第22話 戦争と借金とマリアの来襲
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シケリアの開発も順調に進み、国内も安定してきました。
問題はパランク王国の情勢です。
第2皇子派と第3皇子派の争いは激しさを増してきています。
王は事実上すべての権限を失っており、王宮に軟禁されている状態で、第3皇子とその母、そして、宮廷貴族たちがアリア王国の後ろ盾を得て、好き勝手に国政を動かしています。
それに対し、リオン侯爵を中心とする地方領主たちは別に王朝を創立し、第2皇子を首班とした国を建設しました。名前はパランク王国正統王朝と名付けています。当然、第3皇子の言うことなど歯牙にもかけません。
国は二つに分断されていました。
当然学校などやっている状況ではありません。すでに地方領主たちは子弟を学校に通わせるのをやめていました。
マリアやジェームズたち南部貴族たちも学校から領土に戻ってきています。
ぼくもシケリア軍を準臨戦態勢にしています。
お爺様も軍を動員して、いつでも攻め込める体制を整えています。
あとは、どっちが引き金を引くかです。
そんなパランク王国が火を噴きそうなところに南スロベニアの外務大臣がやってきました。
僕は南スロベニアの仇敵に指定されています。まあ、あれだけ王をぼこぼこにすれば当然でしょう。情報によるとあちこちで借款を求めて、拒否されているようです。
案の定、我が国にも借金に来たみたいです。
実は南スロベニアの財政状況が最悪であることは、亡命してきた元財務大臣から聞いており、エリトリアにその情報は伝えてありました。
ぼくは南スロベニアが有する鉱山の経営権及び新規鉱山の調査開発権、港までの道路の敷設及び管理権、さらにそれらを警備する武装兵の駐屯を要求、代わりに20億ブッシュを貸与することを提案しました。
まあ、十中八九踏み倒すつもりなのでしょう。まあ、それならば代わりに領土をいただくつもりです。
ただ、今すぐは動けないので、3年の猶予を設けました。エリトリア王にも伝えてあります。でも普通ならこんな条件呑まないでしょう。
相手はその条件で呑みました。正直びっくりです。いくら踏み倒すつもりだからと言って、こんな条件で借款を結ぶなんてかなりまずい状況のようです。
一応このことはお爺様と伯父上に伝えました。報連想は大切です。
さて、プルターク伯爵とその頼子たちは南部同盟という組織を作り、中立を宣言していました。
すると、第2皇子派と第3皇子派からこちらに味方するようにという勧誘が来ているそうです。
第2皇子派は勝利の暁には侯爵の地位を保証すると言い、第3皇子派は辺境伯に任じ、辺境候国として独立を認めると言ってきていました。
伯父上は、両方とも無視したそうです。そしてちらりと、「私は無知なので、どちらが正統か判断できない。褒美には関心がないので、我が家がこのまま維持できる方に味方したいと思う」と使者に話をしました。
使者たちはいかに自分たちが正統かという説得をしましたが、伯父上は首を縦に振らず同じ言葉を繰り返したそうです。
使者たちは「せっかくの出世のチャンスをふいにするとは、本当にもったいない」そう言い捨てて、両陣営とも帰っていったそうです。
そんな緊張状態の時、マリアがシケリアにやってきました。
「マリア姉、久しぶり」港に迎えた僕にマリア姉はにこっとした後、胸ぐらをつかまれました。
あれ、これって前にもあったような…と思っていると、「フィル、勝手に奥さん増やしたって本当?」と聞いてきました。
「えっと、メリッサのこと?確かに嫁にしたけど」と言ったとたん、更に首が閉まりました。
「まだ私を抱いていないのに、他の女を抱くってどういうこと?フィルはお姉ちゃんのこと馬鹿にしているのかな。ねえ、どうなの?」
「マリアちゃん、こんにちは」プリシラさんが挨拶しました。
「あっ、プリシラ姉さんお久しぶりです。いまフィルを締めているのでしばらくお待ちくださいね」と満面な微笑でプリシラに返しました。
「フィルがメリッサと結婚したのは、私が頼んだから。そんなに怒らないで欲しい」プリシラさんが言いました。
「姉さんが勧めたの?どういうことですか?」目がやばい感じに瞳孔が開いていた。
「シケリア統治に必要だった。あと、メリッサとてもいい子。マリアも会ってみればわかる」プリシラさんはマリアに言いました。
マリアは僕の胸ぐらを離して、「プリシラ姉さんが言うのだから間違いないでしょう。メリッサさんだっけ、会ってみたいのだけど」とマリアは言いました。
「あっちで待っている。案内する」と言って、マリアを連れて行きました。
はあ、助かったと、空気を思いっきり吸い込みました。
どうもマリア姉とメリッサは意気投合したらしいです。
4人で食事したら、女3人いろいろな話をしていました。まあ、仲がいいことは良いことです。
食事の後、三人で仲良く風呂に行きました。
疎外感を感じながら、一人で湯あみをして、寝室に行ったところ、三人が待ち構えていました。
「今日こそは妻として抱いてもらうからね」とマリア姉は僕を見つめています。
「マリア姉はプルタークに帰らないの?」と聞くと、
「学校も休校になったしね。私たち3年生は繰り上げ卒業よ。1年生と2年生はとりあえず進級認定して、自宅待機だそうよ」
「そうか、もういつ内戦が起きても不思議ではないのか」僕は少し感慨深かった。僕が育った国がなくなるのだ。転生後の人生とはいえ、十年以上過ごした国だ。そんな風に考えていると、「そういうわけで、私こっちに住むことにしたわ。両親にも了解済みよ。孫の顔が楽しみだって」と言って、僕を押し倒しました。
三人で協力して僕の服を脱がすと、彼女たちも裸になって、「じゃ最初は私ね」とマリア姉が言いました。メリッサは「じゃ私はサポートで後ろの方を」プリシラは「同じく私は前を」と言って、長い夜が始まりました。
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