死んだら魂の穢れとか記憶とかそんなものを全てリセットして蘇るってやつ。



 …その輪廻転生なんだけど。

 どうやら僕は輪廻転生でリセットされたはずの記憶を思い出してしまったようなんだ。




 この世界は所謂いわゆるゲームの世界ってやつだったみたいだね。前世の()がやり込んでいたRPG。ここはそれを模した…というかそれそのものの世界さ。



 で、僕はそのゲームのモブキャラクターの一人、“魔法屋アルフレッド”。本名すら語られることなくただこの主人公が中盤に訪れる予定の街“フィルフート”で魔法屋をやっている。で、魔法書を売って生活してるわけさ。



 あぁ、別にここから成り上がってやるぜ!とか俺が主人公になるんだ!とか思ってないない。そもそも僕はこの街から出られないしね。



 なんだろう。運命力?因果律?まぁ、なんか強制かつ矯正する力が働いて街から出ようとすると店の前に戻されちゃうんだよね。



 え?店にある転移の魔法書かい?一度行ったことのある街にしか行けないのに街から出られない、出たことのない僕がどこへ転移するってのさ。



 所詮モブキャラってことだね。この街から出ることすらできない。仕方ないからそのまま生活を続けているよ。別に人格が変わったってわけでもないし。ただちょっと昔の思い出が増えただけさ。



 て言うかその話はどうでも良いっちゃどうでも良いんだ。本題はこっち。



 繰り返すけど僕、街から出られないんだよね。前世の記憶を取り戻してひと月立って気づいたんだ。この魔法書どっから仕入れてるんだろう?ってね。



 …どうでも良いって?いやいや大問題だよ?これは。



 魔法書は闇市か競りでしかほとんど手に入らないんだ。いや、たまに売っていく人もいるけどね。基本、魔法書ってのは手に入れたら使うんだよ。たとえ“使い切り”だろうと“習得用”だろうとね。



 でも、この魔法屋には魔法屋にデフォルト配置されている魔法書も規定数あるし(()のやっていたゲームは店売りの個数が決まっているタイプだったんだよ)この魔法屋限定の“土魔人の召喚(使い切り)”と“大地の防壁(習得)”もちゃんと置いてある。




 さて。ここで問題です。買って数を揃えることの難しい魔法書をどうやって僕は揃えているんでしょーか?


 制限時間は20秒!

 では、れっつしんきんぐだ!


 ま、答えは「作ってる」だけどね。



 え?答えを言うのが早すぎるって?細かいこと気にしないの。彼女できないよ?



 ……え?居る?いや、そういうの良いから。嘘とか付かなくて良いよ?モブキャラクターである以上どうしても出会いとか無いことを気にしてなんかナイヨ?



 ……気にしてないって。ほんと。



 …。



 ……。



 ……。




(足音が聞こえる。どうやら店の奥へ行ったようだ)




 ………。





 …………。




(何かを壁に打ち付ける音が聞こえる。どうやら藁のようなものに釘のようなものを打ち付けているようだ)





…………。





 ……。



 …。



 ふ〜なんかすっきりした。



 話戻すね。



 詰まる所この店の魔法書は大体僕が作ってるんだよね。魔法で。“魔法道具製作・特化魔法書”で。



 でさでさ。この魔法って「生み出したい魔法書のその名前、そして消費魔力(ゲームで言うMP消費量)を正しく思い浮かべる」ことで魔法書を生み出すんだよね。



 もう言いたいことわかるよね。



 そう。やり込んだゲームの知識と組み合わせれば魔法書が作り放題!魔法書が作り放題なんですよ!奥さん!凄いよね!?これって革命だよね!?



 そう思った僕はちょっとはっちゃけ過ぎちゃったんだよね。



 これとか。



 “エクストリーム・ヒール(使い切り)”

 最高級の回復魔法。

 パーティ全体に体力・魔力全快、状態異常フル解除がかけられる。



 とか。



 “爆炎竜葬覇(使い切り)”

 火炎属性最強魔法。

 敵全体に超高火力な火炎をぶちまける。中ボスクラスならワンパン。



 とか。



 “オーバードライブ(使い切り)”

 最強の付与系魔法。

 自身の全てのパラメータを三倍にする。



 とか。



 基本的に主人公くんのパーティの魔法使い′sが最後に覚える魔法だよね。もうこの時点でヤバいね。だって僕はこの使い切りの魔法書をゆぴぱっちんで作れるんだもの。



 でも、ちょっと前の僕は「これまだまだいけるんじゃね?」とか思ってさ。



 こんなんも作っちゃったんだよね。



 “キャッスル・ブレイク(使い切り)”

 イベント専用魔法。

 主人公パーティの黒魔法使いが使用。魔王城を崩すときに使った。



 とか。



 “ビフレスト(使い切り)”

 イベント専用魔法。

 主人公が“天空の竜の巣穴”に向かうときに使用。虹の架け橋を架ける。



 とか。



 イベント専用魔法。MPの減少(げんしょうぶん)分から計算して見たら、できたね。もはや意味がわからないね。使う機会もないよこんなの。他にも“割海(使い切り)”とか“コネクト・アカシックレコード(使い切り)”とかあるけどね。



 これってもうアレだよね。一人で主人公パーティできるね。



 でもそのときの僕はそれでも止まらなかったんだ。



 “ダークネス・サモン(使い切り)”

 魔王専用魔法。

 闇の力によって配下を召喚する。



 あれだね。よくある「まおう は はいかを よびだした !」ってやつだね。



 自分でもびっくりしたよ。敵のMPを表示する“見極めの眼”で調べてたからもしかしたらいけるかな?って思ってやったら上手く行くんだもの。



 …多分。使ったら、出てくるよ。魔王の配下。“エクストリーム・ヒール(使い切り)”しか使ったことないけどちゃんと起動したし。




 まだ、こんなんもある。



 “ブラッディ・ウェーブ(使い切り)”

 魔王専用魔法。

 広範囲に渡る闇属性高火力全体攻撃。



 容赦ないね。もはやこれ使いどころないよ。味方も巻き込むもの。“爆炎竜葬覇(使い切り)”より使いどころないよ。



 もはやキチガイの領域に足を踏み込んだといっても過言じゃないね。



 でもさ。





 まだ、あるんだ☆。



 “影殺一閃(使い切り)”

 魔剣技。

 斬れぬはずの影すら斬り裂く一撃。



 もはや剣技だね。魔力(MP)つかうからいけるかな?と思ったらできちゃったよ。



 本気で主人公パーティ、一人でできるね。“刻戻し”も“聖獣の結界”も使えるからね。



 つまり固有スキルだろうと、魔剣技だろうと、イベント専用だろうと、作れちゃうんだ。魔法書。



 そう。あの城の王様が使う“エンペラー・エッジ”だろうと伝説の戦士が使う“バーサーカーズ・ソウル”だろうと神龍が使う“ゴッド・ドラゴン・ブレス”だろうと作れる。



 それで、極め付けはこれ。



 “ワールドエンド(使い切り)”

 魔王専用イベント魔法。

 エンディング後裏ルートに移行するとき使用。世界を滅ぼす。



 ぶっ飛んでるね。まさか魔王の「我が魔力の全てを使い、世界を滅ぼしてくれるわ!」のセリフの通り魔王のMP最大値と同じだなんて。



 使いどころなさ過ぎて笑っちゃうよ。



 主人公くんもう要らないよね。僕が居れば、魔王倒せるよ。“魔法道具製作・特化魔法書”凄すぎるよ。



でもさ、街から出られないんだよね。僕。宝の持ち腐れ。役に立たないの。



 それで、僕は悩んだ。この無駄に廃スペックな魔法書の処遇に。それはもう悩んだ。海よりも深く。空よりも高く。悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで、悩み抜いて僕は。








































 それらの魔法書を売ったんだ。




 売った。




 売ったよ。それはもう盛大に。




 バカ売れした。めっちゃ儲かった。余ったのも国が買い取ってくれた。て言うか買い取らざるを得なかった。



 “ワールドエンド(使い切り)”のせいで。



 最初信じてなかったけどね。




 死んじゃった王妃様を女神専用イベント魔法“リザレクション(使い切り)”で蘇生させたら信じてくれた。





 それでさ。



 女王様をを家来に城に運ばせたあと、王様は全力で魔法書を買い取ってくれたんだけどさ。



 僕が「信じてくれなかったから“ワールドエンド”だけは売らない」って言ったときの王様の顔。




 めっちゃおもしろかった。




 色とりどりの顔色と負の百面相が。くるくるくる。あれは感情のメリーゴーランドってやつだね。




 笑い転げちゃったよ。




 でもね。「お茶目なジョーク」だし。国とか差し出されても困るし。まあ、貰えるだけお金もらったけど。お姫様とか貰ったけど。




 だって僕はあくまでも“魔法屋アルフレッド”…だからね。国とかを治める器じゃないさ。国とか貰ってもねぇ……。



 ん?“ワールドエンド”の魔法書かい?どうやら焚書になったみたいだね。酷いよなぁ。せっかく人が作ったものを焼くだなんて。



 ……ん?それかい?只の魔法書さ。中身は空っぽだよ。“習得済み”だからね。



 なんか魔王も最近は僕のところに遊びくるようになったけど。なんでだと思う?



 わからないよね。僕にもわからないよ。



 だって僕はただ、少し(・・)楽して暮らしたいだけのモブキャラクターなんだから。

どうでしたか?

処女作でしたがおもしろかったでしょうか?


ドキドキしながらも読者様の時間潰しくらいにはなったと思いたい作者がお送りしました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ツイッターから参りました。初めての短編なんですよね? とても上手いと思います。新作や長編も楽しみにしていますね。 [一言] コメントを訂正しました。これに対するコメントは不要です
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