第17話 論功恩賞とジェームズの結婚
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戦争はエトルリアの勝利で終わりました。王は大変喜び、お祝いのお祭りを全国で開きました。
そして、この戦争で活躍した者達に対して、恩賞が与えられました。
「ジョン・アッピア、この度の戦功、第一級のものである。まず、侯爵に陞爵し、今回奪った北部州の西半分とリエカを与える。また、エトルリア軍総司令官の地位と、王相談役筆頭の地位を与える。今後とも、私を助けてほしい」
「はっ、我が忠誠は王のもとに」お爺様は答えました。
「エドモンド・サロ」
「はい」
「そなたは劣勢の中最後までサロの街を守り通した。この功績大である。貴公をサロ伯爵として、サロ侯爵領の三分の一、サロとその周辺を与える。今後とも忠誠を尽くすように」
「はっ、我が忠誠は王のもとに」
次々と功績のある者が呼ばれていき、恩賞を授かりました。
「ジェームズ・プルターク殿、貴殿は外国人でありながら我が国のために戦ってくれた。その功績、大である。だか、爵位や領地で報いることは難しい。貴公には第一級キンシ勲章を与える。さらにどうであろう、我が娘を妻にしないか」
「申し訳ございません。私には婚約者がおり、王女様を妻に迎えることはできません」ジェームズははっきりと言いました。
おい、それは不敬だぞ、大丈夫か?と思っていると、王は破顔一笑し、「その娘がそんなに好きか、おいその娘を連れてまいれ、丁重にな」と言いました。
リーニャさんは何事かと少し青い顔をしながらその場にあらわれました。王の前に来ると膝まつきました。
「そなた名は何という」と王が問うと、「リーニャと申します」と答えました。
「そなた、我が養女にならぬか」
「えっ、はい」リーニャさんは驚いて、一瞬詰まりましたが、なんとか答えました。
「ジェームズ殿、この娘を我が養女とし、そなたと婚姻させよう。貴公はこれよりわがエトルリア王族の一員である」と王は言いました。
「有難くお受けします。王よ、感謝します」
「最後にフィリップ・アッピア」
「はい」僕は答えました。
「そなたはシケリアを滅ぼし、南スロベニアを下した大戦功をあげた。この戦、そなたがいなければどうなっていたか分からない。本当に感謝しかない」といって、王はわざわざ王座から立ち上がり、僕の手を取った。
「この功に報いるべく以下のものをそなたに与える。そなたにはターラント準伯爵家とプリンディジ伯爵家を継承して、今後はフィリップ・プリンディジと名乗るべし。あと、公爵に陞爵し、プリンディジ領の一部及びターラント領の一部であるブッリャ州南部を与える。更に南スロベニアから割譲を受けているスプリトを与える。そしてシケリア王国をそのまますべて与える。そして公国を名乗ることを許す。これよりそなたはプリンディジ・シケリア公国の公王となる。またそなたが奪った財宝はすべてそなたが所有することを認める。そして祖父と同様王相談役の地位につける。さらにジェームズ殿と同様に娘を妻に与えたいと考えているがどうか」
「私には妻が二人もいますので、これ以上は」と答えました。
「うむ、そなたの妻の一人はジョン・アッピア侯爵の孫娘だそうだな、ならばもう一人の妻を我が養女としよう。それでどうか」
「有難き幸せ。我が忠誠は王のもとに」
「決まりだな」
恩賞が与えられたら、そのあとはこの戦争で逃げたり敵に通じた者への処分です。
南部の貴族たちはシケリアが攻めてきたとき、日和見を決めたが、その後のシケリアでの戦闘で忠誠を示したのでお構いなしとしました。
逆に北部の貴族たちは、戦って当主がなくなったものはお構いなし、逃げた者は領地没収、ただし籠城に参加した場合はお構いなし、逃げたうえ敵に降伏したものは爵位はく奪、領地没収の上、国外追放としました。
サロ家の次男は逃亡の罪で、帰国したら死刑が決定しました。
サロ侯爵家は、王の息子が継ぎ、今回得た北部州の東半分を与えられることとなりました。
僕らは屋敷に戻り、今回の結果を皆に知らせました。
「あなたアッピア侯爵家を再建したのですね。ならば私達もここに残るわ」とおばあ様が言いました。テルミヤさんとカーヤさんも同意していました。
ジュリアさんもリンダさんもついていくそうです。
プリシラさんは「私が王の養女!?」と驚いていました。
リーニャさんは放心していました。王の養女となり、ジェームズとの結婚式を王家主催として行うことになって、準備が整うまでしばらく待つよう言われたことにびっくりしすぎているようです。
とりあえず僕はシケリアの統治に力を注がなくてはなりません。
家臣団を構成し、旧シケリア貴族たちを統制し、領内の統治を整備する必要があります。
更に周辺の島々には、シケリアの残党が多くいます。これらにも対処しなくてはなりません。
こりゃ大学に通っている暇はないなと思い、休学することにしました。
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