甘いものはお好き?
みんな大好き甘いお菓子。
そんな中に隠されたどこか苦いお話
あなたもお一ついかがですか?
学校帰り私は、お小遣いを握りしめ、ある場所を目指していた。
学校から歩いて数分の所にその場所はある。
水色のパステルカラーの車、看板にはピンクの文丸々とした字で『おかし』と書いてある。
車内の棚には、カラフルなゼリービーンズ、キラキラしたキャンディにチョコレート、ポップコーンやグミが並べられている。
「いらっしゃい!キミは確か桃ちゃんだよね~覚えているよ今日はキミが一番乗りだ。」
店員さんは、無表情な顔からは想像もつかないような明るい声で挨拶をした。
これは、お菓子の移動販売。子供限定で無料でお菓子が貰える。週に4回来ていて、いつここに来たのかは覚えていない。店員さんはいつも変わらないから1人で運営しているようだ。
顔が無表情なのに声は底抜けに明るいので最初は気味悪がって皆近づかなかったが無邪気に話しかけてお菓子を配る店員さんと仲良くなるのに時間はかからなかった。今やみんな、ここの常連になっている。
「今日は何が欲しい?キャンディ?それともグミかな?」
私は1つキャンディを貰うことにした。受け取っている時に、後ろから友達の葵が駆けてきた。
「あ!もうお菓子貰ったの?私も買おーっと!」
店員さんは、葵を見るとすぐにお菓子の用意を始めた。
ここのお菓子は、近くのスーパーにあるお菓子なんかよりもずっと美味しい。どこに売っているのか、パッケージなんかも調べてみたけれど全く分からなかった。
また明日も買いに来よう。
私は家へと帰る道をたどった。
次の日、葵は学校にいなかった。葵は昨日元気だったし滅多に学校を休まないから珍しいなと思ったけれど、何故かあまり寂しくはなかった。
「今日もきっといるよね…」
帰り道、いつものように移動販売のある場所に行くと、やはり車があった。
「こんにちは」
私が挨拶すると店員さんはいつもの明るい声で挨拶を返してくれた。
「いらっしゃ〜い、今日は何を買う?」
私はいつものキャンディを1つ貰うことにした。
袋にキャンディを詰めてもらっている間、私は店員さんとお喋りする。
「ねぇ店員さん、ここのお菓子って美味しいよね」
店員さんは袋を閉じながら答えた。
「うん!そりゃあ美味しいよ!どこにも売っていないこの店オリジナルのスペシャルお菓子だからね〜」
袋を受け取りながら私は思わずクスッと笑った。
「スペシャルかぁ〜魔法でもかかってたりして」
袋からキャンディを取り出して1つ口に放り込む。
すると、店員さんはそんな私を見て言った。
「魔法じゃないけど特別な材料を使ってるよ?子供は…甘いものがスキデショウ?」
私はなんとなく不気味に思って材料の表記を初めて見た。
砂糖や酸味料、香料などのありふれた材料の中の最後にそれは書いてあった。
『葵』
いかがでしたか?お菓子の甘さに隠れた苦み
ご堪能いただけたでしょうか?
それでは次のお話でお会いしましょう。(⌒▽⌒)




