第7話 別れと大学への入学
毎日18時に投稿しています。お読みいただければ幸いです。
ニコルさんと赤いバラ団と僕らは国境を超え、エトルリアに入りました。
盗賊たちは相変わらずいましたが、片っ端から潰していきました。夕方には赤いバラ団の皆さんに護衛を頼んで盗賊たちの本拠をつぶしに行きました。
2つほど潰したら、大物は全滅したようで、ごくまれに農民崩れが粗末な武器で襲ってくるぐらいになりました。
まあ、彼らも基本皆殺しですね。盗賊は退治しておかないと、他の旅人や近隣の村々の人々の害になります。まあ、害虫のようなものなので、退治するのがベストです。
そうこうするうちにフローリアに着きました。
ニコルさんは「皆さん、ありがとうございました。また、護衛お願いしますね」と言って赤いバラ団に報酬を支払って商業ギルドへ向かいました。
僕らにも気持ち程度だが支払うと言われたのですが、盗賊退治でかなり稼いだので、辞退しました。
赤いバラ団さんにこれからのことを聞きました。しばらく休んでから別の仕事を請け負って旅立つつもりだそうです。
おじいさまが言いました。「ジュリアとリンダ、二人とももしよかったら今度の夏にでもわしの家に来ないか。家族に会わせたいのだが」
僕も言いました。「プリシラさん、もし嫌でなかったら、僕の母親に会ってほしい。そしてよければ家族の一員になってほしい」
3人は考えているようでした。そしてリーダーのジュリアさんはおもむろに口を開きました。「少し考えさせてほしい。リンダとプリシラ、それでいいか?」と尋ねたところ、みんなうなずきました。
僕は、プリシラさんに「この腕輪を差し上げます。この腕輪は魔力の貯蔵ができるうえ、必要に応じて引き出すことができます。更にもし何かあったら腕輪にあるつまみを引っ張ってください」といって、腕輪を渡しました。
プリシラさんは最初遠慮していましたが、強くお願いしたら、「じゃ借りるだけ」と言って、受け取ってくれました。
そして、僕の頭とほほをなでると、「またね」と言って、去っていきました。
「おじい様、これって振られたのですかね」と聞いたら、「そうでもないぞ。嫌ならすぐに嫌だと言われたはずだ。まあ、チャンスはあるということだ。夏までには返事をくれるだろうからそれまで待とう」と言いました。
僕らは盗賊の死体や奪った宝物など冒険者ギルドで換金してから、宿を取りました。
フローリアについて、僕とお爺様は別行動です。僕は学校の受検勉強、お爺様は、実家の様子を見てくるそうです。
お爺様は夜に帰ってきて、難しい顔をして言いました。
「どうもわしの実家アッピア侯爵家は廃絶になったらしい。噂だと反乱を起こそうとして、当主一家は自殺、家は廃絶され、関係する貴族たちもかなり処分されたようだ」と言った後、「カールのやつ、そんな野心家には思えなかったのだがな」と小声でつぶやきました。お爺様は何か考えるところがあるのでしょう。
その後もお爺様はあちこちで歩いて、情報収集をしていました。
僕はひたすら受験勉強です。学校の図書館を受験勉強用に開放してくれていて、多くの受検生はそこで勉強していました。
この学校には、最低入学年齢が決まっているだけで、修業年限も入学年齢の上限もありません。
中には、60代70代の方もいるそうです。まあ、そういう方はだいたい名を挙げ功を上げ、かなり高い地位についている方が多く、伯付けに卒業の資格を手に入れる方々だそうです。
そういう方々に便宜を図るためでしょうか。先ず入学時に理解度試験があり、これに受かると、卒業に必要な単位が認定されたり、上級の課程に勧めたりするそうです。
また、3学期制なのですが毎学期単位認定試験があり、その試験に受かると、単位が取得できる制度があります。
だから、人生経験が豊富な方は入学時の理解度テストでほとんどの単位が認められ、1学期終了には卒業と言う方もいらっしゃるようです。すごく合理的な制度です。
ただ、勉強ができないと最悪です。何年も同じ講義を取っても受からずに、そのため卒業できず10年通ってもダメなケースもあるそうで、温情での合格はないそうです。
とうとう試験当日がやってきました。大学の4学科全て受検するつもりです。最初は共通の筆記です。そのあと、学科別の試験がありました。学科別の試験は口頭試問です。
僕はこれまで学んだ知識と、前世を含めた経験を使って、全ての試験をこなしていきました。
全てが終わり、一息着いて、さて結果発表待ちだというところでプリシラさんに預けた腕輪の警報が鳴りました。僕はびっくりして、すぐにお爺様に声をかけ、警報が示す位置に向けて、風魔法と、火魔法を併用し、すっ飛んでいきました。
丈夫な鉄の板に後ろに寸胴鍋を取り付けたもので、風魔法を使って板を飛ばすとともに、寸胴鍋の中で火魔法により爆発を起こしてその推進力で前に進むことで、相当な速さで進むとができる代物です。
欠点と言えば、早くて乗っている人が吹き飛ばされそうになることと、火魔法による爆発に寸胴鍋が長くは耐えることができず、十回ぐらい使うとひび割れて壊れてしまうことです。
僕とお爺様は鉄の板の括り付けた皮のひもで何か所も止めて死にそうになりながら乗っていました。
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