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第4話 海外留学とお爺様との冒険者生活

毎日18時に投稿しています。お読みいただければ幸いです。

 さて、12歳となるとこの世界の貴族の子弟は学校に行かなくてはなりません。このパランク王国では王都にある王立学園に通うのが普通であり、いとこのマリアは2年前に学校に通い始め、ジェームズは今年から通うこととなっていました。


 ただ、僕の場合、王都は大変危険な場所であり、命を狙われる可能性が否定できません。

 何故かというと、13歳の第二王子は病弱で健康状態がよくなく、12歳の第三王子は健康なのですが癇癪もちでわがまま、ついでに勉強嫌いで体を使うのも嫌いという問題が多い子供らしいです。

 更に第三王子の誕生から以降、男の子は生まれておらず、そうすると一部の良識派貴族たちの期待は僕に集まることになります。

 そうすると面白くないのは第二王子派や第三王子派で、僕を亡き者にしようと考えるものも多いそうです。

 僕はいろいろ考えた結果、隣国のエトルリア王国の首都にあるフローリア大学に留学することにしました。

 この大学はこの世界で最上位の大学で、神学科、政治科、魔法科、戦士科の四つがあり、ここを出れば、どの国でも雇ってもらえるという有名大学です。

 僕はここを受験することにしました。


 お爺様に言うと、少し驚いた顔をした後、「ぜひとも行きなさい。わしもついていく」と言って、いきなり伯父に家督を譲る手続きをすると一緒にエトルリアに行く準備を始めました。

 僕は驚きました。実は僕にはもう一つ野望がありました。実は冒険者になりたいと思っていたのです。

 「実はお爺様、僕はもう一つやりたいことがあって……」というと、「ああ、冒険者になりたいのだろ。テルミヤやカノンにわしらの冒険譚をねだっていると聞いていてな。さては冒険者にあこがれているのかと思っていたよ」お爺様はニヤリとしながら言いました。

 「まあ、俺に任しておけ。冒険者としても、留学の案内もしてやるから。なんせわしは冒険者だったし、出身地はエトルリアだからな」と言いました。

 「お爺様、エトルリアの出身だったのですか?」

 「ああ、エトルリアのアッピア侯爵家の出身だよ。わしは側室の子でな、15歳で家を出て冒険者をやっていたんだ。この国に来て、戦争に参加して手柄を立てたら、ここの王が男爵位をくれたんだ。それで同じパーティだったミーアに結婚を申し込んで、一緒になったら、ミーアは実はこの国の伯爵家の娘で、紆余曲折があった結果、伯爵になって子の領地を継ぐことになった。それで今伯爵としてこの国にいるのさ」そう言って、話をつづけた。


 「今回のお前の件で、王家にはあきれ果てた。仕える気がなくなっていたところに、お前が故郷に行くという。それじゃ久しぶりに里帰りをしようかというわけさ。ついでにお前に冒険者としてのルールを教えてやるよ」と言ってニヤリと笑いました。

 お爺様は強くて頼りになるのでしたが、女好きなところなどやや性格的に不安な点があるため、大丈夫だろうかと少し後悔しました。


 翌日、僕とお爺様は冒険者登録をした。お爺様の冒険者登録は冒険者ギルドに記録が残っていたため、復活する形になり、僕は新規登録となりました。

 それで、依頼を探す掲示板を見て、フローリアに行く商人の護衛の仕事を見つけて、これを請け負う手続きを取りました。


 旅の準備を済ませると僕とお爺様は家を出ました。見送りにたくさんの人が来ていました。

 「あなた、もういい年だし、結婚してから大丈夫だったからそんなに心配していないけど、新しい愛人は作ったら必ず連れて帰って責任を取ること。わかっているかしら」とおばあ様が言いました。

 「わかっている。わしもいい年だし、女が寄ってくることはないだろう」と言って、おばあ様に言い訳をしていました。

 「フィリップももしいい人ができたら、必ず紹介するのよ」おばあ様が僕にも言いました。

 「こんな子供を相手にする人はいないよ」そう言って安心させようとしました。

 「でもね、ジョンの血筋は何故だか女が寄ってくるのよ。まあ、あなたの立場上いろいろ面倒なこともあるけど、そのあたりは私たちが何とかしてあげるからとりあえず頑張っておいで」そう言って、おばあ様とお母様、伯父と伯母が手を振って別れを惜しんでくれました。


 さて、町の広場に集合です。ここで、護衛の商人と待ち合わせです。商人はすでに広場にいました。

 「遅れてすみません。今回護衛を引き受けた青い旅団です」お爺様はそう言いました。

 パーティ名はお爺様達が昔使っていた名前をそのまま使わせていただきました。

 「今回はよろしくお願いします。私は商人のニコルです。どうぞよろしくお願いします」とニコニコと挨拶してきました。

 「もう一つパーティがこの依頼を受けてくださったのですが、まだ来ていないようですね」とニコルさんはきょろきょろと探しました。

 「そうですね、今回旅を一緒にされる方はどういう方なのですか」

 「結構ベテランの方と聞いていますが、詳細は聞いていないのですよ。何せ零細商人なもので、依頼料があまり出せなかったので、引き受けてくれる方がいるだけで大変ありがたいです」

 しばらくすると4人の女性ばかりのグループがやってきました。

 「早くしなさい。時間に遅れているのよ」剣士風のきりっとした女の人が言いました。

 「しかないじゃないか、起きられなかったのだから」武闘士風の短髪の女の人が言い返しました。

 「呑みすぎ、いい加減にするべき」小柄な大きな帽子をかぶって黒いマントを羽織った女の子が言いました。

 「依頼料前金をもらったとたんすべて使うなんて何考えているの」聖職者のような恰好をした子が言いました。

 「仕方ないだろ、しばらく仕事が無くて酒も自由に飲めなかったのだから」断髪の女が言いました。


 剣士風の女の人が僕らに気が付き、走ってきました。

 「遅れてすまない。赤いバラ団のリーダーを務めるジュリアだ」そう言って仁頃さんに挨拶しました。

 他の三人も来て挨拶しました。

 「武闘士のリンダだ」

 「魔法使いのブリシア」

 「僧侶のリーニャです」

 僕らも挨拶しました。

 「わしは戦士のジョンだ」

 「魔法使い兼槍使いのフィルです」

 「なんだ、老人と子供じゃないか。本当に戦えるのか」リンダはあきれたように言いました。

 次の瞬間、僕はリンダの後ろに回り槍を背中にあてました。

 お爺様も短剣をのどに当てていました。

 「わかった、わかったよ、馬鹿にした言い方をして悪かった」慌てて、リンダは言いました。

 お爺様はこれまで見たことにないような冷たい顔をして「いつでも相手になるぞ。命の保証はできないけどな」と一言いいました。



お読みいただきありがとうございました。もし少しでも気になりましたら星かブックマークをいただければ大変ありがたいです。

星一ついただければ大変感謝です。ブックマークをいただけたら大大感謝です。ぜひとも評価お願いいたします。


小説を書くのは楽しいですね。うまい下手はありますが、読んでいただける読者の方がいて、反応があると本当に嬉しくなります。今後ともお付き合いいただければ大変ありがたいです。

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