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第12話 北と南の戦争

毎日18時に投稿しています。お読みいただければ幸いです。

 僕とお爺様は急いでエリトリアに戻ることになりました。赤のバラ団の皆さんもついてくることになりました。

 そうしたらジェームズも「おれもいくぞ」と言ってついてくる気満々です。

 「ジム、お前パランク王国の伯爵家の跡取りだろ。他国の戦争に行っていいのかよ」と聞くと、「父上、母上から許可をもらっている。実戦の経験を積んでこいだとさ。フィルは知っているか分からないが、第二王子が今寝たきりで、いつ死んでもおかしくない状態らしい。そうすればこの国の皇太子は第三王子で決定だ。ただ、性格が最悪らしくてな、9歳にしてやりたい放題で、勉強も武芸も大嫌いでとても王の器ではないんだと。こいつが皇太子になり、王になったら、国内貴族が反発し、いずれ内戦になる可能性が高い。さらに王妃の母国であるアリア王国もどう出るか分からない。俺たち南部国境を守るプルターク伯爵家は戦火の中に放り込まれることは間違いないと父上は考えている。おれが隣国のエリトリアとコネを作っておけば、プルターク伯爵家が生き残るためのカードの一つになるかもしれないしな。フィルにも期待しているぞ」と言って、ニヤリと笑いました。


 「それにリーニャも行くからな。好きな女を死なせたくない」と少し照れたように言いました。

 ジェームズは土魔法と水魔法の使い手であり、剣の腕もかなりの腕で、学校では上級生でもジェームズに勝てる者はおらず学校最強とのことだ。


 あと驚いたことに、おばあ様たち旧青い旅団の面々もついていくようです。「これ以上側室が増えないように監視しないとね。あと、途中でやめられたから、体に火がついてしまったのよ」とお婆様は微笑んでいました。でも目は笑っていません。


 僕は帰省して時間があったので、緊急移動用の車を作成しました。

 鉄の箱で先頭部分が衝角になっている乗り物です。後ろにはオリハルコンで加工した噴射機が3つついており、風魔法と火魔法を使って移動します。

 機体を安定させるために左右に羽が付いており、まるで前世にあった飛行機のような形をしていました。

 ジェームズが「それじゃ俺は土魔法で整地しよう」と言ってくれて、地面の凹凸を均しながら進めることになりました。

 鉄の車は地面から浮き上がるように風と火の魔法により、突き進みました。

 ジェームズは地面に衝突しないよう土魔法で地面を均してくれました。

 数時間で、エリトリアのフローリアに到着しました。

 すぐに王に謁見を申し込んだところ、ほとんど待たずに会うことができました。

 ただ、王に謁見できたのはお爺様とお婆様、僕とジェームズの4人で、残りは待機で別の部屋で待つこととなりました。


 王はおどろいた顔で僕らを迎えました。

 「こんなに早く来るなんてびっくりだ。使者を数日前に送ったばかりだというのに。まだ使者が到着したぐらいかと思ったのだが」

 「魔法による方法です。それよりも何かございましたか」とお爺様が聞くと、「北の国境で南スロベニアが攻め込んで戦端が開かれた。駐屯していた2個軍団のうち、突然の奇襲で一個軍団が壊滅、残った一個軍団と領軍を率いてサロ侯爵が戦いを挑んだが、敵に包囲され壊滅、侯爵とその嫡子たちが戦死した。次男はパランク王国に逃亡、三男がサロの街にこもり、敗残兵を集めて抵抗しているがそれもいつまでもつか分からない状態だ」と言った後、王はさらに悲痛な顔をしながら言葉をつづけました。


 「更に南のシケリア軍が突然ターラントに上陸、ターラント準伯爵とその家族は襲撃を受け、殺された。ブリンディジ伯爵は駐屯していた一個軍団と両軍を率いて敵と当たったが、伯爵が敵に誘い込まれて敵陣内に入りこみ、包囲されて殺されてしまった。そのため、軍は統制を失い、生き残った軍団長の一人が敗残兵を取りまとめてブリンディジの街に立てこもっている。このままでは早晩街は陥落するだろう」と悲しそうに言いました。


 「すまない、もうお前達しか頼れるものはいない。軍の全権を委任する。この国の命運を任せた。とりあえず、アッピア伯爵は仮侯爵にアッピア準伯爵は仮伯爵に陞爵する。何か問題があればすぐに申し出なさい。最大の便宜を約束しよう」と王は言いました。


 僕らは王の間を辞去し、全員で会議を開きました。

 お爺様と旧青い旅団のみんなと、赤いバラ団のジュリアさん、リンダさんは北へ向かうこととなりました。中央部北に駐屯している一個軍団を指揮下に治めて、北部に向かわせることとなりました。

ただ、お爺様達青い旅団と赤いバラ団はテルミヤさんの魔法で先に飛んでいくそうです。

 ちなみに王国軍はブリンディジ侯爵の失脚に合わせて再編され、北部の2個軍団以外は王の指揮命令を受ける軍隊に変革されました。


 僕とジェームズ、プリシラさんとリーニャさんは南に向かうこととなりました。

 僕にも中央部南に駐屯している一個軍団の指揮権をもらいました。

 あと、お爺様からアッピア領軍の海軍と陸軍全部の指揮権を貸与されました。

 アッピア領軍のうち陸軍は現在南部のお爺様の領土と首都近郊に半分づつ駐屯しています。海軍はアンコーナにいましたが、南のターラント湾に向かうよう命じました。


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