第1話
さて、俺が君たちの世界にいたときの話は終わったことだしそろそろ君を俺の記憶の追体験に誘うとしよう。
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「っ‼︎?」
俺は何故か平原で目を覚ました。
頭が酷く痛い…
「ようやく目を覚ましたようだね」
どこからか聞き覚えのある声が聞こえてきた。
辺りを見回してみても何も見当たらない。
「どこにいるんだ?」
「ここではない、どこかだよ」
と少年は答えた。
「まさか、本当に来てしまうとはね」
「ここはどこなんだ?」
「君のいた世界とは違う世界、異世界だよ」
(もっとも、君の望んでいた世界とは違うかもしれないけどね)
「そんなことはわかっている、ここは異世界のどこらへんかと聞いているんだ」
「おや?以外と順応が早いんだね。ここは君の知っているゲームで言うところの始まりの村の近辺ってところかな」
「地図とかはないのか?」
「あることにはあるけど君にはあげないよ?」
「は?」
「ん?どうしたんだい?」
「そういうのは貰えるのが普通じゃないか?」
「アハハハハハハハハハ」
すると少年はいきなり笑い出した。
「何が可笑しい」
「君が言っているのはどの世界の普通だい?漫画やラノベの世界の普通だろ?ここはまごうことなき現実なんだよ、漫画やラノベとは違う」
「だいたい僕が無理やり連れて来たのならまだしも、君は自分で選択してここに来たならば自分の力のみで生きるべきだとは思わないのかい?」
「騙したのか‼︎?」
「騙したとは人聞きの悪いことを言うね、だけどそこまで言うのなら君には異世界到達記念として餞別をあげるよ」
すると突然目の前に長方形の何かが出現した。
「これは?」
「それは君の知っているゲームで言うところのメニューウィンドウだよ、ステータスとかも見れる。念じるだけで出し入れできるはずだよ」
メニューの上の方を見ると【Yotunoha Nozomu】と書いてある。
四乃葉 望俺の名前だ。
「餞別と言うのはこれか?」
「いや、メニューウィンドウを出すことはこの世界の住人なら誰にでもできる。僕があげたものはその中だよ」
メニューを開いてみるとギフトと言うものが入っていた。
ギフトの中身は【望みの種】×1【不思議な種】×8だった
どちらも説明には何も書かれていない。
「これはなんなんだ?」
「それは教えることはできない。僕の役目は果たした、じゃあ健闘を祈るよ」
そう言ってそれから少年の声は聞こえなくなった。
「おい!待て‼︎」
呼びかけてもかえってくる言葉はない。
「クソっ‼︎なんなんだよ」
望は少し考えてとりあえず始まりの村を探しに歩き始めた。
ステータスは次載せます。