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ひょんなことから転生したおじさん、王子になって楽な人生を送れるかと思ったが、とっても大変な目に遭っています  作者: 信礼智義


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第23話 伯父上からの相談と協力の依頼

毎日18時に投稿しています。お読みいただければ幸いです。

 伯父上から使者が来た。相談事があるらしい。かなり重要な案件らしく、内密にプルターク領に来て欲しい、お爺様も呼んでいるとのこと。

 一人だけなら魔法で飛んでいけばいいからすぐにつくので、妻たちにその旨話をしたら、私たちもついていくと言って聞きませんでした。

 それじゃと、冒険者パーティに化けて、僕、マリア、プリシラ、メリッサの四人で行くことになりまた。


 「意外と形になるな」と僕が言いました。

 マリアは剣士、僕は魔法使い兼槍使い、プリシラは魔法使い、メリッサは神官として、各々ふさわしい格好をしていた。

 「私とジェームズは、剣をお父様から習っていたから剣は得意なの」マリアは甲冑を身にまといながら大剣を振り回していました。

 「私はもともと冒険者で魔法使い」プリシラさんは大きなつばのついた帽子とマントを着て、いかにも魔法使いという恰好で言いました。

 「私、神官だし、回復魔法はかなりできるわよ」とメリッサさんは防具付きの冒険者用神官服を着て得意げに言いました。

 「もし、僕が公王で無くなったら、この四人で冒険者しようか」と言うと、「悪くないかも」「賛成」「ちょっと憧れていたのよね」と三人が返してきました。


 シケリアの冒険者ギルドでマリアとメリッサの冒険者証を作成し、船に乗ってパランクの港に着き、そのままプルターク領に進みました。

 特に問題はなかったのですが、一度だけ道の途中で不良冒険者から因縁をつけられたので、四人でぼっこぼっこにした後、身ぐるみ剥いで森の中に逆さづりにしました。まあ、そのうち誰か助けるでしょう。


 僕らが伯父上の屋敷に着いた時、すでにお爺様は着いていました。テルミヤさんに送ってもらったそうです。

 「妻たちを連れてきたのか。メリッサさんとは初顔合わせだな、わしはフィルの祖父で、ジョン・アッピアという。孫をよろしく頼む」とにっこりして、メリッサさんに挨拶しました。

 「お初にお目にかかります。私メリッサと申します。武名高きアッピア侯爵様ですね、おうわさはかねがね聞いております」とこちらもにっこりとして言いました。

 「私はテルミヤ、一応この男の愛人ね」とにやにやしながら言いました。

 「テルミヤ様ですね、お初にお目にかかります。メリッサです。同じ神官ですね」

 「ああ、まあ不良神官だけど一応司教だそうだ。メリッサさんもそうだろう?まあ王の権力で司教にしてもらったのだけど」

 「私もです。お互いいろいろありますね」とほほ笑んだ。

 「とりあえず、僕とお爺様は伯父上と話をしてくるので、ここで交流していて」と言って、伯父上のもとに向かいました。


 伯父上のところに行くと、伯父上の他にジェームズがいました。

「遠いところすまないね。プルターク家の大きな選択でぜひとも父上とフィルに相談したかったんだ」と伯父上は言います。

「何事ですか、伯父上」僕が訪ねると、伯父上は難しそうな顔で言った。

「実は、リオン侯爵からジェームズとフィルに縁談が来ていてね」

「縁談ですか」僕が驚いて答えると「そう、リオン侯爵の孫娘を嫁がせたいそうだ。つまり我々と同盟を結びたいということだ」と伯父上は言いました。

「でも私もジェームズも正室がいますよ」僕が答えると、今度はジェームズが「そう答えたら、側室でいいとのことだ。それで、もしかしたら、どこかから女の子を連れてきて養女にしてそれを嫁がせるのではないかと疑ってね。誰が妻に来るのかと聞いたんだ。そうしたらエヴァとエレーヌだと言われびっくりしたよ」


「エヴァとエレーヌ?」

「僕の学年の一つ上で学校でも有名な女の子たちだよ。双子の姉妹なのだけど、美人で優秀な子たちでいつもたくさんの取り巻きを連れていた。ただ性格は良い噂を聞かないな。下級貴族や平民は相手にしないし、用があって話しかけられても無視する特権意識の塊だよ」ジェームズはあきれたように言いました。

 「伯父上、そんなのを寄こされても困るのですが」僕は伯父上に言いました。

 「ジェームズから聞いて、そんな奴らを受け入れても我が伯爵家にとって害悪にしかならないことは百も承知だ。我が妻は子爵家の出だし、ジェームズの妻はエリトリア王の養女とはいえ元は平民だ。フィルの妻は娘のマリアを除けば平民か下級貴族だ。絶対に家庭内で不和をもたらすことは承知している」そう言って伯父上はため息をつきました。

 「ただ、これを断ると完全にリオン侯爵と敵対することになる。その場合、エレナ王妃とリオン侯爵が私たちを共通の敵として攻め込んでくる可能性がある。それに対処するのに我が伯爵家だけでは難しい。それで大変申し訳ないのだが、父上とフィルの力を借りたい」伯父上が頭を下げました。


 「お爺様、フィル、僕からをお願いだ。力を貸してほしい」ジェームズも頭を下げました。

 「当り前だ。我が息子と孫が困っているのだ。兵を出すぞ」お爺様は言いました。

 「ジェームズ、君と僕は幼馴染で親友で戦友であり、妻マリアの弟だ。助けないわけがないだろう。僕も兵を出すぞ」僕もお爺様と同じく、協力に同意しました。

 「で、どうするのだ。動員はできてもいつまでも待てないぞ」お爺様が質問しました。

 「この申し出を断ると同時に軍事行動を起こします」伯父は言った。

 「先制攻撃か、確かに有利ではあるが、名目は何とする?」

 「リオン侯爵からの悪意ある婚姻要求に対応するためと、第1皇子の復権のための2点で行きたいと思います」

 「両者を敵にするのであれば、そのお題目が一番だろう。作戦はどうする。両者を相手にするのであれば時間との勝負だぞ」

「最初にリオン侯爵領に軍事侵攻します。これは我が伯爵軍とシケリア軍で行いたいと思います。お爺様はエリトリアとの東部国境から軍を率いて王都に侵攻してください。準備期間はどのぐらい必要ですか?」

 「王にも話をしなければならないし、2週間欲しいな。とりあえず3個軍団は用意できると思う」お爺様は言いました。

「僕もそれだけあれば兵をこっちに持ってこられます。4個軍団でいいですか?」僕も尋ねました。

 「二人とも十分です。伯爵軍は頼子の軍も併せて2個軍団程度しか用意できません。恥ずかしい限りです」と伯父上は頭を下げた。


 「いや、問題ない。頭を下げるな、息子よ」お爺様は微笑みながら言った。

 「ところで南部のアラゴン王国は大丈夫なのか」とお爺様は尋ねました。

 「ジェームズを送って話を付けさせた。中立を守る代わりにジェームズとアラゴンの王女を結婚させることとなった」伯父上は言った。

 「リーニャさんは了解しているのか?」僕が尋ねると、「「一人では身が持たない。ちょうどよかった」と喜ばれたよ」とジェームズはぼやいた。

 「お前強すぎ」と僕は笑って言った。

 「そんなことないと思うのだけど……」

 その場にいた皆で大笑いしました。


 さて、戦争がはじまります。戦争の口火は僕らが切ることになりました。


続リオン侯爵領屋敷にて

 エヴァとエレーヌは中庭でお茶を飲みながら話をしていた。

 「私たちの婚約が決まったようよ」エヴァが言った。

 「ええ知っているわ、プルターク伯爵家の嫡男と、元第一皇子よね」エレーヌが答えた。

 「元第一皇子って、廃嫡されたのよね」エレーヌが訪ねた。

 「お爺様が言うには、今エリトリアで活躍して、シケリアの公王になっているそうよ」エヴァが答えた。エヴァはこういう情報を集めるのが得意であった。

 「あら、すごいわね、じゃ結婚すれば公王妃ね。当然正妃なのよね」

 「それが正妃はプルターク伯爵家の娘らしいわ」

 「まあいいわ、結婚したら入れ替えさせればいいのだから。プルターク伯爵家の嫡男はどうなの」

 「学校で剣の使い手で有名だったわ」

 「ふ~ん、大したことないわね。まあ、伯爵嫡男の正室なら妥当なところかしら」

 「すでに正室がいるそうよ、でもエリトリア王家の養女だけど元平民らしいわ」

 「平民ふぜいが私たちに勝てるはずないじゃない。結婚したらさっさと追い出しましょう」

 「で、あなたどっち取る?」エヴァが訪ねた。

 「う~ん、悩むわね。公王妃は魅力だけどシケリアなんて田舎行くのはつらいわ。首都住まいにするとしても、エリトリアの首都はパランクの首都パラスと比べてどのくらい栄えているのかしら」

 「パラスには勝てないと思うけど、大学もあるそうだし、それなりに栄えているのではないかしら」

 「なら伯爵の正室でいいかな。お爺様が言うには今度の戦で勝てれば侯爵に陞爵させるようだし、この国から出たくないしね」エレーヌが答えた。

 「じゃ私は公王妃になるわ。外国に行くのも楽しそうだし、エリトリアの都フローリアはそれなりに栄えていると聞くから」

 「そうなんだ。じゃそういう風に分けましょう」エヴァは内心ほくそ笑んだ。祖父のリオン侯爵が今にも死にそうな第2皇子を捨てて、第1皇子をパランク王にする予定であることをわざと伝えなかった。もし、第1王子が王になれば私が王妃よ、そして王子を生んで国母となるの。後で悔しがってもそれはあなたが悪いのよエレーヌ、そう考えていた。


 「お嬢様方、侯爵様がお呼びです」メイドが声をかけた。

「そう、結婚の日取りが決まったのかしら。行きましょうエヴァ」エレーヌが声をかけた。

 「そうね、そうしましょう」


 二人が侯爵のもとに行くと、侯爵は激怒していた。「お前ら、学校で何をやっていた!」

 二人がびっくりして「勉学に励んでおりましたが」と答えると「この手紙を見てみろ!」

と二人に手紙を突き出した。

 二人が手紙を読むと、「性格最悪にして悪評高き娘を、我が嫡男と甥に結婚させるなど我が家を滅亡させるつもりとしか思えない。これはわが家に対する明確な敵対行為としてとらえる。これより両家は戦争状態となる。さらに我が家に対する攻撃が貴公単独で行われたとは思いにくい。王宮と協調しているとしか思えない行為である。わが家は、わが家と頼子たちを守るため、王家とリオン侯爵とその同調者に対して戦端を開くことにする。この手紙が届き次第、戦争は開始される。貴族として恥ずかしくない戦いを望む」と書いてあった。


 「同盟のための結婚の申し込みをしたら、それがプルターク伯爵家の怒りを買うことになるとは思わなかったぞ。お前たち、そうとう学校で悪評をばらまいてきたとしか思えん。お前たちはしばらく謹慎しておれ。すぐに別の娘を選び、謝罪の使者を送らねばならん」と言ったときに、家臣が部屋に飛び込んできました。


 「侯爵様大変です!」

 「どうした、そんなに慌てて」

 「プルターク伯爵軍、シケリア公国軍が攻め込んできました」

 「なんだと!戦力はどのくらいか」

 「プルターク伯爵軍、シケリア公国軍は合わせて6個軍団ほど、我がリオン侯爵領に進撃しております。アッピア侯爵軍はサロ侯爵軍、サロ伯爵軍を指揮下に置いて3個軍団ほどがパラスに向かって進んでいるそうです」

 リオン侯爵は青い顔をして、ふらふらと倒れ込んだ。

 「すぐに領軍を動員しろ。あと、頼子の貴族たちにも声をかけろ。すぐに動員できるのはどのくらいだ」

 「我々の息のかかった王国軍1個軍団は動かせますが、それ以上は……」家臣は悔しそうに言った。

 「すぐに家族を隣国のプリッシュ王国に避難させろ。お前たちもすぐに避難しろ、ここはもうすぐ戦場になる」リオン侯爵は孫娘二人に言った。

 「お爺様、勝てますよね」エヴァとエレーヌは涙を流しながら言った。

 「ああ、大丈夫だ。とにかく避難しなさい。いいね」叱責したばかりだが、やはり孫娘はかわいいのか侯爵は無理に笑顔を作って言った。


 二人が出て行った後、侯爵は放心したように椅子に座り込んだ。


お読みいただきありがとうございました。もし少しでも気になりましたら星かブックマークをいただければ大変ありがたいです。

星一ついただければ大変感謝です。ブックマークをいただけたら大大感謝です。ぜひとも評価お願いいたします。


 お読みいただいていらっしゃる読者の皆様、本当にありがとうございます。もうすぐ切りのいいところまで来るので、今週投稿したぐらいで終わりにしたいと思います。

 

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