表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/46

第十九話 空中剣技を打ち破れ!

地の文がまた多めです。戦闘描写だとどうしてもそうなってしまいます……。筆力不足かな?


第十九話 空中剣技を打ち破れ!


空中に浮かび上がった咲の宣言に会場全体が大きく揺れた。観客たちが次々に空を見て叫ぶ。

 大騒ぎとなった会場を見て咲は軽く微笑むと、その高度を上げ始める。咲の身体は上へ上へと空を駆け上がっていく。瞬く間に彼女の身体は雲を突き破り、見えなくなってしまった。


「鳥?」


首を痛くなりそうなほど傾けて上を見ていたナルがつぶやいた。僕の目にも何かが見えた。白い羽根を広げた鳥のような物が空一面に見えた。それらは舞台に向かって急降下してきている。


「まずい! シールドよ、シールドを張りなさい!」


空を眺めていた僕に師匠が顔を青くして叫んだ。僕は慌てて、舞台の上にあった炎を消した。そしてその魔力を使いシールドを張る。

直後に鳥のような斬撃が舞台に突っ込んできた。張られたばかりのシールドに凄まじい圧力がかかる。まずい、このままじゃシールドが持たない! そう思った時、シールドにヒビが入った。雨のように降り注ぐ斬撃によりヒビは少しずつ大きくなっていく。シールドが破れたら終わりだ! 僕は杖を舞台に突き立てて踏ん張り、シールドに魔力を注ぐ。膨大な魔力を注いだおかげでシールドのヒビは広がらなくなり、逆にふさがり始めた。

唐突に攻撃が止まった。僕は上を見上げる。青い炎を纏った咲が刀を構えたまま彗星のような速度で接近してきていた。


「もらったぁ! 彗星剣っ!」


普通に回避したんじゃ間に合わない!

僕は呪文を使い足元を爆破した。パンっと響く爆発音とともに僕の身体が吹っ飛ぶ。そのすぐ脇を咲が掠めていった。

直後で舞台の上で大爆発が起きた。地面が揺れ、激しい爆発音が轟きわたり、爆風が辺りの物や人を吹き飛ばす。


「うぅ、なんて威力なんだ……」


咲の彗星剣という技は呆れるほどの破壊力だった。舞台の真ん中が半球状にえぐられてしまっている。

空中から舞台を見回した後で僕はもう一度魔法を使い、背中の辺りで爆発を起こした。観客席を飛び越えそうになっていた僕の身体は急に方向転換して舞台の方へと飛び始めた。そしてそのまま舞台に頭からダイブする。


「大丈夫なの!」


「大丈夫か、白河!」


ナルと師匠がそれぞれ声をかけてくる。心配させたくないので僕は肩をさすりながら手を振った。二人はホッと息をついた。


「爆発を利用して飛ぶとは……。無茶をしてくれるな」


穴の中から出てきた咲が開いた口がふさがらないといった顔をして僕の方を見ていた。埃まみれの着物やあちこちにできた傷が彼女にもダメージがあったことを物語っていた。


「咲の方こそ。本気で死ぬかと思いましたよ!」


咲は僕の言葉を聞いて豪快に笑った。割合真面目に言っただけにショックだ。


「白河らしいと言うか……。まあいい、では行くぞ!」


咲が地面スレスレを飛んでこちらに切り込んできた。僕は杖でそれを受けとめる。攻撃を止められた咲はそのまま空へと離れて行き、勢いをつけて再び攻撃してきた。僕もまた受け止める。ヒットアンドアウェイ戦法ってわけか。でもそうはいかせないぞ。

そう思って僕は速度に優れたツララで咲に攻撃をした。無数のツララが咲目掛けて飛んでいく。咲はツララが飛んで来るのを確認すると飛ぶ速度を上げた。ツララは咲がすでに通りすぎた場所に次々と飛ぶ。ツララは一つも咲に当たることなく空の彼方へ飛んで行った。


「そんな魔法じゃ倒せないの!」


 ナルが僕を見兼ねて言った。それに対して師匠は微妙な顔をしている。確かに今のままでは拉致があかないだろう。もっと大規模な魔法を使う必要がある。でも咲は僕が大規模な魔法を使おうとしたらきっとどこかに避難してしまう。おそらく師匠もそう考えているから微妙な顔をしているんだろう。なんとか咲に気づかれずに大規模な魔法を使う方法はないものか。


「中々頑張るな。普通はへばってくるものなんだが……」


咲の方も粘る僕に対して決め手がないのか焦ったような顔をしていた。

このまま体力勝負に持ち込んでしまおうか……。

僕の頭にふと、そんな考えがよぎる。だがいくら高い山の中で鍛えたといっても咲の方が体力は上だろう。

どうしたものか……。僕は頭から湯気が出そうなほど作戦を考えた。しばらくの間、咲と僕は幾度なく攻撃と防御を繰り返した。その中で僕の頭に一つの作戦が浮かんだ。その作戦はかなり運要素が大きい作戦だが今は賭けるしかない。


「咲、そういえばさっきの彗星剣って言うのは使わないのかな。あれをもう一度使えば僕に勝てると思うけれど」


僕は質問しながらたくさんの炎の球を咲に向かって飛ばして行く。当然それらは咲には当たらず空の彼方へと飛んで行った。


「あれは消費が激しいから使わないんだ」


咲は炎を回避しながらも律儀に答えた。僕はその答えが期待通りだったことにほくそ笑む。そしてさらに炎を咲に飛ばし続けながら咲に言った。


「使わないんじゃなくて使えないんじゃないの?」


咲の表情が固まった。さらに彼女は拳を握りしめ始める。


「言ったな……。それを言ったことを後悔させてやる」


咲はそういうと空高く舞い上がって行った。やがて身体が見えなくなってしまった。


「どうするんだ白河? もう一度あれをやられたら死ぬぞ?」


「そう、危険なの」


咲が見えなくなったところで師匠とナルが怪訝な顔をして聞いてきた。僕はナルと師匠に笑って答える。


「大丈夫ですよ。作戦考えましたから。師匠ならいままでの僕の行動でわかるんじゃないかなと思いますけど」


師匠は妙な顔をした後で納得したような顔になった。だがまだその顔は心配そうだ。


「考えてることはだいたいわかったけど、その作戦大丈夫なの? 途中でばれそうだけど」


師匠の問いに僕は吹っ切れた笑みでもって答える。


「その時はその時です。きっとなんとかなりますよ」


師匠は、まあそれもそうかもね、と言うと綺麗に微笑んだ。ナルも釣られてわずかに笑う。

こうして試合の結果は天に任された。

感想・評価をお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ